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#テレビドラマ感想文

今ハマっている、過去に大好きだった、再放送で見て当時を思い出した、など、印象に残っているテレビドラマについて、noteに投稿してみませんか?

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虎に翼 第43話

岡部たかしじゃなかったら許されんだろ、こんなの。岡部たかしでもギリギリだ!という回だった。彼以外だと、これができるのは大泉洋くらいしか思いつかない。 優三(仲野太賀)の死亡告知書を隠していただけではない、直言(岡部たかし)から出てくる出てくる、「それを言っちゃあおしまいよ」懺悔のオンパレード。 ①優三くんのこと隠していてごめん ②今、トラに倒れられたら我が家は立ち行かなくなると思って。ごめん ③トラが結婚した時正直「優三くんかあ」「花岡くんがいいなあ」 「花岡くんの下宿を

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虎に翼 第40話

前回のラストで寅子(伊藤沙莉)を訪ねてきた人物。 この重苦しい週の金曜日に、寅子になんらかの救いをもたらしてくれるのか!?と思ったら、法科女子部の後輩・小泉さん(福室莉音)が女子部の閉鎖と、高等試験中止の報を伝えにきてくれた。 ……救いじゃなかった……むしろ、寅子が切り拓いてきた女性法曹の道が閉ざされたという、更に打ちのめされる展開。寅子が出産育児で立ち止まっても、誰かが後に続いてくれるという願いは潰えた。 高等試験が再開されたら、必ず挑戦するという小泉さんの力強い言葉だけ

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虎に翼 第51話

花岡(岩田剛典)が死んだ。 配給分以外にまったく食料がないのならともかく闇買いで得ることができる状況なのに、配給だけで生きてゆけという法を守った者が死んだのなら、国の失政の証だ。戦死、戦病死した人々と同じく「可哀想に」と涙するだけで済ませてはならない犠牲者だ。 チラリと映る新聞に「花岡判事の日記」が記事として載っている。 「食糧統制法は悪法だ、しかし法律としてある以上、国民は絶対にこれに服従せねばならない。自分はどれほど苦しくともヤミ買い出しなんかは絶対にやらない、したが

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虎に翼 第44話・第45話

先週の予告で、寅子(伊藤沙莉)が作ったお守り袋を拾い上げた人は、やはり優三さん(仲野太賀)ではなく、戦病死を確かに伝えに来てくれた帰還兵だった。戦友というわけではない、ただ隣のベッドに寝ていただけの人に 寅子が作った「五黄の寅の力が宿ったお守り」を渡してしまう。帰還兵の彼の言うように、どこまでも優しい人。 それが、まさに彼……優三さんが亡くなってしまったのだと裏付ける。 なんという苦しさだろう。 ************ はるさん(石田ゆり子)が 「これ以上、心が折れて

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虎に翼 第68話

小学校で返されたテスト用紙を寅子(伊藤沙莉)に見せる優未(竹澤咲子)、84点で直人(琉人)と直治(楠楓馬)が「優未、がんばったでしょ!」と寅子の言葉を求めるが、寅子は 「間違えた部分はきちんと復習して勉強するのよ。そしたら次は100点だから」 ああ……寅子。やっちまった。学校で常に1、2を争う成績だった寅子は、きっと100点が当たり前で、90点台を取った時には自分にこう言い聞かせていたのだろう。でも優未にこれはよくない、本当によくない。……しかし今ならそう思えるのだけれど、

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虎に翼 第61~65話

※61話から65話まで一気見したので、一気見の感想となっています。 なんということだ。前回のテレビドラマ感想文(記事はこちら) で >子に徹底的に甘えられてしまう母という存在を、ここから先このドラマ >は、どう描いてくれるのだろう。 こう書いたら、第13週は梅子さん(平岩紙)と大庭家の一族の相続問題でそれへのアンサーが出た。子だけでなく、家族に、家制度というものに徹底的に甘えられてしまう「母」「妻」の役割を負わされた女性。家族全体のケアが当たり前で、それに終わりはない上

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虎に翼 第67話

泣いてしまった。星長官(平田満)が読み上げる『日常生活と民法』の序文 「今次の戦争で日本は敗れ、国の立て直しを迫られ、民法も改訂されました。私たちの現実の生活より進んだところのものを取り入れて規定していますから、これが国民になじむまで、相当の工夫や努力と日時を要するでしょう。人が作ったものです。古くなるでしょう。間違いもあるでしょう。私は、この民法が早く国民になじみ、新しく正しいものに変わっていくことを望みます。民法は、世間万人知らねばならぬ法律であります。けっして法律家に

