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それぞれの「選べなさ」と向き合いながら、若者に灯火を繋いでいく

おはようございます!
5月からハッシャダイソーシャルの一員になりました、新人広報の飯田です!

高校生のときにハッシャダイソーシャルに出会ったわたしが、「実際、ハッシャダイソーシャルの仲間たちは、どんな想いをもっているの?」とわくわくが溢れてしまったので、この度、ハッシャダイソーシャルの各事業部にインタビューしてみました!

ハッシャダイソーシャルの根底には、わたしが想像していたよりも遥かに沸々とした想いが眠っていました。

いま読んでくださっているあなたにも、是非感じていただきたい!
そんな気持ちです。

是非、全4話を、ご覧ください!!

第1話は代表2人に突撃して、ハッシャダイソーシャル全体についてのお話を伺いました。
まだご覧でない方は、是非こちらに寄り道してから、この記事を読んでいただけると嬉しいです。

第2話からはいよいよ、各プロジェクトの進行・責任を担う現場で活躍する事業部のメンバーに話を聞いていこうと思います!

本日お話を聞く事業部は、こちら。

エデュケーション事業部

ハッシャダイソーシャルの主となっている、講演活動とヤンキーインターン。全国の先生や企業の方と連携をとって、若者に “元気”を届けまくっているふたり、勝山恵一(以下、恵ちゃん)・森本瑛(以下、あきくん)。

講演活動のはじまり、学校講演のときに思っていること、ふたりのChoose Your Life! の話など、元気もりもり盛り沢山に(森本なだけに)、お届けいたします!

いつも応援してくださっている方も、たまたま見つけてくださった方も、恵ちゃんとあきくん、そして新人広報飯田のわくわくが詰まったこの記事を是非、最後まで読んでいただけるとうれしいです。


修学旅行にいけない高校生の現実


恵ちゃん
:僕は、エデュケーション事業部の動きは、ハッシャダイソーシャルの主軸となる動きだと思っているんすよ。

今のハッシャダイソーシャルではなく、まだ株式会社ハッシャダイだったときの話なんだけど。2015年から「ヤンキーインターン」っていう取り組みをやってたら、ある時から、参加者の背景事情の変化が目についたんですよね。

もともとヤンキーインターンの参加者って、行き場のない若者だったり、コミュニティが限られてしまっている若者だったりが多く参加していたんです。
でも、少しメディアとかに出るようになったことをきっかけに、中卒高卒ではあるものの、ある程度、情報のリテラシーが高かったり、親御さんの教育感度が高かったりする若者の参加が増えてきた。

それが決して悪いことではないのですが、本当に必要な若者にもっと「Choose Your Life!」を届けていかなくてはと思ったんですよね。
ハッシャダイソーシャルが向き合いたい「選択格差」という課題と、向き合いきれていないんじゃないかなって。

どうしたら本当に必要な若者に届くのかなって考えたときに、学校や児童養護施設、少年院などに直接足を運び、「学校講演」を行うのが1番だと思ったんすよ!!!熱量は、インターネットだけでは届かないと思った。

ちょうどそのタイミングで、Bizjapanという団体の西尾さんと成田さんという方からご連絡をいただいたんです。「ハッシャダイは高校でも活動すべきです」と。

その後、沖縄出身の当時大学生だった玉城さん(現在はハッシャダイソーシャルのメンバー)をご紹介いただいて、まずはひとり親家庭の課題や、貧困の課題が深刻だという、沖縄から活動をはじめてみることにしたんです。そこからは、玉城さんをはじめとした大学生チームが沖縄の学校に「ハッシャダイの講演呼びませんか?」と電話をかけ続けてくれて。

そうしたら沖縄県うるま市にある「中部農林高校」の先生が「是非講演に来てほしい!」と言ってくれたのをきっかけに講演を行なったのが、人生で初めての講演活動となった。それから沖縄での講演活動にどんどん呼んでいただけるようになって。

玉城さんには本当に助けてもらって、予算がない時は、玉城さんのおばあちゃんの家で泊まらせてもらって、ご飯まで食べさせてもらってた。(笑)

飯田
:おお!沖縄での活動が講演活動の原点ですかっ!!!

