⑦いじめ?

ママ友と優雅なランチを楽しんでいたら、、、、携帯がなった。息子の学校の担任の先生からだった。学校に電話をすることはあっても、かかってくることはない。かかってくるのはなにか良くないことがあった時だけ。

何かあったのだなと覚悟を決めて電話をとる。「残念なお知らせがあります。○○くんが友達に怪我をさせてしまったので、今病院です。今晩、相手のご家庭に謝りの電話を入れてください。」とのことだった。

息子が最寄の駅から出てくるのを車で待つ間、自分の頭の中で息子にかける言葉を整理していた。「なにがあってもあなたと一緒に頭をさげる覚悟はできているから、どんなことでも本当のことを話して」「そこにいたるまでなにがあったのか教えて」きっとなにか深い訳があったのだろう。

息子が車に乗ってきた。「で?なにがあったの?」「トイレで足ひっかけた」「ひっかかったの?」「いや、わざと」「なんで?」「なんでも」それ以上のことはなにも聴き出せず、、、、ことが大きくなったことへの驚きと、ただ傷ついた様子ではあった。

夜、相手のご家庭に電話した。息子と二人電話の前に正座をして、ただ頭をさげようと電話の前で神妙な面持ちだった。相手のお母さんの開口一番が、「子供たちのすることですから、お気になさらないでください。病院にはいきましたけれど、大したことはないのでご心配なく。こちらは三男でして、口も達者ですので、いらぬことを今まで言って怒らせてしまっていたのかもしれません。」ほっとすると同時に、あちらの温かい口調に涙が出そうになった。隣で聞いていた息子もそうであっただろう。そして、今からお玄関先までという私の言葉に、「これはもう、子供たちに任せましょう」と丁寧に断られた。

次の日、菓子折りを持って登校させ、担任の先生に相手の友達に直接謝る機会を作っていただいた。誠心誠意書いた私の手紙に、数日後あちらのお母さんからまた、それはそれは涙の出るようなお手紙をいただいた。なんと心の広い、、、、、

言葉が極端に少ない息子が、その後その事件について語ることはなかった。が、たいして仲良くもなかったその友達の足を、故意にひっかけたというのは、なにだったのか?いじめだったのか?ちょっと足をだしたらひっかかってしまってびっくりしたのでは?などなど、母の想像力だけが膨らみ、結局は、担任の先生と相手のお母さんのありがたくも大きな心に感謝をし、その後その友達とは仲直りしたようだった。

数日後、「転んでしまった時に、一言、あ、ごめん、と言えればここまでにはならなかったよね。謝ってもらえば良いやと思えることも、知らんぷりされたら頭にくるよね」と私の言葉に、「そうかも」と言っていた。不器用な息子。

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