見出し画像

全力で働く南アフリカ人と葡萄の仕分け|ワイン醸造体験④

ワイン作りの思い出が濃厚すぎるので第4弾の連載となる。
1弾目でお世話になったStark Condeについてのご紹介、2弾目で出会い、3弾目で具体的に何をしていたのかを少し。今日と明日で、何をしたのかをもう少しご紹介して終わりにしたい。

昨日の記事で、パンチダウンという果汁と果帽をよく混ぜて、均一に発酵を促進させる作業について触れた。
このパンチダウンをするためには、刈り取られた葡萄を果実と茎(梗)とを分ける。これを除梗(じょこう)という。
葡萄を除梗機に載せることで、機械がいい感じに果実と茎を分解してくれる。そしてその分解された実が別の機械に落とされ、破砕されて一つの発酵用タンクに凝縮される。

毎朝、葡萄狩り達人の部隊によりケース20箱分くらいの葡萄が収穫される。
(この様子は、明日綴ります)
それらを動画のように、除梗機にのせてそれらがコンベアに乗り葡萄をうまく除梗する。そして、見事に実だけになった葡萄は、その下の機械によって破砕されて、ホース
に流れながら、発酵タンクへと着地をするのだ。

この中に入り、見事にセパレートされる
果汁を発酵槽に投入中
果皮、種子、果肉、果汁が濃縮されたタンク

これを朝晩その日収穫された分をひたすらに行う。
葡萄をコンベアにながす役割と、手で大きな枝葉を取り除くかかり、破砕を助ける係などに分かれて、葡萄が除梗破砕されるのを助けるのだ。
正直、3日で飽きてしまう。(笑)
これをくる日もくる日も行うのは中々の過酷さだった。
彼らはこれを約2,3ヶ月葡萄の収穫が終わるまで続けるのだ。
(ぼくは、2週間だけでしたが。)

この量の葡萄が朝と午後に届いてそれを捌く

正直、この作業は単純で、退屈なものだが、一緒に働くメンバーの陽気さに助けられた部分は大きい。
南アフリカ人は、働かない。と言われている。
(というのも、VISAの申請に半年以上かかったり、飲食店やアパレルなどの小売店にいるスタッフも結構サボる)
しかし、今回ここで一緒に働いてるメンバーは、期間限定というのもあるかもしれないが、みんな真面目に働いた。
言われなくても次から次へと仕事を探す。
朝7時から、時には21時くらいまで働くが、アフリカン語で文句を言っていたかもしれないが、ぼくの耳と目からすると、働くこと自体が楽しいようで、その様子に僕も感化された。

最高にいい仲間達

南アフリカは、失業率が高い。30%を超える。
中には、成人になっても仕事に就いたことがない人もいる。
そういう背景を考えると、彼らにとっては、お昼付きで、葡萄食べ放題のこの職場は結構ありがたいのだろう。

ぼくは、南アフリカの他のワイナリーで同じような仕事をしたことがないので、比較ができないのだが、このワイナリーはとても清潔だ。
これは、コンデ夫妻がかなり重点的に気を配っていることである。

不適切な衛生管理や発酵タンクの清掃不足などは、バクテリア汚染が発生することにつながってしまう。これにより、ワインの味わいや品質が著しく劣化することもある。
なので、当たり前といえばそうなのだが、他のワイナリーではその部分の気配りが至らないところも多々あるようだ。
ここは、日本人の血をもつ、マリさんによる指導が影響しているのも理由の一つだと思う。そしてそれらがきちんと社員達に浸透しており、常に清潔を意識し衛生管理に従事している姿は見事だった。

卵形のタンク

余談だが、昨日の樽型のタンクとは、別に写真のような卵形の発酵タンクもある。
これは、作るワインのゴールによってどれを使うかが変わるのだ。
この形によって、発酵の均一性や温度管理、風味の維持、酸素の供給などがスムーズにいくようだ。
正直最初にこれを見た時には、トランクスかセルが未来からきたのかと思った。
そう、ドラゴンボールおnタイムマシンにしか見えなかった。

https://dragon-ball-official.com/news/01_708.html

もしかすると、鳥山明さんはこのタンクを見て、タイムマシンを着想したのかもしれない!

タンク内を均一にする作業

作業をしている姿を彼らに撮ってもらうのだが、いかんせん、、、下手くそだったのでろくにいい写真がないのが玉に瑕だ。

赤ワインの場合は、葡萄をクラッシュして果肉と皮などを混ぜて発酵させるが白ワインは果汁だけで、温度も変えて保存する。

白ワインは直接ドンキーコング樽を使う

白ワインはオーク樽を使い、発酵から成熟を行う。その際に、酵母を入れたりするのも仕事の一つだった。

果汁と皮をセパレートする機械
出来立ての白葡萄ジュース
酵母を水で溶かし、ワインに投入中

こうして、目指すべき味から逆算した工程を経て、葡萄を発酵させ、成熟をさせワインは出来上がっていく。楽しい。すごく化学的。

全力で昼寝

彼らは全力で働き、全力で笑い合い、全力で休む。
戦後の日本人もこんな感じで毎日働いていたのかなと想像をしたのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?