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感じのいい営業マンから学んだこと

昨日とある会社の営業マンが来た。

その会社の担当者は少し前に変わって
前回面談した際に、その方と名刺交換をしていた。

だが、その時には前任者が一人でずっと
話し続けていたので、
実質昨日が初めてちゃんと話す機会であった。

時間ちょうどに会社の受付から内線が来て
私は会議室に向かった。

実は私はこの会社に対してあまりいいイメージを
持っていなかった。

私が働く会社で製造している商品で
メインで使う原材料ではなく、
サブ的につかう資材をここから購入しているのだが
メインで使う原材料について過去にゴリ押しともいえる
営業をしてきたことがあったからである。

電卓をはじいてみるとその実現性の低さは
すぐにわかるのだが、
その時の担当者は何としても数字を上げたいと
思っていたのか、
私たちの話をあまり聞かず話を続けるので
正直ウンザリしたという経験がある。

その担当者から変わったのが前任の人であったが、
この人もなかなか話の聞き方にクセがあり、
何だか話をしていても「暖簾に腕押し」のような
感覚が常にあったので、私は正直あまり得意ではなかった。

そうして、今回さらに後任の方が来社された。

お話をし始めてみると、
どうもこれまでの担当者で感じたような
妙なクセは何も感じず、
話していても好感を持ちこそすれど
悪い印象は全く受けない話し方である。

以前にこちらから相談していた案件について
ヒアリングをされ、
後日それに合った提案をするということで
話は終わったのだが、
これまでの担当者の方はそこで何かしら
自分たちのビジネスになるような話がないかを
聞いてきていた。

恐らくこれがこの会社の営業スタイルなのだろう。

そう思いながら、今回の担当者から
以前の担当者と同じように、メインのビジネスに
関係する話題がでるのだろうと覚悟していると、
彼の口から出てきたのは全く予想していないものだった。

あまり力強くない声ではあるが、
前職の経験も含め、これまで応えられなかったような
ニッチな要望にもお応えできるので
何か困っていることはないかというものであった。

全く押し付けるような感じはなく、
何だか本当に困っていることがあれば言って欲しいと
思って発言している印象を受けた私は
今仕事でぶつかっている課題点について
自然と相談してみようという気になった。

私が話をしている間も特に大きなリアクションもなく
控えめな相槌を打ちながら聞く彼。

気が付くと私はその課題点とさらにその先にある
別の課題点にまで話をしていた。

そして、その時何とも言えない気持ちよさを
感じたのである。

恐らくこの感覚は自分の心の中にずっと
引っかかっていた課題点について
口から出して整理できたことによる
気持ちよさなのだろうと思うが、
私自身こんなに自然に人に話を聞き出された感覚は
初めてであった。

こちらの話が終わると、彼はその内容を
簡単に要約して、
誰にその件を相談してみるのか、
いつまでにその課題点に対する回答をするのかを
明確に私に伝え、その日は去って行った。

昨日の出来事で私はこの会社に対する
印象がゴロっと変わってしまった。

これまでは何か相談事をすると、
ゴリゴリと別のことを押してくる面倒な企業という
印象だったのが、
こちらの困りごとを幅広く聞いて誠実に対処してくれる
会社という印象になったからである。

もちろん、彼が帰社すれば過去に担当だった
営業マンがいるはずなので
会社全体としてはそれほど変わっていないのかもしれない。

だが、営業マンはまさに会社の顔なのである。

彼の話の聞き方はまさに相手の話を聞き出すのに
ちょうどいい塩梅であった。

私も仕事柄色んな業者の方とやり取りをする機会があり、
その相手からすれば私は会社の代表なわけだが、
私自身の話の聞き方は果たしてどうだっただろうかと
今回の彼を見ていて改めて考えさせられた。

世の中反面教師にして学ぶことが多い気がするが、
今回はとてもいい例から学ばせて頂いた気がする。

仕事から学べることは本当に多いものである。

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