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【訪問リハビリあるある】利用者さんに対して家族が批判的な声かけ⁉そんな時の対応!

訪問リハビリの利用者さんの多くは、日常生活に介助が必要となり、家族からの支援を受けながら生活しています。

利用者さんと家族との関係において、「いつも寝てばっかりでしょうがない。」、「もっと動かないと歩けなくなるよ。」のように、利用者さんに対して家族が批判的な声かけをしていることがあります。

そんな時、どのように対応するべきか、困ったことはありませんか?

以前の私は、その場で利用者さんの肩を持つことも、家族の肩を持つこともできないため、沈黙、、、苦笑いでその場を受け流していました。

しかし、このような状況では、積極的にセラピストが介入するべきです!

今回は、利用者さんに対して家族が批判的な声かけをした時の対応について、紹介します!!


家族が批判的な声かけをした時の対応

利用者さんに対して家族が批判的な声かけをした時の対応は、ずばり、、、「利用者さんを褒めるようにお願いする」です!!!

「そりゃ、そうでしょ!」と思うかもしれませんが、多くのセラピストは、家族が批判的な声かけをしてしまうことに、どこか共感している部分があるために、褒めるようにお願いできないのではないでしょうか?

これは、家族の批判的な声かけ=家族が感じている不安の表出であるため、セラピストも同様の印象を持っているためと考えます。

また、批判的な声かけ、褒めることが、利用者さんに与える影響に関して、曖昧であるために、褒めるようにお願いできないことも考えられます。

そこで、批判的な声かけのデメリット、褒めることのメリット、具体的な褒め言葉について以下に解説します。

この知識を持って、利用者さんと家族の間を取り持ってみましょう!


批判的な声かけのデメリット

批判的な声かけは、利用者さんにストレスを与える、気分不快にさせるだけではなく、以下の2つを知っておきましょう!

1.ラベリング効果
2.批判の影響を打ち消すために必要な称賛の数


1.ラベリング効果

ラベリング効果とは、「あなたは、〇〇な人ですね」のように、他人から決めつけられた言葉=ラベル(レッテル)を張られることに影響を受けて、実際にその言葉通りの人になってしまうという心理効果になります。

つまり、家族が利用者さんに対して「寝てばっかり」、「全然、運動しない」という批判的な言葉をかけてしまうと、現状を固定させてしまう可能性があります。


2.批判の影響を打ち消すために必要な称賛の数

批判の影響は、ストレスや気分不快だけではなく、その環境からの逃避を促してしまいます。

例えば、リビングで家族が利用者さんに対して批判的な声かけをしてしまうと、利用者さんが自室に閉じこもりやすくなると考えられます。

この批判の影響を打ち消すためには、20回の賞賛が必要になると言われています。

訪問リハビリの時間に、何気なく批判的な言葉を言ってしまった家族が、それ以外の時間で20回以上の賞賛を利用者さんに言うことは考えにくいです。

やはり、批判的な声かけはないに越したことはないと考えます。


褒めることのメリット

褒めることのメリットは数多くありますが、代表的かつ意外なものを以下に紹介します。

1.ストレス緩和、自信の向上によるパフォーマンス改善
2.1回褒めるだけで、1日中、気分が向上する
3.褒めた人も気分が向上する

批判的な声かけをした家族は、利用者さんへの心配、不安からストレスを感じやすく、気分が落ち込んでいることが多いと思います。

利用者さんが生活自立する、活動的・意欲的になるのを待っているだけでは、家族のストレスケアが不十分になります。

利用者さん(他人)を変えようとするのではなく、家族(自分)を変えることで簡単かつ効果的であると考えます。


具体的な褒め言葉

利用者さんが要介護状態であったり、運動や活動に対して消極的であると、家族から褒める言葉が見つからないため、難しいと思われるかもしれません。

褒める時のポイントは、「能力を褒めず、努力を褒める」になります。

つまり、家族から利用者さんに対して、「〇〇(例えば、立ち上がり、トイレまでの歩行、デイサービスに行く、などなど)頑張っているね」と一言、声かけするだけでいいのです。

しかし、「〇〇頑張っているね」という声かけは、たくさんのレパートリーがないために、毎日言うことが難しいと感じてしまう、もしくは、毎回、同じことを言われても効果がない、と考えると思います。

実は、毎日、同じ褒め言葉を言われても、気分が良くなり、パフォーマンスが良くなるという研究結果があります。

そのため、同じような褒め言葉でも、1日1回、言っておくことが良いと思います!

以上の知識を家族へそっと伝え、お互いのために褒めることを頑張っていけるように、セラピストが利用者さんと家族の間に介入することも、訪問リハビリの大事な仕事であると思います!

是非、実践してみてください!

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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