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南アフリカにきて、生類憐みの令がぼくに出された。

南アフリカにきてぼくの変わったことのひとつに、動物への愛着心がある。
犬も猫も飼っていない環境で育ってきたこともあり、彼らへの執着がこれまではとくになかった。桜や紅葉を見ると綺麗だなあと思い、海を見ると大きいなあと思うくらいのきもちで、犬をみて可愛いなと感じ、猫に関してはひっかかれるの怖いな。くらいに思っていた。

まず、猫に関しては1ヶ月前くらいから心境に変化があり、割と好きになっている。

日本との違いというより、東京にいるときとの違いかもしれないが当然、ケープタウンにいる方が動物に接する頻度は多い。
ケープタウンは都会の街だけれども、少し車を走らせると田舎や植物園、もう少し走らせるとSafariまである。しかも、それは動物園のように飼われたものではなく、野生で暮らしている。

すると、彼らに対してご迷惑をおかけしないように共存しないとな。というちょっと優しい心情が芽生えてくるのだ。

例えば、先日行った希望峰に向かう途中には、baboonを見た。ぼく以外の多くの人も彼らには釘付けになってカメラを向ける。

怖さはある。
ワインファームに滞在していたときにも、葡萄を狙ったbaboonが5,6匹いたときには流石に慄いた。

でも、その環境がぼくを”アフリカにいるんだな”という気持ちにさせてくれるので、幾分と気持ちは良い。

今の住んでいる家の庭や街中の公園にある、でっかい木の周辺にはリスがいる。
始めて野生のリスを見たのは、4年前にカルフォルニアのGoogle本社を散歩していた時にひょこっと現れたそれをみて、少年がカブトムシを見つけたくらいに胸が躍った。
そのテンションが、何度もここでは味わえる。さらには、白いリスまで見つけてしまいなにか幸福が訪れるのか?と胸を膨らませた。

胸が大忙しだ。ぼくはお尻やふくらはぎも好きだが、もちろん胸もだいすきだ。

最近訪れたStellenbosch(ステレンボッシュ)のワインファームの隣に、たまたまアルパカファームがあり、野生ではないものの(半野生の飼い方だけど)思いがけず大量のアルパカと出会うこともできた。

白状すると、まだぼくはアフリカの醍醐味であるSafariには行けていない。
一度、ナミビアに行き、スプリングボックとオリックスはあちらこちらでみることができた。チーターも見た。

しかし、BIG5と呼ばれる我々大人を童心に戻してくれるやつらにはまだ会えていない。

というのも、南アフリカに来る前までは特にSafariへ行こうとすら考えていなかった。
それが、こちらの人と出会いSafariは絶対行けと言われる。
大阪に来たらたこ焼きは必ず食べろ、すき焼きは黄身で食べろと同じでテンションでそう言われるので、ようやく最近行きたくなってきている。
(季節が春になるのを待っています)

また、9月を超えると今度はサメや鯨が動き出す。
これもかなり見たくて時が経つのをうずうずして待っている。

つまり、ぼくたちの気持ちはいかようにも環境次第で変化する。
猫を怖いと思っていたが1ヶ月過ごすだけで、彼らの良さに気づき好きになる。

リスに胸が踊り、巨大動物をみることを待ち望んでいる。
彼らを間近で見て愛でたいとすら思っている。

昔々の偉大な話になってしまうが、ぼくたちは多くの動物たちと共存をしていたようだ。そんな気持ちを南アフリカにいることが呼び起こす。
テクノロジーから離れてみるのも良いのではないかと。

動物に愛情が芽生え、彼らの様子や生き方をみていると彼らも大変だよな、みんな大変だよ、お互い頑張ろうと思えてくる。

人にも動物にもちょっと優しくなれる。

だって、ライオンとしまうまが巨大すぎる土地を追いかけっこしているし、アルパカもハエに追われてるし、猫も寝るのに大変だ。
犬も構ってもらうのに必死だし、愛想ふりまくのに懸命だ。
リスなんて、とにかく動き回っていないと気が済まない。

生あるもの、みんなたいへんよ。人間だけじゃないんだよ、大変なのは。

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