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これ聴いてました⑥ 星野源/Friend Ship(2015年)

 先月、星野源の新曲「創造」の配信が始まった。任天堂のゲームタイアップ曲ということで、『マリオシリーズ』のSEやメロディーがそこらかしこに挟まれているのだけど、全く違和感なく曲に溶け込んでいて、何回聴いても飽きない。そんな訳で自分の中での星野源熱が再燃しつつある中、本曲のリリースとほぼタイミングを同じくして、DoCoMoがこんなCMを放送し始めた。

 CM自体は、率直に良いと思う。何年経っても変わらない泣き虫教師の星野も、見事に役にハマっていると感じる。良いのだけど、何回観ても、自分の中高卒業の時を思い起こすと同時に、ただ懐かしむのではなく、むしろ当時、今よりさらに未熟で痛々しかった頃の自分がオーバーラップしてきて、無性に気恥ずかしくなってきてしまう。他の卒業ネタCMでも、流石にここまで生々しい気持ちになることはない。
 多分理由の一つは、選曲にある。このCMで使われている楽曲が「Friend Ship」。4thアルバムの『YELLOW DANCER』最終曲だが、このアルバムが発売されたのが2015年12月。まさしく自分の大学受験~卒業・上京の直前辺りのタイミングだ。
 あの頃、自分の母が星野にハマっていて(きっかけはスーパーで流れていた「Crazy Crazy」だったか)、車の運転の際にも頻繁に彼の楽曲を鳴らしていた。自分はといえば、さほど彼のことを好きだった訳ではないのだけど、受験や学校の送り迎えで同乗している時に必然的に耳にしていた。そのせいで、この時期までの楽曲は、なんとなく身体に記憶の一部としてインプットされているのだ。初めてCMを観た時、恥ずかしく思うと同時に、即座に強く頭に残ったのも、そんな自分の思い出とCMのシチュエーションが、奇跡的なまでにダブったからではないかと思う。

 思い入れ抜きにしても、「Friend Ship」は良い曲だ。
 終始うねるベースと堅いツインドラムの音を骨組みにして、どっしりと仕上げられたサウンドは聴いていてとても心地良い。要所要所で入ってくるマリンバが絶妙なアクセントになっている。同時に、星野の朗々としたボーカルでなぞられる泣きのメロディーも印象深く、歌ものとして素直に素晴らしいと思う。どこか名残惜しさを感じる曲調は、まさしくアルバムの最後にふさわしい。

 星野本人のゆるい解説付き視聴動画(一番まで聴ける)。主題歌に起用された映画『森山中教習所』と、『Live Tour “YELLOW VOYAGE”』のライブビデオの宣伝も。

 そして、そのライブビデオから、大阪城ホールでの演奏。夢中で髪を振り乱しながら、アウトロのギターを掻き鳴らす星野の姿は、普段の彼への(勝手に抱いている)パブリック・イメージとは違っていて、ちょっと意外に感じる。

 書きながら聴いていると、あの時を思い返して、また懐かしい気持ちになってきた。恥ずかしいけど、改めて『YELLOW DANCER』聴いてみようか。

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 このシリーズ、一応前回まで動画投稿+説明形式でやっていたのですが、今回から試験的に通常のテキスト形式でやってみようと思います。書いてみて思ったけど、こっちの方がやっぱり色々と便利ですね(リンクもいくつも埋め込めるし)。
 この形式にふさわしい文量を書けるかは微妙ですけど、最低二、三行になってもいっそ構わない位の気持ちで、とりあえず頑張ります。

 後、個人的な練習用にこんなマガジンも始めました。こちらもできればこまめに更新していきたいと思います。



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