呟】狂言は平和な芝居 観て和やかに和らい こころ和らげる芸能でござる 世界中で狂言を愉しみ 悦び和らいあえる その一歩として 狂言との出逢いに感謝し 関わっていける仕合わせを 悦び愉しむのでござる 狂言を通じて心身と世界の平和調和に貢献しようと存じまする
呟】いろいろ予定がなくなった八月最後の週末 正月から続ける毘沙門堂詣りは 少なからず狂言のための体力増進になっていると感じてござる 行きはゆっくり登り坂最後に石段 休み休みながら できるだけ速歩きで向かいまする 台風への備えか提灯も幟も全撤去 樹々が風になびくばかり
呟】今月は九日狂言の出番有り 時に装束の着付け方や台詞の間などで「〇〇した方がより好い」と云う助言を貰うのは成長のため有り難う亨けとってござる 時に耳に逆らう言葉もござる そんな時は静かに傍へ流し むしろなにが心を泡立てさせたのか?と顧みる 手放したい思い込みが見つかること有り
呟】狂言に頻出の小道具 扇は発表会に際しては貸してもらえるものではござれども わたくし扇🪭が好きでござって 誂えることにいたしてござる 太郎冠者は銀地を持ちまするが その柄は大蔵流お稽古扇の若松を配してござる 幸いにも設えられた扇面がありほどのうできるとのこと 愉しみに待ちまする
呟)自宅から歩いて十分あまりにある毘沙門天詣りも年明けから十二回となってござる 行きは緩い登り坂なれば呼吸を整えるが精一杯でござってその戻りは下りの坂なれば 早足に狂言の台詞を繰る余裕も出てまいりまする 昨日は遠道して狂言『伯母ヶ酒』をひと通りお稽古して帰ってござる
呟)小さな頃から好きなエッシャーの絵を観に佐川美術館へ参ってござる 狂言師の茂山宗彦さんから教えてもらいまして一人ぶらっと訪れました これまで詳しく知らなかったエッシャーと云う芸術家に触れて わたくしの画心も激しゅう刺激されましてござる 狂言面打ちに狂言画描きに活かしましょう
呟】十月掛かり 急に冷え込んだ朝がござって その朝夏布団も何も被らずにあったためか喉を痛めてござる 続きハナがグズり出し咳と洟が続いてござる こうなるとお稽古で声を張れぬ 謡となれば声が枯れて続きませぬ ずいぶん治まってはござるが 本調子には今少し掛かるようにござる
呟】論語に曰く 之れを知る者は之れを好む者に如かず 之れを好む者は之れを楽しむ者に如かず ’之れ‘を狂言とすればわたくしは当に愉しむ者でござる 狂言を愉しむことに勝ち負けも善し悪しもござらぬが 愉しんでいることが何より 悦んでいることが何よりと 思うてやっているのでござる
呟】同じ狂言を観ても そこから感じとることは 百人百通り以上あろうと存ずる ゆえにどう思ったか訊きとうござる 人は誰一人として 同じモノを同じように観ることも感じることも叶わぬ 感じたことを言葉を尽くしても 同じゅう感じることはならず それでも 思いを分かち合うことが大事と存ずる
呟】明日はいよいよ狂言社中発表会「かぶら会」でござる 昨日は島田洋海社中の最終お稽古 八年目で初めて披露する狂言小舞『祐善』は和傘を持って舞うのが特徴でござる 後ろには四人の玄人が並んで地謡をしてくださるそうで その謡の力を借りて 力強く優雅な舞を目指してござる
呟】近頃は時短やタイパなどと申して少しも早く効率よいことをもて囃す気分がござる わたくしにとって狂言のお稽古は その対極と云うて好いモノかもしれませぬ 急いで覚える道も有りましょうが身に沁み口に馴染まねばお稽古の甲斐が感じられませぬ 遠回りなりとても 古人の心を感じとうござる
呟】京都の観世流の能舞台で開催の能舞台めぐり 鳴滝の杉浦能舞台へは初めて訪れましてござる 鏡板の松は墨一色で描かれ趣きの異なる舞台 午後はお稽古にもお借りしている嘉祥閣へ 舞台に纏わるお話を聴き仕舞を観ながら一部一緒に謡わせてもらえて満足でござる
呟】狂言のお稽古であれ 謡のお稽古であれ一番好きな処はお腹から声を出す快さでござる 最初の頃の鸚鵡返しも 徐々に覚えてのお稽古も 少々の間違えには構わず お腹から身体を響かせるように 声を出すこと 全身が上手く響かせられると 帰り道の足取りが軽くなるのでござる
呟】転職に伴って狂言に再會し 自ら狂言のお稽古を始めた2010年より 一昨年には狂言面を打ち始め 今年からほぼ毎週舞台に立つようになって 生活に占める狂言の割合は弥増してござる さりながら画を描くことや文具漫画読書映画ドラマ等等続いている趣味もござる 狂言に織り交ぜられば尚嬉しい
