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牛乳か相談だ

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牛乳ができるまでの十勝の牧場のとある日常をご紹介。牧場で働く前に読むと、どんな仕事なのか、牛乳の選び方等もわかります。
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犯人は誰だ!!? 〜調子悪い牛を探す旅〜

犯人は誰だ!!? 〜調子悪い牛を探す旅〜

数日前から搾乳する機械のフィルターに細かく白いブツブツしたものがつき始めた。

ブツ=乳房炎の始まり乳房炎 という言葉、酪農に関わっている人達ならほぼ100%、毎日防ごうとしているけど、どうしても出てくる病気。
乳房炎に関してはこちらの資料がわかりやすいですね。

資料引用元(中央酪農会議)
https://www.dairy.co.jp/

「こいつかな?」と当たりをつけて調べるとんでもなく悪い

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10万越えたらそれは、乳房炎のサイン(泣)

10万越えたらそれは、乳房炎のサイン(泣)

搾った牛乳は、2日に1回、6:30頃にやってくるタンクローリーで出荷されていきます。

この集乳車がやってくる頃は、朝、搾乳を無事に終えてほっと一息ついている事が多い時間です。

”体細胞数”は、白血球数の別名この写真は、2日に1回牧場に届く検査結果の数字。

体細胞数検査って何だと思いますか?
単位は1000/mlなので この数字だと110,000。

牛には乳房炎というのがあって、乳頭の先から

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デントコーンいよいよ始まる

デントコーンいよいよ始まる

ずーっと悪かった天気も回復して、待ちに待った収穫がスタート。

こんな感じで2m以上の高さに伸びたデントコーンを全部切り込んで細かくして積み上げていきます。

今はこれがサイロ(バンガーサイロ)で、ショベルで圧をかけて積み上げてビニールを被せたらしばらくそのままに。

中で乳酸発酵するので美味しいエサに仕上がっていきます。

右側が昨年収穫したもの。

ちょうどいい対比になってますね。

今日も続

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仕事には”臆病”であること

仕事には”臆病”であること

今日、育成牛舎から牛を移動した。

ショベルでしか引っ張れないほどの力持ちなので、牛を移動させる時には
引きずられたり、逃げられたりしないように細心の注意を払ってる。

移動先の牛舎まで注意深く、ショベルでひっぱり、後は牛を1頭ずつ
牛舎の所定の位置へ連れて行く作業。

まず、1頭目。周囲に気を配りつつ、なかなか動かなかった牛を少しずつ
ひっぱって、どうにか所定の枠に連れ込んだ。

ロープを外し、

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危うく熱中症になりかける

危うく熱中症になりかける

先日、日中の気温が35℃近い日に、昼・夕方と
牧場での仕事が入っていた。

一応、水分を取るなどは気を付けながら仕事をしていたんだけど、
昼仕事終えたぐらいから身体の動きがどうにも鈍い。

夕方の仕事を終え、家に戻ってからも頭痛がなかなか取れず、
やばいと思って、保冷剤で首筋をひやしたりしたものの
結局、それから2日間ぐらい頭痛が取れないまま。

これが熱中症なのかなあ、と思いながらおとなしくして

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常に、過搾乳との戦いが続く。

常に、過搾乳との戦いが続く。

ちょっと硬いタイトルになりましたが、搾乳のたびに必ず注意していること。

今使っているこのミルカーは、多くの牧場で使われているような自動着脱装置がついていません。 その分、機械も軽いし動きやすいのですが、気を抜いていると、搾乳が終わった牛にずっと機械がついたままなので、過搾乳の状態になってしまい、乳房炎等の病気を誘発してしまいます。

毎回、いかに過搾乳を防ぐかが勝負4台の機械を一人で担当するので

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脱走、脱走、また脱走(泣)。

脱走、脱走、また脱走(泣)。

こういう日もあるというお話。

搾乳中、親方がクラクションを何度も鳴らしていたのだけど、理由が分からなかった。どうやら、外に出した牛が、「そこから入るのか?? 」という場所から牛舎の中に戻ってしまったらしく、再び追い込んで外へ出す羽目に。

その後、搾乳を終えて後片付けをしていると、こんどは、牛舎の中で追いかけっこが始まり、親牛のいる牛舎に育成舎の若い牛が飛び込んできた。
すぐに捕まって元に戻され

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【牛乳】の選び方 〜作り手目線、教えます〜

【牛乳】の選び方 〜作り手目線、教えます〜

先日送られてきた1枚の写真。首都圏のどこか。

左のよつ葉牛乳は、十勝ならどこでも目にするいつもの牛乳。

その一方でスーパーの棚であたかも牛乳のように販売されていたのが右側。

多分、よつ葉牛乳が250円〜260円ぐらいで、もう一方の飲料はおそらく150円前後。

安さだけで選ぶと、間違いなく右側。同じ牛乳だとしたら。

でも、実際に成分表を見ると・・・・

原材料の一番目は、牛乳でも、生乳でも

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牛、逃げてるしー。

牛、逃げてるしー。

今日は4月1日なので、他愛のないお話を。

なぜか、牛が外で遊んでいる・・・。夕方の出来事。
搾乳を始めようとミルカーを運んでいると、いるはずのない柵の外で、牛がぼけーっと餌を食んでいる。

あー。(牛が)逃げてる・・・・。
しかも、搾乳前の一番忙しくなるタイミングで・・。

最も厄介な逃亡者逃げたのは、まだ一度も出産していない1歳ちょっとの若い牛。
おとなしく捕まることはまずない(泣)。
僕はそ

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