若者の感覚3

腕時計ひとつ忘れただけで、1日辛くなるものだなと思う。

新人の子は呑気で、何を話しているのかよくわからなかった。見当外れのことを真剣に考えてしまうのは、新人あるあるなのか。肌は少年のように日焼けしていた。

帰り道にばったり出会っても、相手の家がわからない以上、どこまで隣を歩けばいいかわからず、「家こっちですか?」て言われるのを待っていた。

自分の勘は鋭い。
交差点の前で女の子は訊ねた。

自分はあえて女の子と逆の道を指差して、歩いた。

音楽が聞きたかった。
間違いなく自分は音楽によって育てられたし、音楽を聞いて成功をおさめてきたと心から思う。

必死になればなるほど、沁みるのだ。

大人になればなるほど暇潰しや退屈しのぎが上手くなるという。実際は大人は疲れているだけで、ぼーっとできる時間が何十分、何時間と疲れと比例して増えていくのだ。

腕に走る線をみていると、誰かに縫いつけられたのではないかと思う。
 
もっと真面目に取り組んでいれば、と後悔している。




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