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たんぱく質をコスパよく摂れる食材を検証してみた

ここ数年コンビニやスーパーに行くと
妙に「たんぱく質〇g」というような
表示が目立つようになった。

以前は一部のコンビニで糖質オフ商品を指す
いわゆるロカボ商品が並んでいたが
今は空前のたんぱく質ブームらしい。

しかし、これはたんぱく質ブームというよりも
空前のトレーニングブームに端を発したものである。

気軽に通えるチョコザップや24時間通えるジムなどが
あちこちに設立され、
多くの人が健康維持やQOLの向上を目指して
それらのジムで汗を流すようになった。

そして彼らはその回復を狙ってたんぱく質豊富な食材に
購買意欲をそそられるようになり、
結果としてたんぱく質ブームが起こったのである。

私がいつも記事を拝読しているnoterの方々の間でも
筋トレが今注目ワードの一つとなっている。

かくいう私も長らく筋トレと向き合ってきた。

最初にし始めたのは18歳ごろ。
何がきっかけだったかは忘れたが
自宅で腕立て伏せをするようになって
少し自分の胸や腕に変化が見えることが
とても面白いと思っていた。

当時は今のようにYouTubeはなかったので
筋トレに関する情報源はもっぱら本や雑誌である。

今では間違っていると言われることが多いが、
当時は超回復理論という
考え方が非常にポピュラーであった。

1回トレーニングをすると
その刺激によって筋肉がダメージをうけ
一時的に筋力が低下する。

それを48~72時間かけて回復させると
回復した直後には前にトレーニングをしたときより
ほんの少し筋力が上がっているので
そこで再びトレーニングをしてダメージを与え
再び回復させて、、、
この繰り返しをすることで徐々に
筋力の階段を上がっていくようなイメージである。


当時の私はこの理論を信じ、
2~3日に1回の頻度で全身のトレーニングをして
回復期にたんぱく質の多い食事をするような
生活を繰り返していた。

今から思えばとても非効率で滑稽なやり方に
見えてしまうが、
当時の私にとってはこれがベストな方法だったのだ。

とはいえ、当時は特段運動をしていなかった
普通の大学生だったことを思うと、
かなりいい体をしていたほうだったので
このやり方も、栄養の摂り方も
あながち間違っていたわけではないようである。

そんな時代を経験して社会人になり
一時的に筋トレとの付き合いが薄い時期もあったが、
概ね継続して筋トレはし続けており
トレーニングの仕方や回復の仕方など
知識を常にアップデートし続けてきた。

そして、今空前のたんぱく質ブームが来た。

私が調回復理論信者だった頃は
筋トレが終わってからコンビニで何か
たんぱく質を多く含むものを探すと
ゆで卵かスティックのカニカマぐらいしかなかった。

だが、今なら当たり前の様にサラダチキンや
パック入りのプロテインドリンクが置かれているし、
菓子パンですら「たんぱく質〇g」と大々的に
表示されている。

これは筋トレをする人にとって
最高な環境に近づいていると言えるだろう。

だがこの状況を斜めから見てみると、
たんぱく質が商品の付加価値に
なっているということである。

つまり、高たんぱく食品はコストが高くなりがちなのだ。

実際筋トレをしている人と話をすると
しばしば次の話題が出てくる。

・どこのプロテインが最もコスパが良いのか?
・どんな食事ならコスパよくたんぱく質が摂れるのか?

筋トレはしたいけれど余計なお金は使いたくないという
ニーズは必ず大きいはずなのだ。

そこで、前置きが非常に長くなったが
今回はたんぱく質が最もコスパよく摂れる食品を
考察してみようと思う。

筋トレをしている人でなくても
たんぱく質をコスパよく摂りたいと思うなら
ぜひ最後まで読んでみて欲しい。

①卵
たんぱく質という栄養素は漢字で蛋白質と書き、
この蛋白というのは卵白を指す言葉である。

「たんぱく質を多く含む食品といえば?」と聞くと
多くの人が卵と答えるのも納得であろう。

そんな卵であるが、蛋白質はどの程度含まれているかというと
可食部100gあたりに12g程度と言われている。

これは全卵の数値なので、卵黄も含んだ数字になるが
コスパを重視するならばやはり全卵で
考えるべきであろう。

では、卵のコストはいくらかというと
概ね10個入で200円前後(2024年4月現在)では
ないだろうか。

卵Lサイズの1個当たりの重量は約60g(殻なし)なので
1パックあたり可食部600g。
そこに含まれるたんぱく質は72gなので、
10gのタンパク質を摂るためにかかるコストは
27.8円となる。

