短編物語「ババロア味のガム」
アニエスは、ババロアが好きだ。お父さんはパティシエで、彼の作るババロアが本当に美味しくて、お店が終わると余りをもらってよく食べていた。
だけど、いつも夜に食べていたからなのか虫歯ができてしまった。
だけどアニエスは歯医者が大っ嫌いだったので、病院には行こうとしなかった。お父さんが何とか病院へ連れて行ったものの、歯医者さんも最近虫歯の子供が増えてきていて困っていると話していた。
アニエスのお父さんは、歯医者さんと協力して子供たちが虫歯にならないようにどうしたらいいかよく二人で話すようになった。
「歯の汚れを取るためにはガムがいいと思うんだが、どうにもみんな噛んでくれないんだ。お薬の味がして嫌だという。」
その時、アニエスのお父さんは良いことを閃いた。
「そのガムがお菓子の味だったらどうだろう?ババロアなんてみんな大好きだよ!」
「あぁ、あなたはパティシエだ!私もお菓子の味は作ったことあるんだが全くダメだった。。。あなたの助力があればいけるかもしれない!」
こうして二人は、何回も試作品を作った。そして、ついにそのガムは完成した。
『ガム・アニエス ババロア味』
子供たちの虫歯はたちまち減っていった。だけど、歯医者さんは毎日暇になってしまったので、最近はコーヒーとババロアを夕暮れのバルコニーで楽しみながら、ため息をついているらしい。
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