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なに作ろかね。 その1

こんにちは。Hasnicca ナカヒラです。

Hasniccaでは主に、プロダクトデザイン、モデリング、レンダリング、プロトタイプ製作等を担当しています。

「なに作ろかね。」ということで、その1です。
続編制作決定!公開時期未定!

今回は3Dプリンターを活用したものづくりのお話。

今やプロダクトデザインに欠かせないのが、3Dプリンター。
廉価で高品質なものも多数あり、かなり身近な存在になってきているのではないでしょうか。
Hasniccaでもprusa miniを日々のデザイン業務に活用しています。

(作業机の大部分を3dプリンターが占めています)

モデリングしたものが数時間後にはオブジェクトとして現れ、形や持ちやすさを検証できる。
すごいですよね。びっくりです。

(みんな大好き60stoolだってすぐできちゃう)

3Dプリンターを使い始めた当初、とりあえず何かを出力したい欲望に駆られた僕は「簡単にモデリングできて、出力時間がかからず、出力後使えるもの」はなんだろうかと悩みました。

もうお気づきかと思いますが、そんなもの限られますよね。

そうです「シャーレ」です。

(小麦粉です)

理科器具に対してワクワク感を抱くのは世界共通だと思いますが、僕は中でも特にシャーレが好きです。
ものを入れる、蓋をする、そしてなんかかわいい。十分ですね。

というわけで、まずはシャーレをモデリング。
理科器具メーカーのHPでサイズ、断面形状を確認し、モデリングを行います。シンプルな回転形状なので、あっという間に完成です。

(モデリングデータ見せるの恥ずかしいですよね)

そして出力。
マイシャーレの完成です。
かわいいですね。

(かわいい)

作りたいものが、すぐ形になる。
これが3Dプリンターのすごいところです。

ただ、「このままだと3Dプリンターで出しました、ってだけだなぁ。もうちょっとなんかしたいなぁ」と思いますよね。

Hasniccaでは革を使ったプロダクトの企画、デザインも行なっています。
(近々発表予定です)
革のプロダクトのことを考えているときに思いつきました。

革でシャーレ作ろう。

つまり、革を型押しで成形してシャーレにしよう。ということです。
本来、革を型で成形する場合、木型等を用いることが多いのではないかと思います。
(実際に木型を用いて革の型押しをしたことがないので推測ですが)
その型を3Dプリンターで出力して革を成形できないか、と思ったわけです。

シャーレ本体のモデリングデータはあるので、型のモデリングも簡単です。Amazonで購入した革の厚さを基準に型のデータを製作。

(赤線がシャーレ、黒が型のライン)
(赤い部分がシャーレの受け側、グレーの塊が型になる部分です)

データを製作して、型を出力している間にAmazonから革が届きます。
(すごいね)

出力した型に、水に浸して柔らかくした革を挟み込んでクランプで固定。

(これでもかというぐらい締め込む)

革が乾くまで放置して(丸1日ほど)、型に沿って革用のカッターで不要な部分を取り除きます。
受けと蓋、それぞれを型で成形して、完成。
(製作途中の写真が全然ないのがダメですよね)
(乾燥後、革用の硬化剤を塗っています)

(当然、出力したシャーレと同じ形に)

革のシャーレ、良いですね。
(すごく使いやすい!みたいなものではないのですが)

3Dプリンターで出力したものを完成品とするのではなく、出力したものを道具として使う、という試みでした。

実際に出力品を型として使って分かった課題は「出力品の強度」です。
クランプで締め付けた際、型の強度が足りなかったのか、型が凹んでいます。

(クランプ跡がくっきり)

この凹みが、革の表面の凹凸に影響しているので要改善事項ですね。
インフィル密度を上げるのか、締め付けの方法を変えるのか、、、

(うっすらデコボコしているのが分かるでしょうか)

とはいえ、とりあえず革のシャーレができたのでヨシ。

革の型押しで何かを作りたい、かつ、3Dプリンターを持ってる、そんな人の参考になれば良いなぁ。という記事でした。
(果たしてそんな人はいるのだろうか)

革のシャーレにはどこに仕舞えばいいのか分からないものを入れています。プリンターのノズルの替え部品とか、ねじとか。

(このネジのサイズなんだっけ、ってなるんだろうなぁ)


次は何作ろかね。

では。



ーおまけー
写真を撮るのも好きなので、最近の一枚。
「髭を剃る祖父」

(渋いぜ、じいちゃん)


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