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『妖異探偵・シャーロック=ホームズ』
「これは妖精の仕業ですよ、警部」
「気が狂ったのかね、ホームズ君」
英国は倫敦。
霧烟る都市を揺るがす怪事件に現れた名探偵の口から出たのは、名推理ではなく妄言だった。
「現場は密室。死体は人の手の届かぬ天井に磔られ、死体は傷一つなく心臓を潰されている。これが人間の仕業ですか?」
「それを考えるのが君の仕事じゃないのか!」
「ですから、妖精の仕業とお云いしています」
やはり駄目だったか、
サイバーパンク=インビジブル
BAM! BAM!
50年は型落ちのリボルヴァー拳銃を構えて、俺は威嚇発砲する。
愛玩犬を囲んでいた浮浪者たちは、一目散に廃倉庫の影へ逃げていった。
「お前らが犬を食う分には勝手だが、そいつは俺の飯ダネになるんだよ……」
俺が犬を食うわけじゃない。
2050年のARネットワーク全盛でも、探偵に犬探しを頼むような依頼は絶えないというだけ。
あるいは、犬探しくらいしか仕事の来ない程度