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サルコペニアと廃用症候群の違いとは
久しぶりの投稿となってしまいました。今回はタイトルにもあるようにサルコペニアと廃用症候群の違いについて極々簡単に紹介をしていきます。
まずはじめに
皆さんはサルコペニアと廃用症候群の違いを適切に説明できますか?
例えば筋線維の変化の違いについて、または筋原性に変化するか、神経原生に変化するのかなど。
これらを「ちょっと説明できないな」という人は今回の記事、またはYouTube動画を見ていただけると勉強になります。
YouTubeでは2分程度の短い動画で紹介をしていますので、すぐに見ることができます。「文書を読むのがめんどくさい!」と言う方はぜひ、ちょっとした時間にどうぞ。
サルコペニアと廃用の違いとは一体どのようなものなのでしょうか。
発生様式の違い
サルコペニアと廃用症候群とでは生じる機序が異なります。
図にも示してありますように、サルコペニアは「老化に伴う内的な生理現象」「炎症性の疾患」「運動不足、栄養摂取不足」により生じます。生じ方は非常に多面的です。
廃用症候群は「安静臥床」「運動不足」「ギプス固定」などで生じることが多く、可逆的です。廃用症候群は実験レベル(マウスなどでも)も再現が可能なため論文などでも非常に多いですよね。
このようにサルコペニアと廃用症候群は発生様式に違いがあると言うことを覚えておきましょう。
サルコペニアと廃用で異なる体の変化とは
次に見ていくのがそれぞれの身体の変化です。細かく見ていけばこれだけの変化が起こるのです。
両者に共通するイメージは筋萎縮だと思いますが、例えば「筋線維数」のところを見るとサルコペニアでは筋線維数が減少するのに対して、廃用症候群では変化はありません。
その他、筋タイプの変化ではサルコペニアは白筋(typeⅡ)優位の萎縮が生じるのに対して廃用症候群では赤筋(typeⅠ)優位の萎縮が生じます。
こうした違いの特徴を知っているかいないかで理学療法士としてもアプローチが異なってきますので必須の知識と言えるでしょう。
サルコペニアと廃用症候群はどのように生じるか
両者は具体的にどのような形で現れてくるのでしょうか。
様々な研究で明らかとなっていますが、その中でも代表的なものを図に載せています。
年齢による影響が強いことは周知の事実だと思います。また安静臥床による影響で廃用症候群が生じることも理学療法士にとっては当たり前のことと思います。
安静臥床により筋肉だけでなく、心肺機能も低下することが明らかになっていますので全身に出現する可能性があることを留意しておかなければなりませんね。
だからこそ離床が必要になってくるのです。ここは理学療法士の腕の見せ所です。
最後に
理学療法士は多くの領域の患者さんを担当しますが、このサルコペニアと廃用症候群は疾患領域に限らず非常に多くの場面で出会うものだと思います。
この2つが非常に複雑に絡みあっていることも多くあります。そのため今自分はサルコペニアに対してアプローチをしているのか?廃用症候群に対してアプローチをしているのか?をはっきりさせることは難しいかもしれません。
しかしながら理学療法士としてこの2つに違いがあるということだけは忘れずに介入方法を検討することは大切だと思います。
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