◆例えば、松本清張「西郷札」(『松本清張短編全集01』光文社文庫,2008)を素材に、不定性・不定量な互酬関係がどこに張り巡らされていたのかを見ていくこと、さらには互酬関係や法律関係(本作ではそれほど表面化しないが)を切り裂くように走る情念の在り処と動きを読みとるのは興味深い。