#2 天中殺の歴史と本質

天中殺の起源と歴史
天中殺（てんちゅうさつ）は、算命学や四柱推命における概念であり、運勢が不安定で天が味方しない時期を指します。この概念は中国の古代哲学である陰陽五行説に基づいており、数千年の歴史を持っています。
 
古代の起源
天中殺の現象が初めて認識されたのは、約7000年前のヨーロッパ地中海地方（現在のトルコ）に伝わるゾロアスター教（拝火教）の中にそれらしきものが見られます。この時期から、人々は特定の期間に運勢が不安定になることを観察し、これを避けるための方法を模索してきました。
 
中国での発展
天中殺の概念は、中国でさらに発展し、陰陽五行説と結びつきました。四柱推命や算命学の中で、干支の組み合わせによって天中殺の期間が算出されるようになりました。例えば、六十干支の中で、十干と十二支を組み合わせると、必ず2つの干支が組み合わないものが残ります。これが天中殺の期間となります。
 
天中殺の概念
天中殺は、運勢が不安定で物事が思い通りに進まない時期を指します。この期間中に新しいことを始めると、長続きしなかったり、思わぬトラブルに見舞われることが多いです。しかし、天中殺は単なる不運の時期ではなく、深い意味と洞察が隠されています。
 
天中殺の期間
天中殺の期間は、12年に一度、2年間訪れる年運天中殺や、120年に一度、20年間続く大運天中殺などがあります。これらの期間は、干支の組み合わせによって算出されます。

天中殺講座　：　深い洞察と実践的な知恵
算命学の学び方：他者のために学ぶ
算命学、特に天中殺の概念を学ぶ際には、単に自分のためだけでなく、大切な人に教えるという前提で学ぶことが重要です。この姿勢は、学びの質を大きく変えます。

• 特定の人を思い浮かべる: 教えたい特定の人の顔を思い浮かべながら学ぶことで、より深い理解と実践的な知識を得ることができます。

• 聞き方の変化: 他者に教えることを意識すると、より注意深く、批判的に情報を聞くようになります。

 
 
天中殺の本質：絶対的なものではない
天中殺は、絶対的な運命の決定要因ではありません。むしろ、以下のように捉えるべきです：

• 流れやバイオリズム: 天気予報のように、傾向や可能性を示すものとして理解する。

• 「なりやすい」という考え: 絶対的な結果ではなく、起こりやすい傾向として捉える。

 
 
恐れずに向き合う姿勢
天中殺の概念には、時に恐ろしく聞こえる要素もありますが、それらにいちいち恐れを抱く必要はありません。

• 冷静な分析: 自分に都合の悪い情報も、冷静に分析し、対策を考える機会として捉える。

• ポジティブな視点: 困難な時期も、成長や学びの機会として前向きに捉える。

 
 
実践的な活用法
天中殺の知識は、単なる理論ではなく、実際の人生に活用できるものです。

• 個人的な適用: 自分の人生にどのように適用できるか、具体的に考える。

• 周囲への応用: 家族や友人の人生にどのように役立てられるか、考える。

 
本質的理解の深化
様々な例や状況を通じて、天中殺の本質的な理解を深めていくことが重要です。

• パターンの認識: 異なる例の中に共通するパターンを見出す。

• 本質の抽出: 表面的な違いを超えて、根底にある本質的な原理を理解する。

 
後世に伝える価値
この天中殺講座は、単なる一時的な知識ではなく、後世に伝え残せる価値ある学びです。

• 生涯の学び: 一生を通じて深めていける奥深いテーマとして捉える。

• 世代を超えた知恵: 次の世代に伝えるべき重要な知恵として理解する。

 
 
結論　：　天中殺を通じた人生の深い理解
天中殺の概念を学ぶことは、単に運勢を予測するためだけではありません。それは人生の流れや、自己と環境の相互作用を深く理解するための道具です。この知識を正しく理解し、適切に活用することで、より豊かで意義深い人生を送ることができます。天中殺を恐れるのではなく、人生の道標として活用し、自己と他者の成長に役立てていくことが、この学びの真の価値なのです。
 
自然思想の帝王学から来ている教えが、天中殺である。自分たちはどこで生きているか、誕生しその後どこで生活しているかということから考えると、上を見れば宇宙があり、宇宙の中に存在しており、足をつけているのは地球である。地球に生まれ存在している。だから、私たちは自然の影響をすごく受けている。
たとえば、冬の気候では寒くなるため身体は縮こまり毛穴は閉じる。夏は暑いため、体も縮こまりもなく、手穴が広がって、汗が出やすくなる。この気候一つにとっても自然というのは、体に影響を受けている。身体は影響をもらっている。
食べ物で言えば、野菜や果物もその一例である。太陽の力であり、土のエネルギーがあり、雨という水の栄養があるため野菜や果物が育ち、また四季によって採れるものが変わる。私たちはその恩恵を受け、食べられている。
海の幸もまた同様だ。海は潮の満ち引きがあり、その中で生きる魚たちが私たちに恵みをもたらしている。間違いなく、宇宙の働きと地球の働きで生かされている私たちは、すごく影響を受けている。これこそが自然思想の本質であり、私たちの存在の根底にある考え方である。
 
人間は宇宙や地球の動きに生かされており、その原理を理解し、自身に適用することが可能であると考えられています。この考え方から生まれたのが算命学であり、それを基に四柱推命や個性心理学、動物占い、九星気学、陰陽五行説などが派生しました。これらは占いの基盤となっています。
算命学は、自然界がなぜ人間を生み出し、なぜ生まれて死ぬのか、そしてどう生きるべきかという心理を探求します。それは人間を直接見ず、彼らの言葉を聞かずに行われます。なぜなら、人間は嘘をつくからです。この考え方は自然からの学びを統計学的に導き出すものであり、それが自然思想の帝王学と呼ばれるものです。
 
 
昔々、中国に馬を飼っている老人がいました。その時代、馬は非常に貴重で、移動や荷物運びに不可欠な存在でした。
ある日、老人の馬が逃げてしまいました。村の人々は老人を慰め、「かわいそうに」と声をかけました。しかし、老人は淡々と「そうとは限らん」と答えました。
数日後、逃げ出した馬がもう一頭の馬を連れて戻ってきました。村人たちは老人を喜ばせ、「おじいさん、よかったね」と言いました。しかし、老人は再び「そうとは限らん」とだけ言いました。
ある日、子供が馬に乗っていると、落馬して足を骨折しました。村人たちはまたもや老人を哀れみ、「かわいそうに」と声をかけました。しかし、老人は同じく「そうとは限らん」と答えました。
時は戦国時代。村の若者たちは徴兵されて戦争に行かなければなりません。しかし、足を骨折していた子供は行くことができませんでした。その結果、命を落とす可能性もあった戦場から免れたのです。村人たちは老人を称賛し、「おじいさん、よかったね」と言いました。
こうして、老人は「人間万事塞翁が馬」と言いました。つまり、人生は予測不能であり、幸福や不幸はしばしば入れ替わることを表しています。