呟】七月になると京都はあちこちで祇園囃子が聞こえ始めまする 春三月よりこの祇園で舞台に出る機会を賜り 祇園がいっそう身近に感じられてござる 観光で来られる方も弥増すようで 今年の祇園祭は連休と重なりますれば さぞかし賑やかなものでござろうと存ずる 心和やかに愉しまれますよう
呟】お稽古年数が長くなり 後から始めた方が多くなるにつれ人の狂言につい一言云いたくなってしまうことがござる ちょっとした動きのコツなれば 好うござるが 自身が師より受けた指導をそのまま伝えることは厳に控えるよう氣をつけてござる 夫々にタイミングがあり それを図るは難しゅうござる
呟】先月岡山で狂言を披露して半月あまり 次のお稽古まで十日ござる 自身が主となる狂言小舞は観たことはあれど全く手付かず アドで参加する狂言口真似は奉納で演ったことがござるによって 浚いますれば幸い大方思い出せましてござる あとは細部に集中してお稽古重ねまする
呟】昨夜は狂言島田洋海社中お稽古日でござった 四月に披露する狂言萩大名 動きのタイミングや台詞の緩急に 少しずつ直しをいただいて とぼけた愛らしい大名が形作られてまいりまする 普段独りで台詞をお稽古するのと違うて動きながら相手の言葉を聴き対応することが力になってござる
呟】狂言は独特な抑揚で台詞を発声いたしまする 狂言のお家によっても違いがござるが 茂山千五郎家のことばは京言葉が基礎にあろうと思うてござる なんとなく和らいだ雰囲氣がござって狂言そのものも柔和でござる 家ごとに狂言の言葉にも違いがござる これも方言と云えましょうか
呟】いろいろと緩やかになりつつあり先週には久しぶりに社中の新年会も開けてござる 四月の発表会に向けたお稽古もいっそう精度を上げての指導をいただけて有り難いところでござる 動きや視線運びをそのまま習うより どんな理由があってそうなるのかを慮っての所作指導は身に着いてござる
呟】子どもの頃から歯性が好うござらぬ 年末年始で二度に渡り詰め物が外れ歯医者に通うてござる 歯並びは声の出に影響が出まする 前歯にあった隙間を治してしばらくは 声が口の中へ跳ね返されるようで台詞が上手く出せなくなってござる 舞台が近い時には 歯はなるべく触らぬようにしてござる
呟】cafeベアトリーチェさんで開催します狂言カフェまであと二日となってござる 狂言を体感と体験を通じて どんな芸能なのかを知ってもらいまする 身近なもの 心を和らげるものと知ってもらい 仲間が増えたら嬉しゅうござる そのために届ける内容を最後まで調整して臨みまする
呟】昨年は職場の機器装置の経年劣化で大変でござったが全て丸く治まり年末には拭き上げ感謝をして帰ってござる 狂言のお稽古で遣う道具はもちろんお稽古場や披露の時は能舞台にも感謝し大切に扱い できるところでは心込めて手入れさせていただきまする 狂言を表現するこの身も大切にまいりまする
呟】この週末はお稽古と狂言会が二つ続きましてござる 今年の観る稽古は師匠たち主催の五笑会で締め 直接受けるお稽古もこちらで有難く仕舞いまするが 独りでする稽古は年末も新年もなく毎日続きまする 少しでも上達するよう、また以前に演った狂言が いつでも再演できるよう願ってのことでござる
呟】常の繰り稽古では動きを思い浮かべつつ間を計って台詞を云うてござるが 相手に合わせての動きでは言葉と動きの間合いを取るのが難しゅうござる 動きが早くとも言葉は緩やかに またその逆もござる 実際には相手が想定の速さでないことが多く合わせられるよう数多く繰っておくより無うござる
呟】狂言をするための身体は狂言のお稽古や舞台で培うものと存じまする わたくしの伺いまする限りにおいてでござるが、筋トレやジムで鍛えるということはあまりないようでござる 同様に舞台に響く好い声も 日々のお稽古と舞台で発声することで鍛えられるものと存ずる お稽古に尽きるようでござる
呟】カルチャーの狂言教室では今期鶏聟と申す狂言をお稽古してござる 何度も観ている聟入りモノの狂言でござるが 立ち稽古後半聟は鶏の蹴合う真似をして挨拶 恥をかかすまいと舅も同じように鶏の真似をし最後は舞台を足早に駆け回りまする 観て楽しい狂言なれど演るは難しでござる
呟】一昨日大津にて傍樂き方について定例の面談でござった 主たる議題は狂言との関わり方でござる わたくしにできる狂言界への貢献法につき思案し 地道に伝える道を考えてござる このnoteも大切に 来年からは カフェで狂言のお話会なども 再開してまいろうと存ずる
呟】社中を始めて六年半 今もカルチャーで狂言をお稽古し続けてござる カルチャーでは舞台披露の機会はござらぬが社中と並行して違う狂言がお稽古でき 同時に狂言謡と小舞を一番通せるのが魅力でござる 謡や小舞は狂言の中で演ることもござるが常からお稽古しておけるのは有り難うござる
