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人材育成ハンドブック第1章_3.人材育成のすすめ方

第一章

  1. 人材育成課題と対応策

  2. 人材マネジメントシステムのフレームワーク

  3. 人材育成のすすめ方

  4. 人材育成の効果

  5. 人材育成の限界

  6. 育成体系のフレームワーク

  7. 育成体系のすすめ方

  8. 育成体系のチェックポイント

  9. 欠かせないアンケートとインタビュー

  10. まとめ

の、今回は
3.人材育成のすすめ方
についてご紹介させて頂きます。

ひとつ前の
人材マネジメントシステムのフレームワーク前編はこちら

人材マネジメントシステムのフレームワーク後編はこちら

ここまでで人材教育を、人材マネジメントのトータルシステムで俯瞰して考えましょう。というお話をさせて頂きました。
ここからは、どのようにして教育プランを練り上げ実行していくのかを見ていきましょう。

ADDIEモデル

様々なすすめ方がありますが、ベーシックなところではADDIEモデルが分かり易いと思いますので、こちらを紹介していきます。

ADDIEモデルは、教育プログラムの設計などに使用されるフレームワークでAnalysis(分析)、Design(設計)、Development(開発)、Implementation(実装)、Evaluation(評価)の頭文字を取っています。

分かり易いところでPDCAみたいな感じで、ADDIEモデルは評価フェーズの結果を次の分析フェーズにフィードバックして、どんどんプログラムを改善していくので有用なツールとして活用されています。

1.Analysis(分析)

このフェーズは、教育のニーズと目標を明確にするために、いかに情報を多岐に渡って収集するかの重要性を示しています。忘れがちなのが、受け手の特性や学習環境、各プログラムにおける目標或いは適して教材がどのようなものかの特定といったところです。

受け手の理解

受け手の背景、能力、学習スタイル、既存の知識とスキルを理解することが重要!これをやるからこそ、教材が受け手のニーズと能力に適合するように設計できます。

学習目標の明確化

受け手が達成すべき具体的な目標を設定することが重要。これには、知識、スキル、態度の各面が含まれて、明確な目標は、教材の設計と評価の基礎になります。

教材の選定

意外と、決め打ちになっているケースがここかなと。受け手の理解度や学習目標に沿って最適な手段=教材を活用することが教育の最適化には欠かせません。必要な教材を特定し、それが受け手のニーズと目標に適合するようにすることが重要。教材は、テキスト、ビデオ、オンラインリソース、実習など、多様な形式の中から選定しましょう!

このフェーズは成果に繋げる教育を実践しようと思った場合には、必ず必要になってくる重要なフェーズです。ですが、意外なほど、ここに十分な時間とリソースを投資することが出来ていないケースが散見されます。

2.Design(設計)

このフェーズでは、分析フェーズで得られた情報を基に、具体的な教育計画を作成していきます。

計測可能

教育における目標は明確でなければなりません。何を解決すべきか、何を達成しようとして教育を行うのか?ここなしには、時間と費用を投下する意味はありません。だからこそ、一定の測定可能な基準が必要だと考えられます。ここでは、その基準を指し示しておきましょう。

評価戦略の設計

評価は教育をすすめていく上では重要な部分であり、受け手の理解とスキルの進捗を測定するための具体的な方針や方法が必要です。評価は形成的(進行中のフィードバックと改善のため)と総括的(最終的な成果の測定)の両方で行っていくことが望ましいと考えられます。

3.Development(開発)

このフェーズでは、設計フェーズで作成した計画に基づいて、具体的な教材やプログラムの進めかたを策定していきます。

教材の開発

教材は教育によって解決しようとしている課題や目標を達成するために必要な情報をいかに効率的に受け手の理解を経て、実践に結びつけるかという設計意志を込める必要があります。
そのため、教材は決め打ちではなく、テキスト、ビデオ、オンラインリソース、ワークシート、実習など、多様な形式の中からどれが最適なのかを常に考えながら採択していくことが望ましいといえるでしょう。同じく、どのように伝えるかということもここでは考えるべきで、それがゲーム形式なのかチーム対抗なのか、そういった視点もここには必要になります。

評価ツールの開発

評価ツールは、受け手の理解とスキルの進捗を測定するために設計しなければなりません。こちらは、前述している『計測可能』の箇所と紐づけて考えるべきでしょう。ここでも、評価ツールは決め打ちではなく、クイズやテスト、口頭試験や書き取り試験、或いは実務的なプロジェクトやセルフアセスメントなど、多様な形式の中からどれが最適なのかを常に考えながら進めることが望ましいでしょう。

教育研修は生き物だからね

はい、教育研修は生き物です。だって、受け手が生き物ですから。何が言いたいかというと、教材やプログラムは適宜変更をしていく必要があるということです。受け手の理解度と進捗を評価ツールによって計測しながら、必要に応じて教育内容を調整するためのフィードバックを提供するように進めていきましょう。

4.Implementation(実装)

 ここまでくれば、もう一安心です!あとは、実際に教育を行うのみ。行うべし。行うべし。です。

情報差を埋める

作り手と受け手では持っている情報が異なります。
アタリマエですが、抜け落ちがちな部分です。
最も重要なのは、受け手がやる気に満ち満ちている状態で教育研修を受けてもらうことです。
なぜなら、教育機会を活かすも殺すも受けて次第だからです。

改めて、何のために?どのような背景で、どのようなプロセスで今回のプログラムを開発したのか?

一切の手を抜かずに、全力で持って受け手のみんなの理解を得るための努力をしましょう!!!ここ、絶対に絶対に手を抜かないこと、初動が一番重要ですから。

5.Evaluation(評価)

最後に、プログラム全体の効果を評価していきましょう。胃がキリキリしますが、教育は短期的な成果にも繋がりますが、本当に大切なのは中長期で経営計画を実現させることなので、教育プログラムは常に改善していきましょう。

ま、ここは『2.Design(設計)』や『3.Development(開発)』のところで計測する重要性や評価する重要性をお伝えしてきましたのでご理解いただいているかなと思います。

最初から完璧を求めない

教育研修において大切なのは、最初から完璧を求めないことではないでしょうか。そもそも、そんなの土台不可能ですから、やりながら、そしてやった後にしっかりと評価して、次に活かしていくことが重要だと言えるでしょう。ポイントはそのサイクルをいかに早くしていくかかなと。

次回は、人材育成の効果についてご紹介したいと思います。

この内容が皆さまの働きがい向上につながることを願っております。
それでは、また次回。
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