黒門町の若旦那

落語、盆栽、読書が好きなおじさんです。

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最近の記事

落語日記 初めて上がる明治座の高座に感慨深げな遊雀師匠

明治座浜町寄席 夜の部「夏の夜噺」 6月24日 明治座 明治座で定期的に開催している落語会。今回は夜の部で三遊亭遊雀師匠が明治座に初めて出演されるということを聞き、出掛けて来た。この明治座の落語会の観客は、落語ファンと演者ファンだけではなく、この劇場自体の常連さんも多いような雰囲気。芝居好きな大人な観客が多いなか、遊雀師匠の高座で会場はどんな反応を生むのか、それも楽しみ。 金原亭駒介「道具屋」 開口一番の前座は、馬生門下でお馴染みの駒介さん。大劇場でも堂々とした高座。もうす

    • 落語日記 久しぶりに拝見して精進の成果が分かる兄弟会

      越中家の落語 其の七 金原亭馬久・馬太郎兄弟会 6月23日 としま区民センター 4階 403会議室 馬生門下の馬久さんと馬太郎さんの兄弟会。この二人の兄弟会はなかなかに珍しい。馬生一門ファンとして、久々だが是非ともお二人の成長を観たくてお邪魔してきた。 東京かわら版や落語協会の落語会情報には掲載されず、あまり積極的な広報を行っていなかったためか、こじんまりと開催。それでも馬生一門の贔屓の顔見知りがお二人来られていた。ありがたいかぎり。落語マニアな感じの観客は少ないような印象。

      • 落語日記 憧れの先輩を前にハイテンションの高座を見せてくれた遊かりさん

        三遊亭遊かり独演会 6月15日 日暮里サニーホール コンサートサロン 通い続けている遊かりさんの独演会。前回に引き続き参加できた。この会は一定の常連さんがいる会だが、この日は初めて来られた観客がいつもに増して多いように感じた。遊かりさんが一席目の高座で、初めて来た方は手を挙げてくださいと尋ねたら、結構な方が手を挙げた。これは、この日のゲストが人気浪曲師の玉川奈々福先生であり、その影響が大きいようだ。 三遊亭げん馬「元犬」 圓馬門下の前座。この会は確か三度目の登場、遊かりさん

        • 悪天候にもめげない熱演の高座を観せてくれた遊馬師匠

          浅草演芸ホール 6月上席夜の部前半 三遊亭遊馬主任興行 6月3日 三遊亭遊馬師匠の主任興行。この上席夜の部は、前半5日間が遊馬師匠、後半5日間が三笑亭夢太朗師匠の主任興行。なので、遊馬師匠目当ての私は、5日間の短い機会の中でこの日にタイミングが合った。 この日は、夕方から大雨が降ったり止んだりの不安定な天候。前日の日曜日も午後は大雨だった。寄席にとって、悪天候は天敵。この日は「寄席の日」として、仲入り前に出演者の手拭いが舞台から捲かれた。寄席ファンならご存じの、通常なら観客の

        落語日記 初めて上がる明治座の高座に感慨深げな遊雀師匠

          落語日記 先代が亡くなった後も続いている一門会

          第5回入船亭一門会 5月30日 池袋演芸場 九代目入船亭扇橋一門が、年に一度集まる一門会。九代目の存命中は「扇橋一門会」を開催していた。九代目が旅立たれてから、扇治師匠が中心となって池袋演芸場で年に一度集まって「入船亭一門会」を開催している。今回が5回目となり、私は初参加。今回は直弟子の他、孫弟子の扇蔵師匠も出演。 毎回オリジナルグッズを作っているそうで、今回は九代目の俳句が書かれたクリアファイルをロビーで販売していたので、私も記念に購入。 柳家小じか「道灌」 柳家小せん門

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          落語日記 これだけ続いている若手の落語会も珍しい

          RAKUGOもんすたぁず CHAPTER98 5月26日 古石場文化センター 通っている会だが、前回は1月21日の新春特別公演なので、ちょっとご無沙汰。 受付には志ん陽師匠と燕弥師匠が並んでお出迎え。会場に入ると、客席後方にビデオカメラが2台設置されている。今回は収録があるようだ。 オープニングトーク まずは、恒例の四人揃ってのトークタイム。まずは小傳次師匠から、芸協らくごまつりやダービー開催のなか、ようこそお集まりいただきましたと感謝の言葉から。確かに、いつもより観客は少

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          落語日記 この会場ともしばしの別れとなる老舗落語会

          第671回 落語研究会 5月21日 日本橋劇場 流浪の老舗落語会、TBS主催の落語研究会。次回からは次の会場のよみうり大手町ホールへ移転し、日本橋劇場では今回が最後の開催。この規模の会場では、満員となっているが、次の会場は501席というキャパ、さて、次回の客席の混み具合はどうなるのかと興味あるところだ。 雷門音助「両泥」 この会の二ツ目枠で顔付けされたこと自体、若手の実力者として評価されたことの証し。昨年の第34回北とぴあ若手落語家競演会で大賞を受賞という実績が物語る。芸協

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          落語日記 個性豊かな小遊三一門の兄弟弟子が集まった落語会

          雀が二羽と馬一頭 No.3 5月17日 深川江戸資料館小劇場 小遊三一門である圓雀師匠と遊雀師匠と遊馬師匠の自主公演による兄弟三人会。昨年4月に第1回を開催して、年2回のペースで開催し、今回が第3回。私は第1回以来の1年ぶりの参加。 今回のゲストは、一門の惣領弟子である圓丸師匠。兄弟弟子だけで四人揃った落語会もなかなかに珍しい。 三遊亭遊かり「よめとてちん」 開口一番は、小遊三師匠の孫弟子に当たる遊かりさんと遊七さんが交互に務めるようで、今回は遊かりさんの番。 やや緊張の面