恵ちゃん
:そうなんよ。ただそのときに、びっくりな事情に出会って。高校生の中で、修学旅行に行ける人と、行けない人がいる現状があるということを知ったんすよ。

修学旅行にいく積立金を払えなかったりだとか、行けない事情は家庭や生徒の状況によって様々なんだけど、その影響で沖縄では、だんだんと修学旅行自体が廃止になってきているって、先生が教えてくださって。

「ハッシャダイソーシャルのようなキャリア教育は、若者にとってとても大切だし、今後も是非やっていきたいけど、学校には予算がないんです。その結果、貧困の連鎖や、選択肢を知らずに人生を選んでしまう若者が増えてしまった」って、先生はおっしゃっていて。

これって、まさにヤンキーインターンを始めたときと同じで。

生まれた地域、生まれた家庭などの外的要因で生まれる選択格差は中卒高卒の若者だけでなく、現役高校生にもあることに気づいたんですよ。

18歳という、1つの選択で人生が大きく変わってしまうタイミングでも選択格差がある現実に、なんか、ぼくは、そのとき無性に怒りをおぼえたんですよね。

この”怒り”をきっかけに生まれたのが「ハッシャダイスクール」という取り組みで。

たとえば予算を工面するのが難しくともなんとか若者たちに「Choose Your Life!」を届けたい、っていう思いから、ほとんど完全無償で全国を飛び回っています!これは、個人の寄付者のみなさんや、サポーター企業のみなさんのおかげでできていることなんです。

いつもハッシャダイソーシャルを応援してくださっている皆様、改めてお礼を言わせてください。
本当に本当に、ありがとうございます!

それぞれの、選べなさ


飯田:あきくんはいつも学校講演のときに、何を考えて講演をされてるんですか?

あきくん:「出会い」と 「移動体験」をちゃんとつないでいくことかな。

さまざまな職業はもちろんだけど、家族や先生とは違う、第三者の「相談したいと思える大人」との「出会い」を経て、それをきっかけに自分自身の足で地元を飛び出してみて、今までの友達とはどこか違うような友達と出会う「移動体験」をつないでいくことに、とても意義を感じているんよね。

俺は大学を卒業しているし、進学面での”選べなさ”を感じたことはなかった。ただ地元の学校は、一学年30人くらいしかいない少人数の学校だったから、ロールモデルが見つけられる機会が少なかったり、知っている職業が少なかったりと、地域によっての格差を感じてたんだよね。

だから、ハッシャダイソーシャルの”選択格差をなくしていく”というところもそうだけど、「出会い」と 「移動体験」 をひとりひとりにちゃんとつないでいくことが大切だと思ってる。

あとは、日常生活や進路選択など、何か困ったことがあったときに「この人なら相談できる!」と思ってもらえるような存在になって、そこから次のステップへ、どんどんつないでいけるように意識してるかな。

飯田:なるほど。そんなアツい想いを抱いての学校講演を終えて、いつもチームで振り返りをしているんですか?

あきくん:定期的なミーティングで若者の現状や、もっとよくなる点などを勝山さんと話し合ったりはするけど、学校講演はひとりでいくことが多いから、自分だけですることが多いかも。

飯田:自分だけで振り返りをするときに、よかった or よくなかったと考える基準になっている軸はあったりするんですか?

あきくん:まずは、講演中に学生が顔を上げてくれるかどうかかな。目が合うと、ちゃんと聞いてくれてるかどうかが伝わるんだよね。だから目が合った人数は、指標になる。

あとは、講演が終わった後に、「めっちゃよかったです!」って反応とともに、なにか小さくともアクションを起こしてくれる若者がひとりでもいたら、その講演は絶対に意味があったと思えるし、そういう若者がどれだけいるか、っていうのも指標になっていたりもするかな。

あともうひとつ、講演の最後にアンケートをとるんだよね、満足度とかをかくやつ。
そこで、講演中ではなかなか言えなかったことを、言葉にして伝えてくれる人がいて。そういうのを見ると、やってよかったなあってすごく感じるかな。勝山さんは、いかがですか? 

恵ちゃん:んー、そうだね!
アンケートでもSNSのDMでもそうだけど、若者からのメッセージや学校の先生の反応は反省や改善につながっているなあ。

あとは、ぼくの中で、話し方とか伝え方、あとは話し終わった先のネクストアクションをどう伝えるかが意識しているポイントだったりもするかな。

「あなたなら、できる」

皆様の前で、三浦宗一郎(左)に紹介される嬉しそうなあきくん(右)

あきくん:大学生のときに勝山さんと出会って、勝山さんが語っていることに衝撃を覚えたんですよね。
それで帰宅後、すぐに「何かの形で関わらせてください!」と連絡した。

その頃、ちょうど自分の進路選択に悩んでいたから、若者にちゃんと必要なメッセージを伝えているハッシャダイソーシャルに惹かれたんだと思う。

あと、ちょうどその頃に、SNSやニュース、自分が行った教育実習などで教育現場で先生が苦しんでいるという現状を知って、そんな先生たちへの事業とかも考えてた。

地元の香川県からいきなり夜行バスで東京に行って、勝山さんに「このサービスどうですか?!」とプレゼンテーションをして、コテンパンにフィードバックをもらって、帰りに本屋に寄って本を買って帰る、っていうパワー行動もやったりしてたなあ。(笑)

