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少子化と労働問題≒女性の活躍?

『女性の役員のパイを増やしていきます』
そういっている会社の役員たちは、全員60過ぎの男性。自分の妻たちは皆専業主婦。
好きに転勤して、単身赴任して、好きに仕事に全てを捧げてきたから、何で役員の女性のパイ自体が少ないか、言及しなかった(頭にも浮かばなかった)のだと思う。

女性が、彼らの妻が、今60過ぎの男性役員と同じことを、3、40年前にしていたら、彼らは、そもそも子供を誰に預ければいいか分からないし、好きに転勤も、単身赴任も、がむしゃらな残業も出来なかったと思う。

そもそも、彼らの妻は、高給取りの『奥様』として、欧米各国に一緒に住んで、働かずに、子供やご主人の世話をする、っていう役割を楽しんでいた。
それも素晴らしいことだし、素敵だと思う。

モヤモヤするのはきっと、妻が働かないで、ずっと家にいてくれることが当たり前のこういう60代男性たちが、労働人口がどんどん少なくなるという、国家的な懸念を前に、口を揃えて『女性の活躍』を叫ぶことが、中身のない念仏みたいに響くから。

役員の60代の彼は、優等生コメントが言えている。でも、あの言葉が全く響かないのは、彼の存在の家である言葉になっていないから。

彼は、文字通りきっと、『奥さんが自分と子供を世話する』という、家を拠点に、働いてキャリアを積んだ。彼の存在の家は、『女は内(家)を守る』という言葉の家。

それが良い悪いではなくて、彼は、女性が、『奥さん』が、働くことで、家庭にどういう負担が発生するかなんて、想像すら必要のない人だし、経験をしたことがない人。

いわゆる政治家や企業トップなどの日本のエリートは、殆どが男性で妻が専業主婦。
妻が働いていたとしても、パワーカップル。
お金で育児負担は一般の家庭より軽くする選択肢は十分与えられている。

女性活躍についての企業政策や、政治家の言動が、薄っぺらいのは、ご本人自身が、がむしゃらに働くために、『家(内)の女性の存在』に頼りまくっている前提に、一切意識を向けないから。感情を込めても、如何にロジカルっぽく話しても、言葉の裏に『何も知らない』感が漂って口先だけにしか聞こえないから。

結婚している女性vs未婚女性とか、子供がいる女性vs子供いない女性とか、職場のトイレで女性同士がピリついてることがある。
本当は、こういう対立構造を作っているのは、『家(内)の女性の存在』を念頭に、社会を作り上げてきた、男性による、がむしゃら働く文化なのに。
もちろん、がむしゃらに働きたい人は、働く権利がある。でも中には、全員じゃなくて、休みたい男性、立ち止まりたい男性もいるんじゃないかな、と思う
女性同士だけで、対立しなくてもいいことなのにな。

社会が作った無意識や視線を越えて、家庭や、年齢や、キャリアで悩む女性に、寄り添える。
そんな人になりたい。

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