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組織を変えられるのは、誰か。【いばらき夜会 ~挑戦者へ~ 第2夜「強いチーム。強い組織」@upTsukuba】

12月19日(水)の夜に開かれた「いばらき夜会 ~挑戦者へ~ 第2夜」というイベントに参加して参りました!

【いばらき夜会とは】
かつて、つくばで開催されていた「つくば朝会」が「いばらき夜会」になって帰ってきました。
つくばや水戸のコワーキングがかなり賑わってきてたり、宇宙ベンチャーがあったり、水中ドローンベンチャーがあったり、知事がマイクロソフト出身だったりと、最近何かと盛り上がってきている「いばらき」をもっと盛り上げていきます。(Facebookイベントページより)

今回のテーマは『強いチーム。強い組織。』
サッカー指導者と団体運営をしている中で興味がないわけがなく、勉強に。 

今回のスピーカーは、

【ゲスト】
安河内 崇 (Takashi Yasukouchi)
弥生株式会社 取締役 開発本部 本部長

【ホスト】
常間地 悟 (Tsunemachi Satoru)
マルチアントレプレナー/インキュベーター

堀下 恭平 (Kyohei Horishita)
株式会社しびっくぱわー 代表取締役 / 合同会社for here 共同代表 / 一般社団法人 筑波フューチャーファンディング - TFF 理事 / グリーンバードつくば リーダー

※投稿の最後に細かく

の3名。

安河内さんの弥生株式会社は事業者の間では「あの」となる会計ソフトを作る会社の取締役(CTO)。

でも、僕はプログラミングもエンジニアリングも会計ソフトのことも分からないまま(予習しろよ)お話を聞いていたので悪しからず!(むしろそういうお客さん多かった。)

・・・


国だって、家族だってチームだ。

会の最初の方で話題に上がったこれ。

「なんだってチームですよね。会社だって、スポーツチームだって、市、県、国、もしかすると何かの問題解決のためにアジアで一丸となってとか、世界でとか。でも逆に、家族だってチームですよね。」

そして安河内さんが会社というチームをどう変えていったのかの話になります。

まずその時の状況は、各部署ごとにバラバラに動いていて、持っている情報も共有されていない。そのような状況の中で「ソース」を持っている人が「偉い」という空気があったと。

そこで、
①「知る人ぞ知る知識を持つ=『偉い』」を崩した。
持っている情報を吐き出させて、知識を共有させる。それによって、1人しかできなかったことが2人、3人ができることになり、パフォーマンスがあがったそう。

そしてそれを、
②見える化・ドキュメント化する。
情報は言語化されて見えるようになる。アーカイブされ常にアクセスできるようになる。

「職人技」という言葉があるが(もちろんその価値は大きい)、組織の中でのタスク処理がそれに頼ってばかりになると、人の出入りやトラブルに弱いといった事態が起こり得る。

それを避けるためにもこれが必要になるのだと、僕は理解しました。

それらを経て
③共通言語で話す。
これができる。組織内での情報の体系化は「強い組織」、パフォーマンスが高い組織には必要条件だと思います。

ここでも「なんだってチームだよね。」と立ち返ると、例えば「日本サッカー界は共通言語で話せているのか」というのは大きな問題になってきます。高いパフォーマンス(試合結果・選手の育成等)を発揮するのに、協会が発信していることがどれだけグラスルーツまで届いているかということ。
逆にポルトガルはそれがなされていると、奈良クラブGMの林舞輝さんが言ってた。(急に前のnoteの続きみたいになった。)


④ちゃんと評価する。
「『良いもの』をつくればちゃんと評価される」という空気を社内に作ったという安河内さん。例えば、人前で褒めるとか、給与を上げるとか。

大事だよなあ。とうなずいているところで、

「これは組織の中で組織にとって好ましい行動をとってもらうための仕組みやマネジメント側のアクションだと思うけど、『ゆるい』コミュニティを運営する時にはまた違うの?」

と常間地さん→堀下さんへの展開。

「僕のところは...、ジャッジをしないようにしてて。全部受け止める、みたいな。」

「曖昧模糊とした」空間、「場」を回す堀下さんの回答を拾ったところから、「『③共通言語』まではどんな組織にも当てはまるけど、それ以降は組織の特性によって変わるところかもね。」という話へ。

▲アカウント間違えたやつ

・・・


ここから、僕自身の学びに入っていきます。

組織を変えられるのは、誰か。

医療の専門家は医者だけど、「自分の健康の専門家」は「自分自身」だったりする。基本的には、自分の体調の良し悪しは自分が一番わかる。

さっき「なんだってチームだ」といったところで逆説的ではあるが、
それぞれのチームにそれぞれの特性があり、そのため「強くする」ための”処方箋”は同じにはならない。

少し前のことになるが、荒木香織さんという2015年ラグビーW杯で活躍した日本代表チームで3年半メンタルコーチをされた、スポーツ心理学の先生の講演会でお話を聞いたことがある。

その時、ラグビー日本代表で行った取り組みの概要を話してくれた。もっと詳細に、具体的にどんなことを行ったのか知りたいと思った僕は、そのように質問をしたのだが、「それは話せない」と言われてしまった。

「ラグビー日本代表にはこの問題があって、これとこれといった手法で解決を目指した、という具体的なことをいってもあなたのチームに適するものでもないの。」
「それに、聞いちゃったら『それ』を真似しちゃうでしょう?」

ガーン、と強い衝撃を受けた記憶がある。


こういった領域の話も書籍や記事などで世に出され、一種の「見える化・ドキュメント化」をされているが、それを過度に「一般化」した末に目に見える”手法”だけをコピー&ペーストしても、その先に組織の強化という成果はきっとない。


