マガジンのカバー画像

支える理学療法《シーティング編》

8
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

シーティング 第4回 《斜め座り》

シーティング 第4回 《斜め座り》



仙骨座りと一緒に見られることも多い、斜め座りについてお話しします。

比較的多いのが、小柄な女性に大きな車椅子を使用するなど、

そもそも、

ご本人様の体型と車椅子の規格が合っていないことが多いです。

ベストな車椅子の幅は、臀部の横に手掌が一枚入る程度です。

拳が一個以上入れば、横幅が大きすぎます。

幅が広いと、アームレストの位置が遠くなり、肘でバランスをとることが難しくなりますし、ど

もっとみる
シーティング 第3回 《滑り座り(仙骨座り)後編》

シーティング 第3回 《滑り座り(仙骨座り)後編》



今回は、

滑り座り(仙骨座り)の原因として一番多い,

円背姿勢をバックサポートにて適切に支持できていないため、背面から押し返される。(背張り調整が不十分、または背張り調整機能がない。)

について述べたいと思います。

図の写真の方は、背張り調整機能が付いているにもかかわらず、背張り調整をせずにクッションで背面をサポートされていました。

そのため、クッションの厚みで体が前に押し出されるよ

もっとみる
シーティング 第2回 《滑り座り(仙骨座り) 前編》

シーティング 第2回 《滑り座り(仙骨座り) 前編》



特養や老健、デイなどで、臨床上、一番よくみられる座位不良姿勢だと思われます。

まず、原因の一つとして挙げられるのは

①座低長(座位での臀部後方から膝窩部までの長さ)と座面長(車椅子の座面の長さ)が合っていない可能性が挙げられます。

これは、比較的小柄な女性が、大きな車椅子に乗っていいる際などに見受けられます。

ちなみに、座低長と座面長の適切な長さの指標は、膝窩部とシート前端のすきまが2

もっとみる
シーティング 第1回《代表的な不良姿勢》

シーティング 第1回《代表的な不良姿勢》



シーティングとは、『ある目的の達成に近づけるために、最適な座位姿勢を支援をすること』です。

ある目的とは、

人によっては、仙骨部の褥瘡予防であったり、食事での誤嚥予防、拘縮予防など、個々人によって目的は異なるでしょう。

しかし、最適な座位姿勢を保つという手段は一緒です。

快適な座位姿勢が保てれば、たいていの問題は解決するはずなのです。

シーティングが上手くいくだけで、

①不穏・問題

もっとみる