②牛乳
卵と並んでたんぱく質を含む食品として
回答が多いのは何といっても牛乳であろう。

世の中で最も多く飲まれているプロテインである
ホエイプロテインは牛乳を原材料としているので、
その意味でも牛乳はたんぱく質を含む食品の
代表格であると言える。

そんな牛乳のたんぱく質含量はどの程度かというと
100gあたり平均で3.3gだと言われている。

牛乳パック1つ(1000g)あたりの価格は
概ね250円前後(2024年4月現在)なので
1パックあたり33gのたんぱく質に250円。

つまり、たんぱく質10gを摂るためにかかるコストは
75.8円になる。
卵よりもかなり割高な感じは否めない。

ちなみに豆乳についてもたんぱく質の含有量は
牛乳とそれほど変わらず、
市場価格も似たようなものなので
10gのたんぱく質を摂るためのコストは
牛乳と近しい数字になる。

③鶏むね肉
ボディビルダーが食べる食事といえば
真っ先に頭に浮かぶのが鶏むね肉であろう。

筋肉をつけながら脂肪を極限まで絞る
ボディビルダーにとっては
食事で摂る脂質は可能な限りコントロールしたい。

その点、鶏むね肉は皮を除去すれば
脂質は極めて少ないし、
肉自体がそもそも鶏の筋肉なので
当然たんぱく質含量も多い。

しかも、コストは他の肉類に比べても
明らかに安いので、
大量にたんぱく質が求められる
ボディビルダーにとって最適な食材である。

では、そんな鶏むね肉にはどの程度の
たんぱく質が含まれているかというと
100gあたり概ね25gと言われている。

鶏むね肉の市場価格は100gあたり
概ね100円前後だと考えると、
(安売り時は50円前後にもなるが)
10gのたんぱく質を摂るためにかかるコストは
40円ということになる。

もちろん安売り時の単価で計算すると
この数字は半分になるので、
一概には言えないものの、
10gのたんぱく質を摂取するための
コストの平均で考えると
どうやら卵に軍配が上がりそうである。

④プロテイン
こうしてたんぱく質を多く含む食材を
3種類見比べてみたが、
ここで気になるのがプロテインとどちらが
コスパが良いかということではないだろうか。

もちろんたんぱく質は栄養素の一つなので
食事の中から摂取することが
大前提ではある。

しかし、プロテインのコスパが良いならば
普通の食事にプロテインをプラスアルファすることで
余計なコストをかけずに手軽にたんぱく質を
摂ることができるであろう。

とはいえ、プロテインにもピンキリがあるので
今回は私が愛用しているプロテインである
下記のものを例に考えてみる。


この商品は2024年4月現在、1㎏入りで2790円で
販売されている。

100g当たりのたんぱく質量は75.1g。

たんぱく質10gを摂るためにかかるコストは
37.2円となる。

こうして計算してみるとプロテインは
たんぱく質量だけの観点でみると
コスパがいいわけではないのである。

この結果はとても意外だと感じられる方も
多いのではないだろうか。

ちなみに今回事例に出したこの商品は
色々なプロテインを見る中でも
コスト的にはかなり安い部類であり
コスパの高い商品だと私は思っている。

しかし、それでもたんぱく質10gを摂取するならば
卵が一番コスパが良いと言う結論になるのだ。

では、なぜボディビルダーはコスパが悪いにも関わらず
鶏むね肉やプロテインを飲むのであろうか。

その答えはシンプル。
たんぱく質以外の余計な栄養素を
摂取しなくて済むからである。

今回の記事での結論としては
卵が最もコスパよくたんぱく質を摂れる食材と
いうことになるが、
あくまでこの数字は全卵での数字である。

実は卵黄には脂質も多く含まれており、
全卵100g当たりの脂質量は10g前後にもなるのだ。

つまり、10gのたんぱく質を全卵から摂るには
約8gもの脂質も摂らなくてはならないという
計算になってしまうのだ。

それを避けようとするとほとんど脂質を含まない
卵白のみで食べる方法になるが、
そうなるとコスパは確実に悪化してしまう。

なので、ボディビルダーは卵ではなく
鶏むね肉やプロテインを選ぶのだ。

だが、私達一般トレーニーの場合には
それほど極端なたんぱく質量は必要ない。

脂質、糖質、たんぱく質のバランスを
少したんぱく質に寄せるために
食事内容を変えるという意味では
卵は最もコスパに優れた食材といえるであろう。

まだまだ卵の値段は高い水準を維持しているが、
なんとか過去の水準まで下がってくれることを
願いながら今日もトレーニングに励みたいと思う。

実はこの記事を書くにあたり
番外編として紹介したい食材が
一つある。

それは高野豆腐である。

高野豆腐はその名の通り豆腐から作られているが
水分率が非常に低い状態で売られている。

なので、可食部100gあたりのたんぱく質量は
驚いたことに約50gになる。

高野豆腐の市場価格は130g入りのものが250円前後。
たんぱく質10gを摂取するためにかかるコストは
38.5円となるのである。

この数字はプロテインや鶏むね肉とほぼ同等であり
実は高野豆腐は隠れた高コスパ食材なのである。

とはいえ、料理法が限定されるのが
大きな欠点ではあるが、
ぜひ食事のたんぱく質量を調整する際に
活用してみてほしい。



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