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話のテーマと抽象度を合わせよう!【情報インテリジェンスの高め方⑦】

前回の「ロジカルシンキングの本質とフレームワーク【情報インテリジェンスの高め方⑥】」では、一般的にイメージされているロジカルシンキングの本質や、誤解や落とし穴について解説してきました。

ロジカルシンキングを決して否定している訳ではなく、何でもかんでもロジカルシンキングが通用するという考え方をしている方が多すぎるので、その本質を正しく認識し、正しい場所で使いましょう、ということをお伝えしたかったのです。

ロジカルシンキングは正しい使い方・場所で使用すれば、情報インテリジェンスをより高めてくれる素晴らしい手法です。

しかし、どんなに素晴らしい手法でも、使い所、使い方を間違えれば、それは逆効果になってしまうので、注意しましょう。


※前回の記事はこちら

  • ロジカルシンキングの本質とフレームワーク【情報インテリジェンスの高め方⑥】


今回は、ロジカルシンキングと同様に、情報インテリジェンスを得るために重要なスキルの1つ「抽象度を合わせる」についての解説と、「情報インテリジェンスの高め方」のまとめについて解説していきます。


自己紹介

事業投資家の林周平(@HayaShu88と申します。10社のグループ企業の経営と林経営塾を主催しています。

僕のプロフィールは以下をご覧ください。

話のテーマと抽象度を合わせる

桃太郎が見つけてきた仲間は、「さる・いぬ・きじ」ですよね。

猿、犬、ときたら、次は「鳥」ちゃうんかいって僕は思うんですよね。逆に犬は柴犬じゃあかんのかと。もしかしたら語呂的に悪いのかもしれませんが。

つまり、「抽象度・具体像を合わせましょう」と思うんです。

きじだけは、具体度が1段階あげられています。抽象度は1個下げられています。するとそこに違和感が残る。もちろん人によってそうは思わないこともあるでしょう。

同時に「話のテーマ」という横軸に対して、縦軸の抽象・具体度を合わせようと意識することが大事です。

例えば、最近仕事をやめようかと考えている女性がいて、相談を受けたとします。

ちょっと自分にはその仕事が合わないそうです。これは抽象度が高いことです。そしてテーマが「自分」です。

さらに訊くと上司が苦手らしい。理由は、いきなり怒鳴るから。急に具体的ですね。あなたはなるほどと思い、ちょっとその上司が問題、テーマかと思うでしょう。

一方、同僚にはいい人も多いらしい。また、給料がもっともらえる仕事へのあこがれもあり、最近は副業とかも考えることもある。あなたは今度は「お金に困ってるのかな?」と思う。

次に、都会に疲れて来たと話される。また自分軸の話になったと思うでしょう。すると、彼氏と結婚を考えたいみたいな話も出てきた。地元で同棲しようと言われているらしい。あなたは「結局そこじゃないか!」と思う。

相談一つとっても、この横軸である話のテーマ、そして縦軸である具体と抽象へチャンクを合わせて話を聞けるようになると良いですね。

【よくある事例1】上司をうまく使えない部下

上司に対し、「クライアントに出す企画書の確認をお願いします」と言うことがありますよね。

すると、「3ページ目のグラフの色を、相手の企業のロゴの色とかに合わせた方がいいんじゃないの」みたいに答えられると思います。

聞いた部下側は「そんな細かいもの聞いてねーよ」、上司は「そんな細かいこと聞くなよ」とか思うことってあるんじゃないでしょうか。

ここにも、話のテーマと抽象度の相違が起きています。

元々部下は、提出する許可が欲しいだけ。上司は「意見を求められた」と判断したから回答したのです。

これを避けたいのなら、初めから部下が「この内容の企画書でクライアントに提出していいですか?」と聞けば良いのです。すると上司も「(ロゴとか思うことはあるけどそんなに早く出したいなら)いいんじゃない?)となるはず。

なので、話のテーマと抽象度をちゃんと合わせるとずれにくくなります。

また特に創業社長に多い例ですが、もともと自分があらゆる細かいことを全部やってきたため、自分なりの流儀ややり方を持ってしまっていることがあります。

それが、会社が大きくなりやっとできた部下に任せている場合などに、先の例のような指摘となって現れてしまうことがあります。すると後で部下が飲み会なんかで、社長は細かいなと言い始めてしまうことがある。お気の毒な例です。

これは僕が体験した例でもあります。言ってしまえば上司の使い方が悪く、確認作業の際に「改善案とか求めてないです。Goサインだけください」というようなニュアンスを出せれば工数が減るはずです。

僕が社員と話す時は、このようにしてくれと頼んでいます。

【よくある事例2】顧客とコンサル、相談への回答

顧客が「弊社のマーケティング施策はどうすれば改善できますか?」と聞き、コンサルタントが「ランディングページのヘッドコピーを変えましょう」等と答えることがあると思います。

すると顧客は「なんか規模の小さい話しかしない人だな」と思ってしまうことがある。部品とかソリューションを持っている方はこのような感想を抱きがちです。

この場合も、もう少しマーケティング面へ目を向けるという抽象度の合わせ方をしてあげるべきでしょう。

特に人間は自分の得意なことにバイアスがかかりがちです。このためまず俯瞰してください

すると「今回の相手はどういう会社なのか」などがよく見えてくるはずです。次第に、相手に会話のテーマや抽象度が合わせられるようになり、より自分の得意分野へと話を導ける可能性も上がることでしょう。

【まとめ】情報インテリジェンスを高めるためには?

情報インテリジェンスを高める方法について、解説してきましたが、重要なのは上記3点です。

まず政治・社会・経済という観点を捉えましょう。経済とは経営の積み重ね、足し算です。Googleマップのようにスクロール・ズームする感覚で見るといいでしょう。

次、ロジカルシンキングの実践にはMECEやピラミッドストラクチャー、So whatとWhy soを用いて、もれなく・ダブりなく、を心がけ論理構成をしていきましょう。

三つ目は、本記事で解説した「話のテーマと抽象度を合わせる」です。

現場レベルのインテリジェンスは、この3つを意識すれば向上します。

もし今回のお話で着想を得られたのであれば、ぜひ自分で学び・考え・アウトプットして結論を出すことを実践してみてください。

さいごに

時代の流れはどんどん速くなっています。本質と向き合って哲学することよりも、薄っぺらい結論ばかりが飛び交う社会となりました。

薄っぺらい結論をキャッチしてはいけないとまでは言いませんが、ぜひ周りに流されることなく、正しいと思える道を歩むために知性を磨き、自分の頭と心で何が正しいのかを判断し、信念のある日々の選択を積み上げていただきたいと思っています。

自分で考えることが重要です。そのため積極的に質問したり調べたりするようにしましょう。



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