飯田:おお、すごいフッ軽...。

あきくん:でも一方で、「学校の先生になる」っていう夢も捨てきれなかったんよ。だからそれからは、学校の先生になるための勉強と、就活する毎日って感じだったなあ。

そんなときに父から、こんなことを言われた。

「アキの言っていることは社会的には素晴らしいのかもしれないし、みんなはそれを応援するのかもしれない。
けど、おれは、アキが言っていることに全く心が動かされない。」

ふぇぇっ!?!?と思った(笑)

俺の父は昔から現場主義な考え方で、
「経験していない人が物事をいうのは、いいとは思わない。だから1回、学校の現実をみた上で、いまと同じことを言えるのであればやってみてもいいんじゃない?」って言われて、「いや、そうだな。」って素直に悔しくなった。
それで、「じゃあ2年だけやってやろう。」って決めた。

飯田:お父さん、かっけぇ。ちなみになんで、”2年”だと思ったんですか?

あきくん:えっとねー、これはねー(ニヤニヤ)、社会人になる前に占いに行ったんよ。

そのときに「あなたは今から大変な道に行こうとしています。環境を変えたいなら、2023年がいいです。」って言われたから、じゃあ学校の先生、2年は続けるぞ!!!と、決めたのが2023年の話。(ニヤニヤ)

飯田:まさかの占い(笑)

あきくん:あのときは、自信がなかったんだと思うんだよね。 もともと教師を目指し始めたのは、高校生のときだった。「ビリギャル」っていう映画をみて、この映画の中の先生にすっごく憧れたのがきっかけで。

俺は学力がなかったから、「推薦でここらへんの大学を受けなさい」っていくつか先生が教えてくれたけど、どこもびびっとこなくて。

でも、ひとりの英語の先生が「あなたなら、できる」って信じてくれて、仕事といえどほぼほぼボランティアで、毎週宿題としてプリントを用意してくれたり、質問に行くと喜んで教えてくれたりと、俺の学力向上のために手伝ってくれたんよね。

そのときに、自分のことを信じてくれる大人がひとりでもいるだけで、すごく頑張れた。
頑張りや、本気になった経験は、大人になったときに、絶対に生かされるから、根拠はないかもしれないけど、「あなたなら大丈夫」と背中を押してくれるような人との出会いを作りたい。

でもその前に、学校の先生その人を応援できる状態であることが、高校生を応援できることにつながると思うので、まずは学校の先生側のことをサポートしていきたいかな。
それは俺だけの願いではなく、エデュケーション事業部の中で、実現していきたいことでもある。 


エデュケーション事業部の価値

飯田:最後に、ハッシャダイソーシャルに入って、Choose Your Life!したことはなんですか?

あきくん:わかりやすい1番は、やっぱり、M-1グランプリに出たことかな(ドヤ)。

飯田:ん?(笑)

あきくん:(笑)

真面目に答えると、目の前に次から次へと「Choose Your Life!」することが現れたって感じかな。

M-1グランプリ予選時のあきくん(左)とハッシャダイソーシャルのメンバー石川(右)

新しいことを見つけて、考えて、やってみて、振り返って反省して、また次のチャンスのときに再チャレンジしてみる、みたいなことをここ1年は、いっぱいやってたかな。

ベネッセさんがご協力してくださって、たくさんのゲストをお呼びして岡山県で「スナックハッシャダイ」を開催したんだけど、あれは僕にとっての新たな成長環境だった。

なんか、この数ヶ月でメンバーとエデュケーション事業部をこれからどうしていくかを話し合っていたときに共通して声として上がってきたのが、「日本でいちばんわくわくする選択肢教育をつくりたい」だった気がする。

僕としては、「働く」ということに対してのわくわくとか、「大人になること」に対してのわくわくとかみたいに、社会と高校生のミスマッチのようなものを超えられるところが「わくわく」だと思うんだよね。

だから、俺らの周りにいる若者が「自分のこれから」とか、「今」に対してわくわくできるためには、どうやったらいいんだろうって考えるだけでも、エデュケーション事業部が活動を続けていく価値があるって言えるんじゃないかな。

だから何よりもまず、働くこととか、大人になることに対してわくわくして欲しいし、主体的な進路選択として、働き方、業界、生きるおもしろさみたいなものを、シンプルに高校生にぶつけていきたい。

その次に、高校生がインターンとか会社見学とか、一歩踏み出していく未来をどんどん作っていきたいなって思ってる。

飯田:いやー、そうっすよね。最近は、わたしの同級生の友達も、働くことに対してのわくわく感があまりない人が多い気がします。ありがとうございます!

