独り言多めの読書感想文(京極夏彦さん『魍魎の匣』)
京極夏彦さん『魍魎の匣』を、読書感想文してみる。
若輩者(それでも女子としては決して若くはない)がおこがましい……!
という問題はスルー。だってお題で読書感想文募集してるんだもの。感想だもの。個人の主観だもの。勝手に好きなんだもの。勝手に好きに解釈したっていいじゃない。それが私の愛し方よ。前置きが長い。
さて、数ある作品の中からこの作品を選んだのは、物語導入の3ページで鳥肌が立ったからだ。購入する前に、立ち読みで何となく好みの文体かどうかみる時に、店頭で鳥肌が立った。いや、正確には2ページ目「ほう」の辺りで読むのをやめてレジに向かったと思う。だから最初の3ページというのは「とんでもない作品に出会った」という家に帰って読み始めた時の感想だ。
「ほう」である。
深い考察、予想外の展開云々。そんなのは私の口を通じたら薄っぺらいものになってしまう。そして私自身の表現力のなさが露呈される。双方にとって百害あって一利なし。故にそこは削る。まぁ純粋にネタバレになるしね。
とにもかくにも「ほう」である。
ほうほうっておまいはふくろうか。いや違う。ノットふくろう。注目すべきは「音」であり「リズム」である。
「ほう」その音に聞き覚えがある。確か詩だ。どこかで。
あ、あった。宮沢賢治だ。口ずさみたくなるようなリズム。音として愉しむ記号の羅列。
しまった。思い当たったところで「高原」しか出てこない。いや、たぶんもう1つあったはずなのだ。2回くらい出てくるやつが。そっちの方がリズムとして好きだったんだが。ぐぅ。今頑張っても絶対出てこない。ここは潔く諦める。
詩、なのだ。
小説の冒頭に3ページの詩を入れる。
その後いくら難しそうな内容に続こうと、冒頭の詩を理解したいがために離れられない。この一点に置いてだけでも見事な掴みだ。しかも美しい。こういう文章に触れた時、心の底から日本人で良かったと思う。詰まるところ。
この余分な独り言多めの読書感想文で伝えたいことはただ一つ。
京極夏彦さんの『魍魎の匣』P11〜13、ぜひ立ち読みして下さい。そしてその真相を知ってください。おこがましくもこの感動、一人で味わうには勿体なさすぎる。
ここまで読んでいただいてありがとうございました😊うれしい。
あなたの読書ライフが、より実りあるものになりますように✨
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