「創業の動機」ってどうやって書けばいいの?~融資のときに出す事業計画書の書き方~
アントレ独立おたすけサービスで、創業融資のお手伝いもさせていただいてるのですが、当たり前ですが、皆様初めて書く方が多く、右も左も分からない、ということもしばしば。それだけ独立・起業の認知度がまだまだ低いんだなあと実感します。
今回は、事業計画書を書く時に、よく聞かれること・よくアドバイスすることをいくつかご紹介したいと思います。事業計画書に書かれる内容は、融資審査の最重要事項です。そして、一度落ちてしまったら、数ヶ月はリベンジできないと言われております。ぜひ知っておいて損のない内容です!
各項目、全てほぼ記入必須。端折ったら落ち確定
このブログでも何度か登場しておりますが、こちらが、創業時の最もポピュラーな金融機関である日本政策金融公庫さんの事業計画書のひな型「創業計画書」です。
「創業の動機」「経歴」「取扱商品・サービス」「取引先・取引関係等」「従業員」「お借入の状況」「必要な資金と調達方法」「事業の見通し」といった内容が2ページにギュッと詰められており、どれもほぼ入力必須です。たまに、空欄だらけで持ち込んでこられる方がいます、そのまま出すとほぼ落ちます。
ここではまず「全部書くものだ」という鉄則だけ覚えておきましょう。
「創業の動機」は、フランチャイズでの独立だと、実は書きにくい
一番最初に書くのが「創業の動機」。つまり独立する理由です。「美容師をやっていた人が自分のお店を持つ」「飲食店で働いている人が自分のお店を持つ」「会社員としてやっていた仕事を、自分で会社を立ち上げてそのままやっていく」など、直近の仕事内容と同じものを独立しても行う場合は、さほど書くのに苦労はしないでしょう。
苦労するのは、自分が経験していない分野で独立する場合。つまり「フランチャイズ加盟」で独立する場合です。フランチャイズチェーンの多くは『未経験からできること』を売りにしているから、幅広い方にチャンスがあるのですが、創業計画書の「創業の動機」を書くときは、実は書きづらいという隠れた難点があるのです。当然フランチャイズ本部さんも書くのを手伝ってくれると思いますが、やはり自分なりの理由を求められるものです。
未経験分野での独立であっても、過去の何か・周りの何かとのつながりと無理やりこじつける意識を
金融機関の人達は、大前提、独立する人には事業を成功させてほしいと思っております。逆にいうと、成功する可能性が低いと判断した場合は、不幸になる前に審査を落とします。それが親切だからです。この判断基準で重要なものになるのが、「過去の経験」です。事業をやるのに、その事業についての何らかな知識・経験・人脈があった方が成功しやすいに決まっていますから、それの有無を当然気にしています。
※仮に、未経験で初めても成功できるビジネスであったとしてもです。金融機関はフランチャイズの実績プラス、あなた自身を見るのですから
だからコツは、
◆何でもいいから、過去に関係があったことを入れる
◆自分が関係なかったら、周囲の人間が何か関わったことがないか確認して、入れる
あたりです。
例えばこの前、未経験から飲食店のフランチャイズに加盟を決めた50代の方の相談にのったことがありました。上のことがあったので、何か過去に飲食ビジネスに関わったことがあったか、と聞いて過去を整理してみたところ、「学生時代にレストランでアルバイトしていて楽しかった」という事実が出てきました。こういうのでいいのです。関わっている過去の一部を、現在の想いとつなげて、『学生時代飲食店で働いていて、とてもやりがいを感じていた。その後就職もして生活も安定していたが、やはり飲食店をやりたいという思いが再燃した。資金の余裕もできたのでチャレンジしたい』と表現するのです。これは嘘ではなく、記憶の呼び起こしと情報整理ですから、何ら悪いことではありません。結局、人間は過去の経験から自分の興味・関心を培うものですから。
他にも、「奥さんがやっていて」「実家がやっていて」「親戚がやっていて」「取引先がやっていて興味を持って」などなど、自分の何かしらの過去を掘り出して結びつける作業はとても有効です。社会人をそれなりにやれば、意外と色々な経験をしているものですから、割と繋がりを見つけられるものですよ!
次は別の項目について解説します。