恵ちゃんはいかがですか?

恵ちゃん:ぼくたちがしてきた体験とか、ぼくたちが高校生の年代だったときに本気であったらよかったなって思えるような「機会」と「体験」の場をつくりたい!っていうのが根本にある。

やっぱハッシャダイソーシャルのキーワードとして、「憧れの対象」や「ロールモデル」との出会いはめちゃくちゃ大事だなって思ってる。

この人と一緒に学んでいきたいとか、この人の後ろについていきたいなって思えるような人との出会いを作るっていうのが、高校生年代とか、もっと若い頃に出会ったら最高だなって思ってるな。

少なからずぼくは、そういう出会いは10代とか20代前半の時に出会ったメンバーがすごく多いなって思うから、そう、こういう機会を日本全国に届けにいきたいっていう思いがある。

これが、「日本でいちばんわくわくする選択肢教育」をしていく上で思っているところかな。

飯田:「日本でいちばんわくわくする選択肢教育」を目指している恵ちゃんが、最近の講演活動で感じることはありますか?

恵ちゃん:最近の社会は、若者からエネルギーを奪っちゃてるのかなぁって感じる。無気力だったり、わくわくしなくなっちゃってるように見えるんよね。

何かに挑戦する機会があったとしても、動き出すのが難しい。「だるい」で終わらせてしまうような空気感もあると思う。

飯田:なるほど...。

恵ちゃん:だからこそ最近のぼくは、”ただ元気でいるだけの価値”ってめちゃくちゃあるなって感じてる。キャリアどうこうの前に、まずは、元気でいるだけでいい。元気があれば、なんだってはじめられる。

あと、なんやろうな。
興味関心とか、知的好奇心から生まれるアクションとか、学びがおもしろい!って思えるような機会をいかに学校現場でつくり出せるのか。
これって、すごく重要なテーマなんじゃないかなって、最近思っているんだよね。

だからこそ、「これからやっていきたいことは?」って考えたときに、
ハッシャダイソーシャルという灯火を持って、全国の若者に火を灯すように元気を分け与えていく。ただ元気を広げていくっていうだけでも、すっごく大きな価値があると思うんだよね。

あと、「実際にめんどくさいって思っていたけど、いざ背中を押されてやってみたら、こんな学びがあるんだ!」とか、「新しい人に出会うっておもしろい!」っていう経験をしていくことによって希望が生まれていくんじゃないかと感じるので、こういう機会を、選択肢教育、講演活動の中から作っていけたらな、と思っています。

あきくん:いま勝山さんが言ってくれていたことを、どう現場に落とし込めるのかっていうことが、ある意味、僕の仕事でもあるかなって思います。
講演活動だけに囚われずに、いろいろなことに挑戦して、先生からも生徒からも、楽しいよね、わくわくするよね!と言ってもらえるように、これからもどんどん探求していきます!

飯田:これからのエデュケーション事業部の活動にも、とってもわくわくします!本日はありがとうございました!

恵ちゃん・あきくん:ありがとうございました!


変化していく


わたしが専門学校に通っていたとき、全く元気が出ない時期があった。

なにか大きなショックがあったとかではないが、何に対してもやる気が起きず、全てネガティブにとらえてしまい、何もアイデアが生まれなかった。無気力と近いのかもしれない。

だから、「無気力な状態」が、少しばかりわかる。

周りにも支えられながら、とっても元気な今、生きることに気力が湧いている!「あれやりたい!」や「あの人に会いたい!」など、日々溢れているわくわくを、自ら探している。

第1話でも書いたが、わくわくは伝染するから、大きくなったり小さくなったりはあるかもしれないが、プチン!とは途切れないのだ。

だから、恵ちゃんが言っていた「ただ元気でいるだけの価値」には、わたしも強く共感する。

わたしはこのインタビューをするまで「若者の姿が時代と共に変化していくこと」を、あたりまえではあるが、どこか忘れてしまっていた。
つい2年前に高校生だったわたしの学校生活と、今の学校生活では全然違うだろう。

そんな変化していく若者の世界に、教育の世界に向き合いながら、「Choose Your Life! 」というメッセージを変わらず、つたえ続けること。

簡単そうで、とても難しい、でもやっぱりわくわくするなあと感じた。

ハッシャダイソーシャルの広報として、全国へ”元気”という名の火を灯せられるように、これからもわたし自身も、”元気”でいたい!

そう素直に思えたインタビューでした。

全ての若者に教育の機会を届け続ける活動に使わせていただきます。皆さんのご協力をお待ちしております!