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          落語日記 小朝師匠が企画力を発揮した小満ん師匠主任興行

          鈴本演芸場 4月下席昼の部 ~小満んと小朝のたっぷり寄席~ 4月28日 なかなか落語を聴きに行けず、落語フラストレーションが貯まった4月。黄金週間の前半の一日、なんとか寄席に駆け込み、やっと今月3回目となる落語体験。少し間が空いただけでも感じる落語のご無沙汰感に、我ながら呆れる。 鈴本演芸場4月下席昼の部は、「小満んと小朝のたっぷり寄席」と題した特別興行。これは前半は通常の寄席の番組なのだが、仲入り後は春風亭小朝師匠と柳家小満ん師匠が30分ずつ口演するW主任という特別な構成で

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          落語日記 得意な演目は、久しく掛けていなくても熟成させている馬治師匠

          第31回 馬治丹精会 4月15日 日本橋社会教育会館 裏方のお手伝いをさせてもらっている馬治師匠主催の独演会。今回も受付等で事務作業をしていたので、ときどき脇の通路から高座を覗く程度でしか拝見できず、後は、ロビーに流れるモニターの音声を作業中に聴くのみで、集中して聴くことは出来なかった。なので、日記は簡単に演目の紹介程度。 客席は、常連さんを中心に、前回よりも若干多めの入り。コロナ禍が明けて、客席の動きも元の状況に戻りつつあるとの感触。 隅田川わたし「強情灸」 前座は前回に

          落語日記 得意な演目は、久しく掛けていなくても熟成させている馬治師匠

          落語日記 コロナ禍が明けたことを実感させてくれた寄席

          鈴本演芸場 4月上席昼の部 高座舞 金原亭馬生・小馬生主任興行 4月7日 鈴本演芸場で恒例となっている高座舞の特別興行は、2019年4月27日に拝見して以来、この日は久々の観賞。というのも、最後に観た2019年の翌年からコロナ禍が始まり、高座舞を始めとする茶番や鹿芝居などの寄席での特別興行が相次いで中止となっていたからだ。 前回の高座舞の特別興行が開催されたのは、2020年4月上席。1日から一旦開催されたのだが、政府の緊急事態宣言とそれに伴う寄席に対する営業自粛要請を受け、4

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          落語日記 老舗のホール落語会も会場探しで大変なのだ

          第669回 落語研究会 3月29日 日本橋劇場 TBS主催の老舗落語会に4ヶ月ぶりに参加。長年の本拠地の国立劇場が使えなくなって、この日本橋劇場に移転し開催している。しかし、ここも改修工事が始まり、6月からは「よみうり大手町ホール」へ移転する。なかなかに流浪の落語会だ。 しかし、この状況は落語研究会だけの話ではない。たまたまだろうが、落語会で使われている会場の改修や建替えが相次いでいるので、会場探しが大変な状況となっているのが今の落語界なのだ。 三遊亭歌彦「悋気の独楽」 開

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          落語日記 小さなお手伝いだけど、伝わってくる気持ちは大きなお手伝いという落語会

          三朝・和泉の小さなお手伝い(第14回) 3月15日 落語協会2階 春風亭三朝師匠と弁財亭和泉師匠が開催している被災地復興支援落語会に、今回が初参加。東日本大震災が発生した2011年から、年一回のペースで開催されている。木戸銭は全額被災地への支援金に充て、募金箱を置いて募金も募っている。 東日本大震災以後も、各地で災害が発生していて、この支援活動も継続されているようだ。今年は正月早々に能登半島地震という大きな震災が発生し、現在も復興活動の真っ最中であり、そんなタイムリーな時期で

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          落語日記 小規模な会で、目一杯らしさを発揮した馬石師匠

          第58回ととや落語会 隅田川馬石の会 3月10日 下板橋駅前集会所 毎回楽しみにお邪魔している板橋の寿司屋ととやの親方主催の落語会。前回の入船亭扇辰師匠の会に続いて参加できた。 今回の出演者は、すでにととや落語会のレギュラーメンバーとなっている隅田川馬石師匠。常連さんたちにもお馴染みの様子。この日も満員で賑やかな客席は、開演前の食事タイムのときから既に、お待ちかね感が充満。私も馬石師匠をじっくり聴けるのは久し振り。この会の出演者は皆さん私好み。主催者の親方と落語感性がほぼ同じ

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          落語日記 遊かりさんが見せてくれた花魁は、なかなかに新鮮な印象

          三遊亭遊かり独演会 vol.18 3月8日 日暮里サニーホール コンサートサロン 毎回通っている遊かりさん主催の独演会。前回は日程が合わず不参加。第1回から休まず通っていただけに、皆勤賞を逃すことになり残念。 前回までの本拠地のお江戸日本橋亭が、2024年1月より当面の期間、ビル建て替え工事により休館となり、今回より新会場に移転。 この会のコンセプトは、遊かりさんが背中を追いかけていきたいと憧れている先輩の真打をゲストに迎え、その胸を借りて腕を磨こうというもの。今回のゲストは

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          落語日記 落語協会百年記念の寄席の特別興行

          鈴本演芸場 3月上席昼の部 落語協会100年事業 寄席特別興行 3月3日 落語協会は、今年が協会が誕生してから百年を迎える記念の年として、数々の祝賀行事を開催している。 百年前の落語界をめぐる状況は、記録も少ないようだが、いくつかの演芸家の団体が存在していたようだ。落語協会が確認できるルーツとしたのは、現在の落語協会の母体となった「東京落語会」が、1924年(大正13年)2月25日に上野精養軒で開催された発会式だ。この当時の様子が、この発会式を報じた都新聞(東京新聞の前身)の

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