#22 ストレスを手放せるようになるには
stand.fm『瞑想Cafe』の22回目の放送です。
『瞑想Cafe』では、ストレスを手放し、苦しみから解放されることをメインテーマにしています。
今回は、ストレスを手放すことができるようになるためにはについて、お話したいと思います。
『瞑想Cafe』では、瞑想に関することを中心に、心とからだの健康をテーマに話をしていきたいと思います。
特に、ストレスを手放し、苦しみから解放されるために役立つ情報を発信していきたいと思っています。
そのために役に立つ情報として、マインドフルネス、ヴィパッサナー瞑想、ブッダの教え(ブッダ・メソッド)、アーユルヴェーダなどを中心に、誰にでもわかりやすいように、私の体験を交えながら、ご紹介していきます。
この記事では第22回の放送内容を要約して、お伝えしたいと思います。
1.過度なストレス状態を体験してみる
第21回で「過度なストレス状態」を説明しましたが、その復習です。
私たちは、過度なストレス状態のとき、どのような状態になっているのでしょうか?
心が押しつぶされいるとき、心がどうしようもないストレス状態のとき
私たちの意識は、その刺激に意識が集中し、
心はそれに囚われてしまい、飲み込まれしまっています。
私たちは無意識にそれにフォーカスを当て続け、
無意識に強く、ぎゅっとつかんでいる状態です。
それも、力いっぱい、力を入れ続けています。
力を緩めることも、手を離すこともできなくなっています。
私たちの心は、このような状態になってしまっているんですね。
この状態を分かりやすくするために、今からある実験をしてみたいと思います。
今から、ある音を流しますので、何気なく聞いてみてください。
歯医者さんの歯を削るときの音
ギーという削らける音
(※ 放送内容をお聞きください)
大丈夫ですか?
皆さんどんな反応をしましたか?
この嫌な音は聞きたくもないのに、周りにはいろいろな音があるのに、
この歯を削る音に、無意識が意識がそこにとらわれてしまいませんでしたか。
意識はそこに集中して、フォーカスされ、心はとらわれ、離れられなくなってしまったのではないでしょうか。
そして、からだのどこかに嫌な感覚が生まれてきませんでしたか?
背中だったり、首筋だったり、歯のあたりだったりに。
人によって生じる場所も違えば、生じる身体感覚も違います。
私はこの音を聞くと
背中の上、首元あたりに、“ゾクゾク“とした感覚が生じます。
うわ~となって、嫌だと意識して、“きらいだ~”、“いやだ~”と自動的に嫌な感情がどんどん溢れ出してきます。
それと共に、体が反応して、力が入り、肩にも力が入り、全身に力が入り、体が縮こまってしまいます。
もう何も考えられなくなり、歯医者さんで歯を削られているイメージに頭の中は占領されてしまいます。
そして、体に力を入れて、終わるのをじっと我慢するしかなくなります。
もう音は聞こえてないのに、いまだにぞくぞくした感覚が残っています。
頭の中でイメージしたものが、まだ消え去っていないようです。
この嫌いな音だけで、私たちの心と体は無意識にこれだけの反応して、勝手に動いてしまったのです。
本当に、すごいですよね。
このような反応は、この音に心が紐づけされてしまっているのですね。
条件反射、パブロフの犬と同じですね。
このような反応は、その音を聞かなくても、その映像を見るだけでも、イメージするだけでも、生じてきます。
そして、同じような身体感覚が同じようなところに生じてきます。
先ほどの音をイメージしてみてください。
歯医者さんで歯を削られている様子を思い出してみてください。
いかがでしょうか?
私は、イメージするだけで、背中の方で“ゾクゾク“くとしてきます。
イメージするだけで、身体感覚として現れ、嫌な感情が生まれてきます。
身体的感覚が感情に結びついているのです。
強いストレスに押しつぶされているときは、何かの刺激がキッカケでこれと同じ反応をしているのです。
2.私たちの心の内側でどのようなことが起こっているのでしょう?
私たちの心の中では、どのようなことが起こっているのでしょうか?
