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人生初のワイン醸造体験記② 出会い篇と至福すぎる2週間の生活
前回からお話ししている、ワイン農場のStrak condeのお話しだが、今日はその出会いのお話です。ワインについては特に語らない、期待外れの回です。
でも、すごく羨ましくは思って頂けます。
ホセさんとマリさん夫婦(Conde夫妻)が一代で築いた最高のワイナリーにて、ぼくは2週間のお手伝い合宿をさせて頂いた。
マリさんのご両親が元々ステレンボッシュ(南アフリカのワイン畑の地域のこと)で土地を買って住んでいて、そこでConde夫婦がワイン経営をさせてもらっているという構図である。
マリさんのお母さんは、みどりさん。エレガントなおばあちゃまですごく気さくで話しやすい。大好きだ。
ぼくがこのワイナリーを知ったきっかけは、南アフリカでたまたま知り合ったクレイジーおばちゃんのKeikoさんからの紹介だ。
Keikoさんは南アフリカに30年以上住むベテラン。
それに添乗員として、南アフリカの観光案内を日本人旅行者に行っているので(25年以上)、恐らくケープタウンに住む日本人いや、外国人で最もケープタウンに詳しい人のの1人だろう。
彼女曰く、元々人見知りで人と話すのが大の苦手だったという。接客業をしているなんて昔の自分からすると信じられないとのこと。
でも、今では口を開ければ、さんまさんよりも喋る。
なんせ、ぼくは2度めましてで、お家でお昼をいただいた際、5時間永遠とお話をしていた。
あなたどうせ暇なんでしょと言いながら。(笑)
それに、車を運転すればルール違反するドライバーに向けて、爆音のクラクションを鳴らし、おまけに窓を開けて中指を立て「F○○K YOU!!!!」とぶちかます。
相当クレイジーなおばちゃんだ。
銀髪で、クレイジーでなりふりかまわない性格は、チョッパーに医者の技術を叩き込んだ、Dr.くれはそのものだ。
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そのクレイジーおばちゃんは、このStark condeとは20年来の信頼関係なのだ。
(こんな言い方しているが、ぼくは彼女にはVISAの申請時の通訳をして頂いたり、日本食を定期的にご馳走になったりと息子のように面倒をみて頂いている)
そして、このワイナリーで毎年親族で行うクリスマス会があるので来ないかと誘われたことがConde夫妻との初めての出会いだ。
元々Keikoさんが招かれていて、ぼくもついでにと誘ってくれた。
親族会と聞いても、まあ10人くらいのパーティーかと思っていたら、行ってみると3,40人くらいの人がヨーロッパから集まった。(笑)
まりさんの旦那(ホセさん)の兄弟や、マリさんの姉妹の旦那の兄弟や、マリさんの両親の兄弟など、誰が誰かはもちろんわからないが、要は、義理の義理の義理の〇〇とかが勢揃いだった。
こんな規模の親族会が初めてで、これはこれはとても面白い時間だった。
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多くの夫婦が、南アフリカ以外の地域(主にヨーロッパ)に住んでいるのだが、このクリスマスを目掛けてよく集まるそうだ。こうやって一堂に多くの親族が介する環境と繋がりがあるのは、非常に羨ましい。
家族を大切にする海外文化らしいなと思う。
で、ぼくは全く関係のない余所者であったが、このときにマリさんと出会い、いろいろとお話をさせて頂いた。
そして、毎年2月中旬以降から葡萄狩りを行いワインを発酵させる作業をするよ。よかったら手伝わない?ということでとんでもないありがたオファーを頂いた。
ベッカムにメッシにLAギャラクシーに来ないかとオファーするようなものである。
ぼくからするとお金を払ってでも体験させていただきたいことだ。
その体験と併せて、この敷地内(先ほどの別荘を含めて7,8個の家があり、みどりさん夫婦、まりさん夫婦、マリさん姉妹夫婦などが住んでいる。Airbに貸し出してる家もあるので、ぜひ泊まって欲しい。最高です)にある家にタダで泊まらせてもくれた。
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さらには、昨日の記事にも載せたが、美味しいランチを毎回頂いた。
そして、夜はマリさんの手料理。
さらにさらにここで作ったワインや調査用に買っている幾つものワインを毎晩いただくという至福過ぎる、人生最高な2週間を過ごしたのだ。
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とても甘やかされすぎた日々だった。
彼女たちの功績とは、つまり、全ては、葡萄一房からの物語だ。
勉強と研究を重ね、農地を耕し、葡萄を栽培し、収穫し、破砕と除梗、発酵と圧搾を行い、熟成させる。そうして時間を経てようやく完成する。
地道かつ繊細で、過酷な労働環境を経て1本の作品が生まれる。
その過程を知ると、とてもじゃないが、コンビニで1本1,000円未満でワインが飲めるなんて信じられないのだ。
マリさんは、”モノづくりがしたかったの。モノづくりだったらなんでもよかったの”と言い、この過酷さを子供2人育てながら行ってきた。
デザイナーでもある彼女は、ワインのラベルやそのほか多くのデザインを担当している。
自分たちでワイン作りのすべての工程を担い、日本への販売も行っている。
このクリスマス以外はずーと働いてる感じだ。
それらを想像すると、そんな幸せのクリスマス会を土足で参加した上に、これほどの恩恵をただで味合わせてくれたことに多大な幸せと同時に申し訳なさも感じた。
そして、彼らと同じように自分も戦い続けなくてはいけないなと、鼓舞した。
ぼくたちは、もっともっと一つの作品が産まれるまでのその裏側を想像する必要がある。
そして、作品に敬意と尊重が必要だ。
ということを感じられたのもこのワイン体験記の一つの学びだ。
明日に続く。
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