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BLACKに考えさせられるYELLOWの現状。

『HOMECOMING』を見た。

Netflixオリジナル作品。

アメリカ人アーティスト・Beyoncé(ビヨンセ)による、Coachella 2018でのトリを務めた時のライブ映像と合わせてその練習風景も見ることができるドキュメンタリー映画だ。50人強もいるダンサーとミュージシャンたちによるパフォーマンスは本当に圧倒される。

ちなみにCoachellaというのはカリフォルニアのコーチェラバレーで毎年行われる野外音楽フェスのこと。アメリカでも一二を争う音楽フェスである。

2018の黒人女性初となるBeyoncéによるトリのパフォーマンスは題名の通り、ホームカミングというアメリカの高校や大学で行われるお祭りをコンセプトとしている。その華やかなテーマがある中で、もう一つの大きなテーマがこのライブには用意されている。「BLACK」だ。

この50人のダンサーとミュージシャンたちは全員黒人により構成されている。彼らのダンスや音楽は黒人にしか発揮できない魅力を放っていて、それが自分的にはものすごくカッコよかったし、美しかったし、何より憧れた。

あんなにも不条理な社会の中でも自分たちの肌の色、声の質、体の形などに誇りを持って、パフォーマンスをしていることに強く衝撃を受けた。

自分の現状と重ね合わせてしまったのである。

今の自分は欧米に憧れていて日本人はどこかダサいと感じていて、日本という国から早く出たいと思っている。自分の肌の色や体の形に誇りなんて持っていないし、欧米人の顔の方がかっこいいと思っている。

自分がどこに行こうと自分が日本人であることは変わりない。
なのに自分に誇りを持てないのはなんとも悲しいことじゃないか。

日本の文化には素晴らしくて誇りに思える様なものがたくさんあるのに現代の日本人は生活や文化の欧米化を目指している。

そのおかげで日本文化と言われるものはだいぶ昔にアップデートすることをやめてしまっていて、更新されないのでそれらが「ダサい」ものになってしまい、より様々なものの欧米化のスピードが早くなっている様な気がする。

お祭りの時などに和服を着ることはあっても普段から和服を着ている人はほとんどいない。それは和服が現代にアップデートされずに昔の日本のものとなってしまっているから雑誌は取りあげないし、UNIQLOが和服を作ることもないので流行らないし、流行らないから誰も着ない。

向こうに合わせるだけの日本人でいたくない。自分の国の文化に誇りを持っていたいし、それを表現できる様な人間になりたい。

そのためにはどうしたものだろうか。

そんなことを考えさせてくれたBeyoncéのHOMECOMINGだった。

ちなみに彼女が監督を務める映画、『BLACK IS KING』が今月末に公開される。彼女だけではなく、『This is America』のChildish GambinoやKendrick Lamer、Pharell WilliamsやJay-Zなども参加しているらしいので公開が待ちきれない。




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