「”あなた”のチームはどんな特性がありますか?そしてどんな問題を抱えていますか?」

これを知っていないと組織を変えられない。知っているのは誰か。
”あなた”自身だ。
(一方でだからこそ、コンサルタントの出来はクライアントからどれだけ情報を引き出せるかということに懸かってたりするのかもしれない。)

どんなに優れた医者でも、患者からの情報が得なければ適切な処方箋も出せない。なんなら処方箋が適していても、薬を飲んでくれなかったら病気は治らない。でも、一番困るのは患者自身だ。


そんなことを考えるとやっぱり、

組織を強く変えられるのは、”あなた”だ。

ということになる。

加えて、僕は「”あなた”がどれだけ組織内にいるか」も重要だと思った。


自分のチームのことを深く知っている、知ろうとしている、そして問題を解決したい、しようと思う。そういう一人称でチームを考えられる人財が組織内にどれだけいるか。組織内でどれだけ育つか。

組織内にオーナーシップを持っている人がどれだけいるか。

ここに「共通言語」や「情報の共有」の重要性があるかもしれない。情報に触れさせて、興味や意識を喚起させる。

そうして組織内で自立した”あなた”は、自分の立ち位置で与えられた役割を全うしながら、その枠を超えたアクションを起こせる。チームのことを知っているし、問題を知っているから、成果のために必要なことを自分で判断できる。


サッカーで言うと、「フォワード」という立ち位置と役割を与えられていても、1点リードしている試合終盤のピンチには自陣ゴール前まで駆け戻ってシュートブロックができるみたいな。「俺は『フォワードだから』前線にいればいい」みたいなのが「違う」というのは、サッカーを知らない人にも伝わればうれしい。

・・・

今回得た学びをまとめると

そんな”あなた”が育つ環境にあることが「強いチーム。強い組織。」の必要条件だ。

ということになります。


組織づくりに大切な考えを得た良き日でした。

イベントでお話ししてくださった皆様、ありがとうございました!


2018年12月20日


P.S.

生でグラフィックレコーディングする方を初めてみた!
感動!尊敬!かっこいい!

すごく綺麗にまとまってる…!(これで「やったの初めて」とかいうんだぜ。)

Thank you, Tsubomi !


・・・

イベントに勉強しに行ったときにはできる限りこうやってレポートしていこうと思います!頑張って勉強しますので、もしよかったら「サポート」や記事のシェアをお願いします!
(この前サポートしてくれた人がいて嬉しかった。ありがとうございます!!)
*登壇者*

【ゲストプロフィール】
安河内 崇 (Takashi Yasukouchi)
弥生株式会社 取締役 開発本部 本部長
茨城県在住。
大学卒業後、3D CAD系のベンチャー企業に入社。3年後に退社するまで各種新規プロジェクトに従事。
その後、大手ポータルサイトでプロジェクトリーダーとして大規模リリースに関わる。
ERPベンダーでの人事系コンサルタントを経て、2007年に弥生へ入社。
当時、良くも悪くも「職人技そのもの」であった弥生のものづくりを再設計し、シェアNo.1のクラウドサービスも生み出す。
現在は約200名のエンジニアと約500名のカスタマーセンタースタッフの長として、
エムグラムや1on1などを積極的に取り入れたマネジメント、そして「意識改革」にも取り組んでいる。
年相応には見られない(?)が1978年生まれの40歳。社内経営陣含めたマネジメント層のなかでも"若い世代”に入る。

直近記事:老舗とベンチャーのいいとこ取り——弥生が取り組む、綱渡りから橋梁への「意識改革」
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1809/26/news001.html

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【ホストプロフィール】
常間地 悟 (Tsunemachi Satoru)
マルチアントレプレナー/インキュベーター
フラー株式会社(Fuller, Inc.)執行役員、 株式会社 ワープスペース Warpspace Inc. 社外取締役、一般社団法人 筑波フューチャーファンディング - TFF、法学修士 (LL.M.)
在学中(20歳)に一社目創業。
これまでに4社の立ち上げに携わる。(うち1社ベトナム)。
ITスタートアップ等の役員として経営戦略、ブランディング、法務、財務等を主に担当。
現在、マルチキャリア、マルチアントレプレナーとして活動。
スマホ市場分析サービスのフラーでは執行役員、超小型人工衛星ベンチャーでは社外取締役。筑波大出身の経営者で組織するインキュベーション団体では理事を務める。
「いちばん身近な人を幸せにできなければ、世の中を幸せにすることはできない」がモットー。1年に3回は妻と長期で東南アジアローカル旅行をすることを貫く。
人生のビジョンは自らの死後も世の中に貢献し続けるサービス、プロダクト、企業をより多く創ること。

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堀下 恭平 (Kyohei Horishita)
株式会社しびっくぱわー 代表取締役 / 合同会社for here 共同代表 / 一般社団法人 筑波フューチャーファンディング - TFF 理事 / グリーンバードつくば リーダー
筑波大学2年次にコミュニティ拠点として学生カフェ創設にかかわったことからまちづくり分野に興味を持ち、下妻市や水戸市、横浜市などの商店街活性化にかかわった後、2年間京都で武者修行のため移住。関西を中心に行政計画策定に係るコンサルの仕事を始め、のちに起業。つくばに戻り大学生をしながら、2016年12月コワーキングプレイスTsukuba Place Labを創業。オープンから2年が経ち、企画運営したイベントは630本以上、来場者は12,000人を突破。2018年10月よりつくば駅前コワーキングup Tsukubaを創業。グリーンバードつくばや筑波フューチャーファンディング - TFF の活動と連動させて地方の価値が高まる仕掛けづくりに挑戦中。「迷ったら全部やる」がモットーで「成功するまで続ければ失敗しない」が信念。




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