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上司にレビューしてもらうタイミングは、結局いつがベストなのか


1.上司と部下のよくある会話

「資料作成お願いできる?スライド5枚くらいで」
「はい!承知しました!」
「あー、20%ぐらいできたら一旦見せて」
「20%ですか、、はい、、承知しました...」

こんな上司と部下の会話、よくありますよね。でもこの20%って曖昧です。結局のところ、上司レビューは、資料をどこまで作ったときに行えばよいのでしょうか。


2.若手がやりがちな「ダメな進め方」

依頼された仕事を進めるとき、若手メンバーがよくやってしまう間違いに「資料の頭から作り始める」というものがあります。

例えば冒頭の会話で言えば、「スライド5枚の依頼だから、20%段階、つまりスライド1枚目ができたときに見せよう」と考えてしまうことです。

これがなぜダメなのか。それは、アウトプットの全体感、方向性をレビューしてもらうことができないからです。

もし作った1枚が完璧なものだとしても、残り4スライドの品質は担保されませんよね。つまり、レビューを経ても、手戻りリスクが大きいままになっているということです。


3.MVP(実現最小限の製品)で進めよう

では、資料作成はどう進め、どのタイミングで上司にレビューしてもらえばいいのか。そのヒントに「MVP(Minimum Viable Product) = 実現最小限の製品」という考え方があります。

以下の画像を見てください。MVP開発の説明としてよく使われる絵です。

by Henrik Kniberg

上段は前段で述べた、最後まで作らないと全体の品質が分からない「ダメな進め方」です。一方、下段が「MVP」の考え方です。MVPは次の2つの方針から成っています。

① 最小限の価値を素早く提供する
まず一つが、ユーザーに提供する「コアな価値」を満たす最小限の製品を早く作ろうということです。この絵で言えばコアな価値とは「移動手段」が当たり、その価値を提供できる最小限の製品「スケートボード」を作っていますね。

② 早期のフィードバックで改善する
二つめが、その最小限の価値を素早くユーザーに見せてフィードバックを貰おう、そしてどんどん良いものに改善しよう、という思想です。この絵で言えば「移動手段」という価値を保持しながら、段階的により良い製品をつくりあげています。

冒頭の「スライド作成」といった、ある程度まとまった作業が必要な仕事では、私はこの「MVP」の思想で進めることが効果的だと考えています。


4.具体的な資料作成の進め方

では「スライド5枚の資料作成」という仕事においてMVP開発的に考えると、どうなるのか。

資料におけるコアな価値は「誰かに何かを伝える」こと。そこから考えると、以下の順で形にしていくのが効果的だと考えます。

  1.  資料の目的・論点・意見(主張)

  2.  目次・各スライドのキーメッセージ

  3.  各スライドのボディ部分(根拠や詳細)

  4.  資料デザイン・細かい装飾

ここで冒頭の会話「20%ぐらい見せたら一旦見せて」の話に戻りますが、これは結局いつ見せるといいのか。

私の意見としては、上記の[1][2]が出来た時点で見せるべきだと考えています。ここまで出来れば、資料全体の方向性を確認してもらうことが可能ですし、1〜2時間もあれば作れる最小限の成果物だからです。


5.MVP開発で進めるメリット

ここまで例をもって記述してきましたが、改めてMVP開発の考え方で進めるメリットをまとめると、大きく2つになるかと思います。

① 仕事の手戻りの防止
MVPで進めれば、最小限のコストで、仕事全体の方向性を依頼主と認識合わせができます。そうすれば、期限間近になって「イメージと違う!」と言われてやり直しになる、なんてことはないでしょう。

② 過剰品質の防止
例えば冒頭のスライド作成の例。最小限の[1][2]の段階で上司にレビューしてもらうと「あー、もうこんな感じでOK!提出しちゃって!」と言われることもあるでしょう。その場合、[3][4]は対応不要となり大きくコスト削減ができることになります。このように、MVPでレビューを受けると、往々にして過剰品質を防げることが多いです。

メリットは以上2点になります。ぜひ、仕事の依頼を受けたときは「この仕事のMVP(実現最小限の製品)はなんだろう?」と考えてみると良いかもしれません。


6.最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございました!これからも仕事に役立つことを投稿しますので、ぜひフォローをいただけると嬉しいです!

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