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子供が言い放った言葉が私に気づかせたこと。

高2の息子は最近、反抗的でよく

言い合いになってしまう。

私の中での反抗期は

成長ホルモンの分泌が活発なだけ

で子ども自身に問題があるわけ

ではない!と思っている。

そんな毎日の中、私は更年期だし

子供は反抗期だし言い合いは頻繁

に起きていた。

私は体のだるさから横になって

寝ていることが多かった。

部活が早く終わって帰ってきた

息子はソファに横になる私を見る

なり一言

「なまけもの・・・

と言った。

な・ま・け・も・の?

な・ま・け・も・の?

な・な・な・ま・け・も・の

だとー!?

なんという言葉を投げつけるのかと

頭に血がのぼった。

わなわなと小刻みに震える体。

あまりにも発狂しすぎて言葉も

発することなくその日は

布団に入った。

でも寝るに寝られない...。

朝早く起きて、お弁当を作り

土・日・祝日は送り迎えをして

仕事も頑張ってやっている。

掃除して洗濯してご飯作って

庭と畑の草むしり、猫のお世話に

ゴミ捨て必死にやってるでは

ないか!

なんでそんなこと言われない

といけないんだー!

頭の中をグルグルグルグルと回り

寝れたもんでは無い。

腹の虫が収まらない私は

息子にLINEした。

カーン!

頭の中でゴングが鳴り響き

LINEの大喧嘩が始まった。

LINEで喧嘩なんて時代も

変わったものだなぁ...と

頭の片隅で思いつつ言いたい

ことをLINEに書き綴る。

内容はあまりにも低レベル

のため、割愛するが

LINEの中のドロ試合。

LINEの喧嘩はその後

1時間続いた。

お互いよくもそんなに時間が

あったものだ!

2人ともどうかしている...。

私は最後に渾身の長文を

送信した!

「自分の発言 どの発言が

この事態を起こしたのか

考えたらどーなのですか?

怠けている!とは

言われたくない。

私はその時にできることを

やっている。あなたに決め

つけられるのはごめんだ!

あなた自身が怠けているの

ではないですか?

だから人に言おうと思うんじゃ

ないのですか?

怠けているなんて言葉は人に

言っていい言葉ではない!

頑張っているかどうかは人に

決め付けられることではない!

私は朝起きるところから

頑張ってる。

息をすることも頑張ってる。

生きる事を頑張ってる!

それだけでも大したものだ。

自分が頑張ってるのに人から

怠けてるなんて言われるのは

まっぴらだ!

そんなことは自分で決める!

あなたに言われることではない!

もし100人が怠けていると

私に言っても

私は一日が終わったら

自分に「よく頑張ったね」という。

そんな私に対して怠けている

なんてよく言えたもんだ!!

みんな自分の精一杯がある。

そんなことは人に計られるもの

では無い!」

よっしゃ!やったぞ!

言ってやった!言い放って

やりましたよ!!

わーっはっはっはー。

勝ち誇りその後の息子からの

LINEはスルーし眠った。

夜中にふと目が覚めた。

“あーあ。また喧嘩しちゃった

なぁ...。ちょっと大人げなかっ

たかな...。”などと暗闇の中

目ん玉見開いてボーッと考えて

いた。

その時 ハッと気がついた。

小学1年生から野球を

やり始めた息子にいつも

言っていた...。

高校生になった今も

言い続けていた。

「ご飯沢山食べないと...」
「自主練しなくていいの?」
「素振りしなくていいの?」
「ジョギングしてきたら?」
「勉強ちゃんとしてるの?」
「朝だよ。いつまで寝てるの?」

息子はヘトヘトだったのかも

しれない。

「なまけもの」という

言葉は使っていないが

もっと頑張れないの!?

という意味合いを含んだ

息子にとっては重い言葉

の数々を...

もう疲れきっていて休みたい時が

あっても朝は早起きをして、

学校に行って勉強をして

その後は部活、

そして自転車に乗って20分

かかる家まで帰ってくる。

また朝起きて学校行って...

それを11年間息子は続けて

きていた。

自分はヘトヘトなのに

いつも横になって寝ている母親...

偉そうに口でごちゃごちゃと

言う母親に対して言い放った

5文字だったのかもしれない。

息子が頑張っていることを

私は見ていたのだろうか...。

見ていたし分かっていた。

でも、まだだ、まだだ

とあれこれと言い続けていた

ことに気がついた。

息子に「なまけもの」と言われて

発狂したけど11年間も

頑張っている息子に

まだまだやらないと!

まだまだできるでしょ!

と言っていたのだと気づいた。

最後の渾身の長文は

息子の言葉として

一字一句そっくりそのまま

私に返ってきた。

この文章はまさに息子が

私に言いたかった言葉だった

んだと私は気がついた。

ますます目がギンギンに覚めた

私はその後2時間程しか眠れ

なかった。

次の日の朝 私は息子に

こう言った。

「昨日の最後のLINEはあなたが

お母さんに言いたい言葉だった

んじゃないかと昨日の夜中に

思ったよ。

一生懸命頑張っているのに

もっとやるべきだ!と

言い続けていたのは

お母さんだったね。

ごめんね」

息子は黙って聞いていたが

ムカついていた心が溶けて

いったようにみえた。

「いってきま~す!」

息子は元気な声で言うと

部活のリュックを背負って

自転車にまたがり学校へ

向って坂を降りていった。

子供もいろんなことを抱えながら

必死に毎日を生きている。

子供の言葉に気付かされることは

数しれず...。

子供に育てられること19年。

様々な出来事があったが

ひとつ残らず自分を成長させる

ための出来事だったと思う。

子供とは“破天荒な教育者”だと

私は思う。

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