ストレスを手放すためには、先ずは私たちの心の内側で、心がどのように働いているのかを理解することはとても大切です。
先ほどの歯医者さんの歯を削るときの音を例に、心の働きを説明していきたいと思います。
耳から入って来た、歯を削る音に聴覚が接触します。
その削られる音の刺激を、潜在意識は無意識に瞬間的に知覚します。
潜在意識は、過去の記憶を探り、無意識に瞬間的にこれは嫌いだと判断します。
その嫌いだという判断と共に、体が瞬時に反応して、無意識に体のどこかに身体感覚が生じます。
体のどこかに身体感覚として、シグナルが現われてきます。
この身体感覚に、私たちの顕在意識が気がついて、これは嫌な感情だと認識して、嫌な感情が吹き出してきます。
その嫌いな感情に刺激されて、それに結びついている過去の嫌だった思いや感情を思い出し、過去の嫌な感情が溢れ出し、心はその嫌な感情に飲み込まれてしまいます。
このような「心の働きのサイクル」を無意識にグルグルと回してしまい、嫌な感情をどんどん膨らませてしまっているのです。
嫌な感情の一端に火がついて、知らないうちに、大きな塊に火が移って燃え出し、大きな固まりに燃え広がって、気が付いたときには、心という家全体が燃え上がっていたものです。
これは音だけに限らず、見るもの、音、匂い、味、触れるもの、この5つの感覚器官から感じるものすべてで、同じように反応してしまいます。
マインドフルネスの気づきでも取り上げた、瑛人(えいと)さんの「香水」という大ヒット曲
別に君を求めてないけど 横にいられると思い出す
君のドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ
香水の匂いにより、臭覚が刺激されて、心が働き、思い出とともに、その時の感情を思い出し、感情が膨れ上がってくる姿が描写されています。
このような反応は、5つの感覚器官から生じるものだけではありません。
私たちの心に浮かんできるもの、『煩悩』煩悩と言われてるもの
雑念、妄想、想念、意識、イメージ、思考など
顕在意識で考えるものすべては、同じように刺激になって、潜在意識は動き出します。
体のどこかに身体感覚と現れてきます。
この身体感覚は、同じ刺激であれば、いつも同じようなところに、同じような感覚で生じてきます。
「好き・嫌い」「快・不快」と反応して、その感情が生まれ、それに結び付く過去の強い感情などが引き出されます。
心は激しく動き出し、「心の働きのサイクル」がグルグル回転し始めてしまいます。
私は、この「心の働きのサイクル」を『苦の車輪』と呼んでいます。
私たちの心は、身体感覚に感情を結び付けて、条件付けをしまってしまっているのです。
その感情に、過去の強い感情も結び付けられています。
その強い感情は、凝り固まった塊となり、それに執着していきます。
私たちの心は、それをギューッと力強く握って、離せなくなってしまっているのです。
3.ストレスを手放せるようになるためには
ストレスに押しつぶされて、ギューッと力強く握って、離せなくなってしまっていますので、力を緩めてあげる必要があります。
力を緩めるためには、緊張をほぐしていくこと、感情と感情の条件付けをほぐすことです。
そして、心の内側で無意識に働いてしまう「心の働きのサイクル」である『苦の車輪』を回らないようにすることです。
そのためには、今この瞬間の自分を『あるのままに観ること』です。
あるがままに観るとは、『今ここに気づくこと』です。
・今この瞬間の「感情」
・今この瞬間の「心の働き」
・今この瞬間の「身体感覚」
この3つに意識を向けて、気づくことです。気づいていることです。
すなわち、自分で自分の今の状態を客観的に観れるようになることです。
あるがままに観ること、今ここに気づくことで、身体感覚や今の感情に、心が反応しないようにすることができるようになります。
これができれば、感情をコントロールできるようになります。
ストレスを手放すためには
心の内側の緊張をほぐすこと
感情と心の条件付けをほぐしていくこと
身体感覚や感情に反応しないこと
これが大切になります。
4.ストレスを手放すための2つのステップ
ストレスを手放すためには、大きく2つのステップに分かれます。
STEP1:意識化する
STEP2:浄化する
STEP1: 意識化する
心理学用語で「カクテルパーティー効果」という用語を聞いたことありますか?
この「カクテルパーティー効果」とは、
たくさんの人がそれぞれに雑談しているなかでも、
自分に必要な事柄だけを選択して、
聞き取ったり、見たりする脳の働き
のことです。
パーティーのざわざわとした騒音の中でも、会話相手の声を判別できることから、この名前がついたと言われています。
なぜこのようなカクテルパーティー効果があるのでしょう?
それは、脳のパンクを防ぐためです。
五感と心の6つの感覚器官から得た、莫大な情報をすべてを等しく認識していたら、心は大変なことになってしまいますよね。
脳はそれを回避するため、必要そうな情報のみを得て、その他をすべてシャットダウンしているのです。
例えば、やたらと他人のヒソヒソ話が耳について気になってしまうことがありますよね。
そのヒソヒソ話は、“自分に関係がある情報だ“と脳が意識しているために、
たくさんの情報の中からヒソヒソ話を選出して、聞いてしまっています。
自分に自信がなかったり、なにか負の感情を持っていると、周囲の目が気になるときなど、特にそうですよね。
すると脳がその情報が必要なんだなと解釈するので、普段は雑音で気にならなかった話し声などが気になってしまうんです。
聞きたくないと思えば思うほど、その情報に意識が集中していきます。
意識を向けること、フォーカスすること、フォーカスし続けることで、たくさんの情報の中から、潜在意識がその情報だけを選択して認識し、意識化してくれるのです。
今この瞬間の自分を『あるのままに観る』ためには、それに意識を向けること、向け続けることができるようにならなければなりません。
今ここ、この瞬間の自分を『あるがままに観る』ためには、意識化することが大切です。
そのためには、次のことが重要です。
意識を向けて、今ここに気づくこと、気づき続けていること
今この瞬間の「感情」、「心の働き」、「身体感覚」に気づくこと
そのための手法として、マインドフルネス瞑想、気づきの瞑想、
アーナパーナ・サティ(呼吸による気づき)があります。
STEP2: 浄化する
意識化して初めて、消し去ることができるようになります。
身体感覚や感情、過去の強い感情に結び付けられ、執着してしまって凝り固まった塊を緩めて、消し去ることです。
そのための手法として、『ヴィパッサナー瞑想』があります。
この瞑想法に関しては、今後じっくりとお話していきたいと思います。
※【図解】ブッダメソッドも参考にしてください。
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