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読みにくい、でもオススメしたい本

今ちょうど読んでいる本がある。

普通なら本は読み終わって、
自分で内容を咀嚼してから記事にするのが
私のスタイルなのだが、
今読んでいる本は色んな意味で
読みながら咀嚼が必要なもので、
噛みながら味が変わっていく気がしている。

なので、残り40ページほどを残した
今記事に書くことにした。

では今私が読んでいる本とは一体何かというと
この本である。

著者の上野千鶴子さんはいわゆるフェミニストの
方であり、社会学者でもある。

以前から”フェミニスト”という言葉を
耳にすることはあったが、
それらは総じてポジティブな文脈では
語られることがなかったので
私の中ではどのような考え方なのかが
以前から気になっていた。

そんなときに、この本に出会い、
パラパラとめくってみるととても面白そうだったので
手に取ることにした。

実際この本を読んでみると、
非常に様々な文献が引用されており、
どことなく論文を読んでいるかのような
堅さもありながら、
登場する内容はリアルな事例が多く、
決して咀嚼できない内容ではない。
平たく言うならば、実に読みにくい本である。

だが、冒頭にも書いたように、
本書は何だか噛めば噛むほど味わいが出てくる、
そんな本でもあるのだ。

フェミニズムという概念について
これまであまり触れてこなかったのもあるが、
この本のサブタイトルにもなっている
”ミソジニー”については本書を手に取るまで
私は聞いたことがなかった。

ミソジニーとは男性にとっては”女性蔑視”
女性にとっては”自己嫌悪”と解釈することが
できる言葉であり、
まさにフェミニズムの考え方の根底にある
ものこそがミソジニーなのである。

本書では我が国においてミソジニーが
どのように形成されて、
どのような影響を与えているのか
様々な事例が書かれているのだが、
正直、男性として本書を読んで
私はとても驚いた。

なぜなら私が過去に感じて
不思議に感じていた感情のいくつかが
本書に書かれていた内容で
腑に落ちたからである。

若干センシティブな話題なので
この記事の中ではあえて詳しくは
書かないでおこうと思うが、
私達男性も間違いなく、このミソジニーの
影響を受けて物事を選択していたのである。

正直、本書に書かれた全ての内容を
私は咀嚼することができずに終わるだろうし、
中には咀嚼した結果飲み込むことができない内容もある。

だが、この考え方は今後自分の考え方を
コントロールしていく上において、
必ず知っておいて損はない考えであると思う。

自分の判断が何に影響を受けているのかが
わからない限り、
それをコントロールすることはできないからである。

私の記事を読んでくださる方には
女性の方が多いのだが、
賛否に関わらず本書を読んでみて頂きたい。

少なくとも私は妻や娘という女性と
毎日顔を合わせて生活する上において、
この考え方を知っておいてよかったと
思っている。
そういう意味では、男性の方もぜひ
読んでみるべき一冊である。

中には少し不快に感じられる内容も
あるかもしれないが、
読書も時には苦みがあるぐらいのほうが
味わい深いというものである。

読書の秋のお供には少し難解な本も
いいものである。



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