呟】お稽古のみでまだ披露できずにある狂言花争 この狂言でわたくしの演るアドの主人が 行き暮れて木の下陰を宿とせば花ぞ今宵の主ならまし と詠む古歌がござるが これが前期のカルチャー教室でお稽古した 狂言薩摩守に所縁の薩摩守平忠度の詠うだ歌と知り いっそうの親しみが湧きましてござる
呟】日々一人で狂言の台詞をお稽古してござっても 急に上達するものではござらぬが 前日まで誦じられなかったことばが急に流れるようにことばが出るようになることがござる 所作や型が伴う台詞はことばと動きがイメージの中で上手くかみ合ったとき うまく口から流れ出し また残っていくのでござる
呟】こんにった京の西にござる友だちの畑へ落花生の収穫に参ってござる 青々と好く茂った畑で薩摩芋と落花生を獲ってござる 帰りの道すがら拓けた畑に向かうて狂言の和らいと台詞をお稽古 抜けるような空の下遠くまで響き渡り心地好うござった かような畑なら舞台並に大きな声も出せまする
呟】通勤時間にはお手本音声を聴く耳稽古が平日朝の習慣でござる ある程度ことばが入れば 一人で台詞を繰るのでござる 二人物でも三人物でも 全員のことばを入れるを基本と存じてござる 道を逍遥しつつ 入浴しつつ 時に仕事中作業をしながらも つい繰るようになってござる
呟】狂言方に限らず能楽師は体幹が調ってござる 膝が軽く曲がり腰が落ちた基本姿勢でやや前傾や両腕を開いた体勢を保ったまま頭を揺らさず立ち摺り足で進み時に跳び上がり静かに留まる お稽古を重ねることが筋トレや体幹運動にもなろうと云うことでござろう お稽古に精出そうと存ずる
呟】世阿弥の云う初心を思い違えていたことを教わってござる 同じことを繰り返してする時にも 初めての心で取り組むとのこと 日々のお稽古では二、三番の演目を繰り返して台詞を繰り 所作を浚いまするが 台詞を、所作を、その都度初めて取り組む心持ちにてお稽古すること心してみょうと存ずる
呟】毎日師の手本の音声を聴稽古し 自らも台詞を繰る稽古をしてござるが 師につけてもらうお稽古は格別にござる 稽古して参ったいまわたくしにできる狂言を観てもらい 直して成るところを指し示し 示され成ったと思えば更に引き挙げられるのでござる 次の直稽古まで染み込ませるのでござる
呟】一昨日に狂言柑子を奉納いたいてこれよりは狂言萩大名を主にお稽古してまいりまする 自主的には狂言花争や狂言蟹山伏🦀も繰りながら 狂言文蔵、狂言寝音曲、狂言柑子も続き浚いつつ時々は狂言附子や狂言千鳥も振り返りましてござる いつなん時声が掛かってもできる準備にござる
呟】京都は紅葉の盛り ゆっくりときた大好きな季節も早々去りゆく気配でござる 秋よりお稽古始めたる狂言萩大名は秋によう出る狂言でござる 秋に咲く萩の花は秋の七草の一つ 中でも萩大名に出る宮城野の萩は 枝垂れた枝に赤紫の花が並び咲くそんな姿が描かれまする 披露するのは春でござるが
呟】まずはできるだけ聴いたままに返す 狂言のことばは室町時代のままではござらぬが 遣い慣れぬことばや言い回しを 普段と違う抑揚、強弱でござれば 同じつもりが違うてござる お稽古を録音して聴くうちにいっそう違いが耳に付きまする 自然になるほど口に出して繰り返すが大切と存ずる
呟】狂言に描かれるはたいてい他愛もないお話でござる 真剣に稽古を積んだ狂言師がよく響く声と練られた体で永く伝わってきた芸にて勤めまするが それは人の為の教訓でも 生活の役に立つ助言でもなけねども 狂言に触れることが人の心を和ませ氣持ちを和らげ日々を調和すると信じてござる
呟】こんにった狂言を永く続けるための体力強化の一環にて 南丹市にござる八木城趾を訪ねて山城の跡を巡りましてござる すれ違う人もなく樹々を相手に狂言の発声などしながら散策いたいてござる 秋の一日を堪能してござる
呟】狂言ではハイキングやピクニックに出掛けることがござる これを遊山と申すが 山で狩りやら 川で釣りやら 春に桜 野に出て土筆つみ 秋はお庭で萩鑑賞 夜にお月見 何故か紅葉狩りは描かれてござらず そのわけを調べてみるもよけれ 新作を捻ってみるもようござる
呟】古きを稽[かんがえ]ること この頃は何かとお稽古することに思い至りまする 技芸を伝承する立場ではなけねども六百年を超えて伝わる芸能に関わりを持って十余年経ち わたくしがこれほどお稽古好きであったとは知りもせず これほど稽古したいと思うほどのモノに出逢えたと申すことでござる