なぜ、「職場で」健康マネジメントなのか?
こんにちは
『健康を企業文化に』を理念に健康経営アドバイザーの
健康マネジメントスクール
水野雅浩です。
人は、一人では変われないという現実
いままで、
・そもそも健康経営とはなにか?
・健康経営のメリットにとは?
についてご紹介してきました。
しかし、それでもなぜ、職場で健康マネジメントに取り組まなくてはならないのか、すっきりしない人もいることでしょう。
今まで私たちは、顧客満足度を上げ、売り上げを達成するための様々なマネジメント業務を行ってきました。タイムマネジメント、予算管理のマネジメント、人材配置のマネジメントなどなど。後回しにしてきた健康マネジメントも同じレベルで企業が取り組んでいくステージに入りました。
しかし、健康管理もビジネススキルの一つと言われ続けてきた世代にとっては、「健康はやはり自己管理なのでは?」という疑問もまだ残ることでしょう。
なぜ、健康マネジメントを職場内で取り組むのか。人口減/平均年齢の高齢化/ヒューマンリスクの削減など理由は多々あります。しかし、その理由の一つに、人間の根源的な性質があります。それは、人は長年の生活習慣を簡単には、変えられないから。
あなたも朝早起きをしてランキングをしようと思ったけれど、3日坊主で終わった経験はないでしょうか。私は10年間、介護・医療サービスで仕事をするなかで、健康課題を抱えた方々に何千人と会ってきました。
周知の通り、高齢者に多い病気に糖尿病があります。糖尿病は合併症を併発すると、失明し、手足が壊疽します。しかも、腎臓にダメージを負うと治療費が年間500万円。透析治療のため1日4時間、週に4回通院が必要になります。本人にも家族にも大きな負担がかかります。聞いただけでゾッとするのではないでしょうか。
しかし、ドクターから「糖尿病」の申告を受け、これらの説明をきいたのにも関わらず、診断後、糖尿病の治療を継続する人は、何%だと思いますか?なんとたった30%なのです。70%は治療さえせず、元の生活習慣に戻ってしまいます。人はここまで習慣に引っ張られる生き物なのか、と愕然としたことを覚えています。(出典※ 京都大学大学院 中山健夫のデータより西根英一氏作図 国民病とも言われる「糖尿病治療」の現状より)。
企業の成長の要は、いつどのような時代であっても、人です。そして、その人という資産は、不健康で劣化に任せる資産であってはいけません。雇用主が関与し、適切なメンテナンスをおこなっていくことが必要なのです。
社員が高齢化し、若手人材の採用が難しくなる局面です。社員がこれ以上不健康になり健康リスクを抱えないように。また、健康な社員はより健康になるように、企業が積極的に、社員の健康づくりに介入していく時代に入ったのです。
健康を企業文化に
前述の通り、私はベンチャー企業で働いていたこともあり、今の私を作っているのは間違いなく、あの時期があったからこそ。しかし、その過程で体やメンタルを壊し辞めていった社員も大勢いました。
今でも忘れられないのが、私の部下がメンタルを崩して離職する時に、漏らした一言です。お疲れ様の意味を込めて、飲み会を開きました。はじめは思い出話などにも花が咲き、ワイワイ穏やかでした。
ところが、酒が回るに連れて、彼は押さえていた感情が決壊するのを必死に押さえるように、ワナワナと肩を震わせ、一言、こう漏らしました。
「・・・なんで気付いてくれなかったんですか」。
飲み会の場は凍りつきました。忙しさを言い訳に、健康を後回しにしていたこと、上司として見て見ぬふりをしていた現実を突きつけられた瞬間でした。
もし20年前のあのときに私に「健康第一」「家庭第一」という考え方があったならば。会社に「健康経営」という取り組みがあったならば、と振り返らずにはいられないのです。
本記事が、きっかけになり、御社の社員が一人でも多く「健康で長く働け」「健康が企業文化」になる一つのきっかけになればこれほど嬉しいことはありません。
健康マネジメントスクール
水野雅浩