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牛乳か相談だ

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牛乳ができるまでの十勝の牧場のとある日常をご紹介。牧場で働く前に読むと、どんな仕事なのか、牛乳の選び方等もわかります。
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#バター

「生乳」と「牛乳」は似て非なるモノなり

「生乳」と「牛乳」は似て非なるモノなり

以前、考えたことがあるんです。

搾ったそのまんま、消費者の手元に届けることができないかな、と。

搾りたての牛乳、飲んでみたいですか?

”牛乳”と”生乳”の違いしかし、搾ってすぐのものは”生乳”と呼び、このままの状態では販売も加工も一切できません。法律で決まっています。

特別な設備と許可を得た”特別牛乳”と呼ばれる場合を除き、ほぼ全ての生乳は何らかの形で加熱殺菌を加えて、”牛乳”になります。

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牛乳のシンプルなお話

牛乳のシンプルなお話

いま、皆さんに牛乳を飲んで欲しい!っていうキャンペーンが大々的に行われていますが、このあたりの事に触れる前に、そもそも、牛乳や乳製品についての基本的なことをまとめてみることにしました。

できるだけシンプルに。ややこしいことは抜きにして。

牛乳の基本的な計算式牛乳は、”水”、”乳脂肪分”、”無脂乳固形分” この3つに分けられます。
無脂乳固形分については、後ほど詳しく説明します。

さて、この3

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バターの特売が何となく増えてきた

バターの特売が何となく増えてきた

ここ最近、チラシでバターの特売を見ることが増えてきた。
大きく値段が下がることはないのだけど、今まではほとんど特売はなかったので乳製品のダブつき感がでてきたんだなあ、と何となく肌感覚が変わってきた気がする。

増産(生産)調整というキーワード酪農の世界はずっと”増産”基調で進んできたけれど、ここ最近はコロナで業務用の利用が落ち込み、脱脂粉乳・バターの在庫積み上げが厳しくなってきた。

生乳生産は、

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バターの作り方を見てみよう

バターの作り方を見てみよう

バターは生乳からどうやって作るかわかる人ー!!

普通はみたことないですよねー。僕たちも理屈は知っていても実際に見たことはありません。

きっかけは「バターミルクパウダー」今までバターを作った後にできるのは脱脂粉乳だけだとばかり思っていたら
「バターミルクパウダー」という製品を目にしました。

その一方で脱脂粉乳もある

これは調べなければならない! ということで、調べてみました。

今どきのバタ

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バターは牛乳のおいしさてんこ盛り

バターは牛乳のおいしさてんこ盛り

アレルギーのある場合を除いて、バターを食べたことない方ってあんまりいないと思います。

ケーキやお菓子にも欠かせない大切なもの。

1リットルの牛乳から約40gバターは簡単に言えば、「乳脂肪分の塊」です。
通常、生乳の乳脂肪分は4%前後。これを大型のバターチャーン等で遠心分離させ、固めたものです。その量は1リットルの牛乳から40gほど。
手間ひまかけて作っているのでどうしても値段は高くなってしまい

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バター100gに生乳は何g必要?

バター100gに生乳は何g必要?

こういうもちふわパンケーキ、美味しいですよねー。

バターたっぷりがたまんない。

バターは牛乳から作られるご存知かと思いますが、バターの原料は生乳です。
低温殺菌(パスチャライズ)で殺菌し、かつ脂肪球の均質化(ホモジナイズ)をしていない生乳だけがバターの原料となります。
作り方を簡単にまとめてみると、

Step1 生乳から生クリームを作る生乳を遠心分離させて生クリームをまず作ります。この時点で

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