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虎に翼 第50話

穂高先生(小林薫)の善意100%の、しかし完全に的外れな言葉が、ついに寅子(伊藤沙莉)から「はて?」を引っ張り出した。 「私は好きでここに戻ってきた。戦争や挫折で色々と変わってはしまったけれど、でも。私は好きでここに来たんです。それが!私なんです!」 足音高く部屋から出て行き、力いっぱいドアを閉める。 漲る怒り。そう、悲しみと積み重なったダメージによって萎れた寅子を内側から膨らませるのは、身の内に満ちる怒りである。穂高先生は寅子復活の為に必要な、最後の一滴を注いだのだ。

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虎に翼 第30話

直言(岡部たかし)がせっせと作る愛娘スクラップ、その冊子の隣に置かれた新聞記事の大見出しは「我軍 武漢陥落後も進撃の巨歩緩めず」。 ……歴史的に見れば、日中戦争はこの武漢攻略戦で終結の糸口を見失った。「進撃の巨歩を緩め」なかったのではない、退くに退けない泥沼に突き進んだのだ。 ************ 世相は暗い方向へ突き進んでいるが、高等試験に合格した、初の女性弁護士の一人となった寅子(伊藤沙莉)の周りはお祝い一色である。 ずっと前から応援してくれていた人も「よく堂々と

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虎に翼 第57~60話

※57話から60話まで一気見したので、一気見まとめ感想です。 福祉に繋がるべき人の議論で、よく揶揄として上がる声 「そんなこと言うなら、あなたの家でその人を引き取ったらどうですか?」 それを本当にやっちゃったら……というのを描いた週だったと思う。 朝ドラなので、最終的には上手くいく。しかし、そこに至るまでに綺麗ごとでは収まらないあれこれを随所に差し挟んでいた。 大人の男性である小橋(名村辰)さえ、彼に脅しつけられたら怯えてしまうくらい力強い体躯を持つ少年・道男(和田庵)を

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虎に翼 第25話

最初から最後まで、清き水がさらさらと流れるような第25話だった。 「主文。被告人らはいずれも無罪」 「検察側が提示する証拠は自白を含め、どれも信憑性に乏しく(略)本件において検察側が主張するままに事件の背景を組み立てんとしたことは、あたかも水中に月影を掬い上げようとするかの如し」 「即ち、検察側の主張は証拠不十分によるものではなく、犯罪の事実そのものが存在しないと認めるものである」 美しい、そしてきっぱりとした判決文である。 水中に月影を掬い上げようとする……書画などで目

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虎に翼 第28話・29話

私たちは知っている。身の安全のために朝鮮に帰国しても、太平洋戦争のすぐ後に朝鮮戦争が始まり、朝鮮半島を動乱が襲うことを。 私たちは知っている。その身と志を犠牲にして男爵家を守っても、昭和22年に華族・貴族制度は廃止されてしまうことを。 努力家で賢く、友達思いのチェ・ヒャンスク(ハ・ヨンス)の無事を心から祈る。 誇り高く聡明で、心優しい涼子(桜井ユキ)の夫・有馬氏が、せめて人柄温かな男性であることを祈る。 そうでなければ、あまりにも救われないではないか。 そして梅子(平岩紙

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虎に翼 第49話

花岡(岩田剛典)と寅子(伊藤沙莉)がお昼ご飯を食べながら、お互いの近況報告。 彼は東京に戻り、経済事犯専任判事として食糧管理法違反の事案担当をしている…… ヤミ米。『サザエさん』原作漫画の連載開始はちょうどこの頃(昭和21年)で、初期の漫画ではヤミ米と、闇商売で手に入れた食料が警察官に摘発される場面が描かれている。配給の食料だけではとても足りなかったのだろう。磯野家とご近所の人々の描かれ方で、当時ヤミ米を手に入れるのが当たり前であったのが伝わる。寅子も同じだ。 それでも、

