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「成功」とは一体何なのだろう?

成功という言葉について
考えたことはあるだろうか。

Twitterやnoteでビジネスについて
発信をしている内容を見ると
必ず1回はこの言葉に出会う。

これはネット上だけの傾向ではない。

本屋に行ってビジネス書や自己啓発書を
眺めて見ると恐らく片手で足りないぐらい
「成功」をタイトルに入れている本が
出てくるであろう。

試しにAmazonで「成功」というワードで
商品検索をかけてみると9万点以上もの
作品がヒットしていた。

そのぐらい私たちはこの「成功」という言葉を
当たり前に使い、
そしてそれを受け入れている。

しかし、私は少し前からこの言葉を聞くたびに
何とも言えない違和感を感じるようになったのだ。

なぜなら成功は後から振り返ってしか
感じることができないものだからである。

確かに世の中には成功者と言われるような
偉大な経営者はいる。

ファーストリテイリングの柳井氏や
スペースXのイーロン・マスク氏、
それ以外にも沢山の経営者が
成功者、すなわち「成功している人」として
世の中に認識されている。

しかし、この成功とは一体何かというと、
彼らが積み上げてきた過去の実績に対する
評価に過ぎないのである。

「そんなことはない、今の評価だろう」
と思われるかもしれないが、
例えばこれらの経営者が経営する会社が
何らかの理由で突然倒産してしまったとすれば
それでも彼らは「成功者」と呼ばれるだろうか。

かつてテレビで放映されていた
「マネーの虎」という番組がある。

その当時敏腕経営者と言われていた経営者が
毎週その番組に出ており、
多くの人は彼らのことを「成功者」と呼んでいた。

ところが、その番組が終わってから20年以上が経ち、
その時に番組に出ていた人たちが
会社を倒産させてしまったり、
自己破産をしていたりしていたことが知られると
彼らのことを「成功者」と呼ぶ人は少なくなった。

なぜなら、彼らの過去に事業失敗という
経歴が入ったからである。

これは「成功」という言葉が現在進行形ではなく
過去形でしか成り立たない言葉だという
何よりの証拠ではないだろうか。

そして、そんな過去形でしか成り立たない
言葉であるにもかかわらず、
私たちはそれを求めようとしているのだ。

中には自分が成功と感じる境界線を
明確に持って、
それに向かって進んでいる人はいる。

しかし、それも達成した瞬間には
自分が成功したと実感できたとしても
それ以降ずっと成功し続けられるかは
誰にも分らないのだ。

仮に達成できないときができたなら
自分は成功できなかった=失敗と
考えて、自分に失敗者という烙印を
押すことになってしまうのである。

果たしてこれはいいことなのだろうか。

これだけ多くのコンテンツや本に
成功という言葉が並ぶということは、
それだけ多くの人が「成功したい」と
考えているからである。

ところが、その成功という言葉は
過去形でしか成り立たないものであり、
一度成功を手にしたならば、
そこから失敗は許されないサドンデスのゲームに
突入してしまうのである。

しかも、成功の定義は人によって違う。

自分は成功していると思っていても
他人のモノサシでいとも簡単に
成功者は成功者でなくなってしまうのだ。

自分だけが「自分は成功者だ」感じていれば
それでいいのかもしれないが、
それで得られるものは一体何なのだろうか。

あまりに基準があいまいな成功という言葉を
私たちは求めすぎてはいないだろうか。

明確な目標を定め、それを目指すことは
素晴らしいことであるが、
それを達成したからといって
成功と定義する必要など何もない。

その目標をコンスタントに達成し続けるには
どうすればいいかを考え、
次の目標をしっかりと立てて
それを実行していくだけなのだ。

成功者などという基準も定義もない曖昧なものを
目指す必要など一つもないのである。

仮に成功という言葉を使うとするならば
それは人生の最後の瞬間に
自分だけのモノサシで自分で評価を時だけなのだ。

あなたに目指すものが何かあるならば
一度「成功」という奇妙なワードを
頭の中から取り去ってみてほしい。

そうすることで、自分に必要なものが
もっとクリアに見えてくるはずである。

成功のモノサシに踊らされるぐらいなら、
自分の目標に向かって進むことに
エネルギーを使うほうが、
ずっと効率的なのだ。


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