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アンパンマンポテトのナゾ

最近「~のナゾ」というタイトルの記事が多い気もするが
それだけ私が疑問を感じている証拠なのだろう。

妻からは「よくそんなこと見つけるよね」と
若干あきれ顔をされることもあるが、
私なりの人生の楽しみ方なのだからこればかりは
仕方ない。

ということで、今日も一つのナゾを
私なりに考察してみようと思う。

そのナゾとは何かというとタイトルの通り
”アンパンマンポテト”のナゾである。

お子さんがいる方なら一度は手にしたことのある
アンパンマンポテト。

味の素が製造販売している冷凍食品で
アンパンマンのキャラの形に成形された
フライドポテトである。

息子が小さい頃にこの商品を初めて買って
息子がとても気に入ったのをきっかけに
我が家では何かある度に購入している。

娘もこのポテトが大好きなので、
先日保育園でお弁当の日があった際にも
「アンパンマンポテトも入れてな」と
念を押されたほどである。

アンパンマンポテトをご存じなかった方からすると
ここまで読んでも何が疑問なのか
全くわからないと思うが、
この商品には一つ、ある特徴がある。

それは大人が食べてもあまり美味しくない
ということである。

息子に初めて食べさせた時に
私たちも同じように食べてみたのだが
赤ちゃん用の食品にありがちな
薄味の優しい味付けで、
安心して息子に与えた記憶がある。

その時は「まぁ、こんなものか」ぐらいの感想であった。

そして、それ以降も子供たちはスーパーで
このポテトを見るたびに「食べたい」と言い、
時々購入してきたのだが、
いかんせん子供たちがすぐに食べるので
私たち親の口に入る機会がなかった。

ところが先日、夕食を作っていた時に
おかずが少し物足りない感じだったので
冷凍庫に入っていたアンパンマンポテトを
食卓に出す機会があった。

テンションが上がる子供たち。

そして、私と妻も本当に数年ぶりに
アンパンマンポテトを口にした。

正直、久々に食べてみても味は変わらず
決して「おいしい」という感じではなかった。

私だけかと思い、妻に聞いてみても
同じ感想をいう妻。

ところが、おいしそうに食べて
残り1個の争奪戦をする子供たち。

これは一体なぜなのだろうか?

一般的に子供の味覚は大人より繊細だと言われる。

それを味付けの濃いもので慣らしてしまうと
少しずつ感度が落ちていくと言われるので
我が家では極力味付けは薄めにしてきた。

しかし、子供は得てして味付けが濃いものが
好きなものである。

うちの子供たちもマクドナルドは
大好物であるし、
ポテトやナゲットには沢山ケチャップをつけて
食べてしまう。

ところが、アンパンマンポテトを食べるときは
ケチャップが欲しいなどと言ったことはないし、
そのままパクパクと食べてしまう。

なぜこの味は許容できるのだろうか。

あまりに不思議だったので、
私は息子と娘に聞いてみることにした。

「二人ともアンパンマンポテトが好きやけど、
これっておいしいの?」

すると子供たちからは意外な答えが返ってきた。

「めちゃくちゃ美味しいわけじゃないけど、
小さいころから食べてるからこういうものやと思って
食べてる」

驚いたことに、子供たちは「うまい!」と思って
食べているわけではなかったのである。

小さいころから慣れ親しんだ味なので
何だか食べたくなるだけなのだ。

アンパンマンポテトはその見た目から
いつか食べることに抵抗を示す歳が
来るであろう。

そうして食べる習慣が無くなってしまうと
彼らの中からこの味の記憶が薄れ
私たちのようにアンパンマンポテト見ても
食べたいと思わなくなる時が
くるのかもしれない。

アンパンマンポテトは
ある意味で通過儀礼の様なものなのだ。

そう思うと、なんだかアンパンマンポテトを
好きでいてくれる期間は
実はとても貴重なものなのかもしれない。

今日はゴールデンウィークの一日だが、
アンパンマンポテトを好きな子供たちと
しっかり思い出を作りたいと思う。


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