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虎に翼 第46話

昭和22年、3月。寅子(伊藤沙莉)の飛び込み就活……怪しげな紳士・ライアンこと久藤頼安を経て、1話のラストの場面。司法省・人事課での桂場(松山ケンイチ)の前に至る。 アポイントメントがないので人事課長に取り次いでもらえないという現場に颯爽と現れ、スマートに助けてくれたライアンにホッとしたものの「なんてお呼びしようかな……ともこさん。ともちゃん」…… 「サディ!」 これを聞いて(あっ。こりゃめんどくさい、あまり触っちゃいかんやつだ)と判断して、すみません一人で参りますので

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虎に翼 第54話

「その名前で呼ばないで」 ヒャンちゃん(ハ・ヨンス)に寅子(伊藤沙莉)との再会の喜びはなく、はっきりとした拒絶が返ってきた。はるさん(石田ゆり子)は、ヒャンちゃん……いや、香子の態度に理解を示した。 「ご結婚されたんでしょう。あなたの同僚(汐見/平埜生成)と」「私も直言さん(岡部たかし)と一緒になるとき、故郷の友人と縁を切りました。生きていれば色々ありますよ」 直言との結婚は、実家の旅館の利となる結婚相手をというはるさんの親の願いとは、かけ離れたものだったから……当時の

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虎に翼 第56話

昭和24年1月3日。 滝行がわりの水垢離。滝藤賢一を毎週一回脱がせて筋肉を見せつけるつもりだろうか。水を滝のように浴びながら家庭裁判所の五大基本性格を叫ぶ。 独立的性格 民主的性格 科学的性格 教育的性格 社会的性格 「寒い!」 でしょうね! 日課ということは毎日やってるんだろうけれども、ご近所から苦情は来ていないのか。来てるだろ絶対。 ************ この年から、ついに寅子(伊藤沙莉)は裁判官に就任ただし家庭局事務官と兼任。それにしても、星朋彦最高裁長官(

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虎に翼 第34話・35話

寅子(伊藤沙莉)の背負ったものの重さ、夢、将来のために彼女にプロポーズせず、佐賀で奈津子(古畑奈和)と婚約したのだと告白する花岡(岩田剛典)。彼を呼び出して問い詰めるのが、轟(戸塚純貴)と、よね(土居志央梨)であるのがよい。 轟「それで猪爪に何も言わずに婚約を!?きちんと話もせずにか!」 そうだ、そうだ。どういった答えを寅子が出すにせよ、きちんと話すべきだったんだよ。 よね「責任を負う勇気がないだけだろう」「お前などあいつと到底釣りあわない」 よ、よねーーーーっ!!そこま

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虎に翼 第39話

えっ、辞表!?産休・育休じゃないの…?と思った瞬間、今更ながら気がついた。 登場人物の誰もが、何もかも初めて経験することだったのだ。 仕事を抱えた身で妊娠することも、そんな女性を雇うことも、そうした女性から相談を受けることも。女性が働きながら出産育児するための社会システムは整っておらず、子どもは母親が自分の手で育てるものだという考えが大勢を占める世の中。保育園すらない。 「弁護士の資格は持っているのだから、仕事への復帰は(子育て後の)いつだってできるんじゃないのかね」

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虎に翼 第41話

3月の東京大空襲。よね(土居志央梨)とマスター(平山祐介)は逃げられたのか、カフェー燈台の外で空を見上げていた路上生活者は。 花江ちゃん(森田望智)のご両親は亡くなってしまった。結婚前のお食事会や結婚式の場面を思い出し、胸塞がる思いであるが、猪爪家に追い打ちをかけるように直道(上川周作)の戦死公報が届く。 花江ちゃん(森田望智)の顔をまともに見ることができない直言(岡部たかし)の心中、察するに余りある。 「どこかの島にいたのか。船が沈没したのか……」 紙切れ一枚で骨も帰

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虎に翼 第48話

「国民すべてが(君のように)法に明るいわけじゃない」 「国民は何もかも変化を強いられて苦しんでいる」 「まず未来ではなく、今目の前の苦しむ人を救いたいと私は思うが」 神保教授(木場勝己)の言葉に、花江ちゃん(森田望智)の泣き顔が蘇る。またこのドラマの巧いのが、神保教授が頭が固いだけのヴィランじいさんというわけではない、言葉に一理も二理もあるところだ。だからこそ、スンッとならざるを得ない……。 小橋(名村辰)が「大人になった」と表現したが、前回の感想文でも書いたように、いま

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