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「セールスポイント」ってどうやって書けばいいの?~融資のときに出す事業計画書の書き方~

一つ前の記事では、事業計画書の中の「創業の動機」をどうやって書いたらよいのか、解説をしていきました。

次は、始めるサービスの強みをアピールする欄、「取り扱う商品・サービス」で何を書けばよいのか、まとめていきます。今までやっていた仕事で独立する場合でも、フランチャイズなど未経験分野で独立する場合でも、ビジネスの強みを語るのは意外と難しいものですよね。ただ、限られた記入欄でしっかりアピールしなければ、融資担当者の気持ちは動かせません。相手があなたが始めるビジネスを理解するスタートの内容になりますので、気合を入れて書いていきましょう。

「買ってくれそうな理由」をお客様目線で書くことが大事

日本政策金融公庫さんの創業計画書のここにあたります。

あなた商売が何かを伝える大切な項目ばかり

「取扱商品・サービスの内容」「セールスポイント」「販売ターゲット」「競合・市場など企業を取り巻く状況」の各欄を埋めていきます。今回の記事では「取扱商品・サービスの内容」「セールスポイント」について解説します。

◆取扱商品・サービスの内容

ここが一番書きやすい所です。「あなたは何を売るのですか?」という問いに答えればよいです。「テイクアウト専門のから揚げ」「ソフトバンクの通信回線の代理店」「ハイフの機械を使った痩身エステサロン」など。コツは、なるべく具体的事実を併記することで、商売の個別性・具体性を出すことです。『から揚げ屋』『通信の代理店』『エステサロン』とだけ書いてしまうと、一気に競合さんに埋もれて見えてしまいます。どこまで行っても競合がゼロになることは難しいですが、できるだけ「自分だけのビジネス」感を出すことが大事です。

◆セールスポイント

ここはまさに、「競合優位性」を語る場所です。あなたは自分の商売を始めるときに独自性を出していくと思いますが、それでも競合がある状態、もしくは競合がいずれ出てくると思っていた方が現実的でしょう。その競合がいたとしても、自分の商品・サービスを買ってくれる理由をここに書くのです。
コツは「早い」「安い」「うまい」の3要素。これは、主に飲食店が選ばれる理由の3つの理由を端的な表現したものですが、他のビジネスでも当てはめることができます。

ー早い
商品提供までのスピードです。お客様が欲しい時にすぐ手元に届くことは価値です。例えばAmazonが嬉しいのは、当日・翌日配送が当たり前だから。お酒の宅配サービスのカクヤスさんもお酒を飲みたいと思って注文したらすぐ届けてくれますね。今の時代、消費者はせっかちですから、早いこと・速いことは確かな価値になります。

ー安い
価格です。これは言わずもがなですね。基本的には、1円でも安い方が選ばれます。ただ、安かろう悪かろうだとお客様がつきませんし、そして利益が出ないビジネスだと思われると、融資担当者から見てもマイナスポイントです。「なぜ金額が安くても利益が出るのか」も一緒に書くことが望ましいでしょう。仕入れの値段が安く抑えられる・実は業界的に値段が高いだけで安くても利益が出る、など他の人でも理解できる内容で表現していきましょう。

ーうまい
これは品質のことです。消費者は同じ値段ならより良いものを求めますし、「コスパ」とは、値段の割に品質がよいもの、を買いたがりますから。あなたが「安い」で設定した金額のわりに、品質が良いことをアピールしましょう。上でも少し触れていますが、「安価なのに上質な材料を揃えることができる」「自分で作っているので、質にこだわった商品を作ることができる」など、質にこだわった商品・サービスを継続的に提供できる理由を明記しましょう。フランチャイズはそのあたりがPRしやすいですし、経験を生かした独立をする場合は、前職の会社・お店の名前を出すのも有効でしょう。

このように、自分の商品のよさを伝えるには、いくつか方法論があるものです。うまく組み合わせてアピールしていきましょう。次は後半の「販売ターゲット」「競合・市場など企業を取り巻く状況」について解説していきます。


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