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君との夢はもう見ない

この世界は残酷だ。
突然、逃げることのできない悲しい現実を突きつけられることがある。

毎日の笑顔も、ぬくもりも、優しさも全てが灰色になる。
変わらない朝はもう来ないのだろう。

未来に希望を抱いていた人から未来を奪う。
過去に縋ってばかりで、未来を捨てようとしている人にも明日はある。
一生を共に生きていたいと思った人に、悲しさを与えてしまうことが苦しくてたまらない。
もう二度と誰かを愛することはないと自分に蓋をして生きる人は、それが自傷行為に似た何かだと感じ始めている。
全てに近いほとんどを諦めてしまった人の希望だったはずなのに、いつしかそれは重りになっていたのかもしれない。

一瞬にして、“以前”が無くなる。
“これから”に不安が押し寄せてくる。

僕に何が出来る?
じゃあ、僕に何が出来る?

この世界は残酷だ。
一瞬にして全てを過去にしてしまう。
悲しみに支配されてしまう。

一度突き刺さった黒点は、これからの未来にぶら下がる。
二度と無くなることはない。
ただ、その中にも希望を見つけられるはずだ。
今はまだ正しさは分からない。
これから見つかるかも分からない。
考えても不安しか見つけることが出来ない。

僕に何が出来る?
じゃあ、僕に何が出来る?

今でもフラッシュバックする。
あの日の、あの瞬間が。

今にも不安で押し潰されそうな小さな体を、小さく震わせて気付かれないように泣いたあの子の夜ほど悲しいものはないと思ったんだ。

この世界はもう変えることが出来ない。

どうして君だったんだろう。

どうして君だったんだろう。

だから、僕は。

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