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元イングランド代表も認めるルーキーの魅力とは

サッカーのある日常が帰ってきた。
例年になく幸せな気分の値が高い。
リーグの再開(J1・2)や開幕(J3)はもちろん、北海道コンサドーレ札幌の今季の期待値が高いからだ。
ペトロヴィッチ監督体制3年目、メンバーのほとんどが残留し成熟度が上がっている中、大卒の即戦力が加わった。
金子拓郎選手(日本大)、高嶺朋樹選手(筑波大)、田中駿汰選手(大阪体育大)。
ユースからの昇格や他チームからの移籍が多いコンサドーレでは、大卒が3人も加入というのは珍しい出来事。
再開初戦の横浜FC戦で、途中からではあるが早速3人とも出場した。

その中で、今回紹介したいのは高嶺選手。
小学生から高校生までコンサドーレアカデミーで育ち、トップ昇格は叶わず大学を経て地元に“復帰”した経歴の持ち主。

彼に心を掴まれたプレーが、2月のルヴァンカップ鳥栖戦。
後半19分、センターサークル内で相手の背後から激しく迫ってボールを奪い、追いすがる相手に体を割り込ませブロック、相手選手はなすすべもなく倒れこむ。
そのままドリブルで持ち込み、ペナルティアーク付近からの左足のグランダーのシュート・・・。
ボールは惜しくもゴール右に外れたが、4か月以上経った今もこのプレーが頭から離れない。
大袈裟かもしれないが、一瞬イングランドのプレミアリーグを観ているかのような感覚になった。
その試合では、他の場面でも球際の強さを発揮し、後半22分に退くまで攻守にわたって中盤を支えた。
その後、J1開幕戦では出番がなかったが、リーグ中断中の鹿島とのトレーニングマッチでも、球際の強さが目立っていた。
大卒とはいえ、すでに“プロの強度”を備えていると感じた。

また、コンサドーレで左利きといえば福森選手を真っ先に思い浮かべるが、彼の展開力のある左足も魅力的だ。
プレッシャーを受けながらでも、落ち着いて判断良く長短のパスをつないでいく姿に、ルーキーとは思えない頼もしささえ感じる。
逆サイドへのロングパスは、局面を打開するだけでなく、単純に会場が沸き立つ。
今季は感染症対策で最後まで人数制限がかかり、大声を上げられない状況かもしれない。
近い将来、彼のピッチを広角に使ったパスが通るたびにスタンドでめいっぱい歓声を上げたいものだ。

そんな高嶺選手を高く評価しているのがジェイ選手。
先日、キャンプ中の千葉からのリモート取材でこう語っていた。

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「彼はたくさん走れるし、すごくアグレッシブでそこが好き。
練習中にちゃんと話を聞く、こういうパスが欲しい、こういう縦パスを入れてみたらと言うと、次の紅白戦や練習試合でちゃんとやってみる。
若い選手は色々とトライしないと成長できないので、朋樹の良いところ。
そこは(荒野)拓馬と似ている。
札幌に初めて来た時に同じように拓馬と話して、それでどんどんうまくなってレギュラーになっている。
朋樹も同じようにいつか必ずレギュラーになる、それを楽しみにしている。
最近、リバプールのワイナルドゥムのプレーを見てと言ったら、ちゃんと見て、それを真似したところも良かった。」
元イングランド代表にここまで言わしめる新人選手が加入したのだと思わずにやけてしまった。

ジェイ高嶺

コンサドーレの中盤には、宮澤選手、荒野選手、深井選手といった経験豊富な先輩たちがいる。
そこに分け入って試合数を重ねれば、コンサドーレの選手層はさらに厚みが増す。
今季は大卒ルーキーたちの存在が既存の選手たちを大いに刺激してくれることを願いたい。
そして、雪が舞い寒風が吹く師走に、日本一熱い風を北海道に吹き込んでほしい。

堀啓知

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