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「別荘」 ホセ・ドノソ (前)

8か月前

「別荘」 ホセ・ドノソ (後)

8か月前

「場所」 マリオ・レブレーロ

1年前

『犬を愛した男』 レオナルド パドゥーラ(著)寺尾 隆吉 (訳) キューバの現代文学です。トロツキー暗殺を軸に、20世紀全体の時間を、ソ連、スペインからメキシコ、キューバにまたがる空間的スケールで描く。本としても600頁を超える、物理的にも分厚い超重量級の大作でした。 

『廃墟の形』 (フィクションのエル・ドラード) J・G・バスケス (著) 寺尾隆吉(訳) コロンビアの近現代史の暴力の裏の「陰謀論」。それに、実名登場する作者=主人公がどう対峙するか。祖父に保守有力政治家を持つ作者の実体験を反映した緊迫感溢れる傑作。

「ガラスの国境」 カルロス・フェンテス

1年前

「ただ影だけ」 セルヒオ・ラミレス

2年前

「澄みわたる大地」 カルロス・フェンテス

2年前

「方法異説」 アレホ・カルペンティエール

2年前

めも。フアン・ガブリエル・バスケス『廃墟の形』(水声社/寺尾隆吉=訳)2021年7月25日頃発売予定。著者はコロンビア文学を牽引する作家。ボゴタの路上で暗殺された政治家と、その暗殺に隠された真実に迫る。バスケス作品は面白いので要注目。 http://www.suiseisha.net/blog/?p=14780

めも。フェルナンド・デル・パソ『帝国の動向』(水声社/寺尾隆吉=訳)2月上旬発売。19世紀のメキシコ皇帝夫妻を描きだした880頁の長編小説。仰向けで読むのは危険なので、俯せで読む方がよさそう。「フィクションのエル・ドラード」最長かな。 http://www.suiseisha.net/blog/?p=13858

めも。アレホ・カルペンティエル『時との戦い』(水声社/寺尾隆吉=訳)2019年12月25日発売。現在詳細は記されていないが、愛するシリーズであるフィクションのエル・ドラードだし、カルペンティエル作品だから概要がなくてもおさえておく。 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784801004580

めも。レオナルド・パドゥーラ『犬を愛した男』(水声社/寺尾隆吉=訳)4月15日発売。ラモン・メルカデールによるレフ・ダヴィドヴィチ暗殺事件を描いた688頁に及ぶ長大な小説。著者はハバナ生まれの作家で、おもに推理小説を執筆している。 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784801002692

めも。ホルヘ・イバルグエンゴイティア『ライオンを殺せ』(水声社/寺尾隆吉=訳)10月25日頃発売予定。1898年に独立国となったアレパ。独立戦争で生き残った陸軍元帥が大統領を務める同国の物語。著者はメキシコのグアナフアト生まれの作家。 http://www.suiseisha.net/blog/?p=9693

めも。光文社古典新訳文庫さんの6~7月刊行予定の書籍がおいしい。中でも6月刊行予定のフリオ・コルタサル『奪われた家/天国の扉 動物寓話集』(寺尾隆吉=訳)は注目している。『奪われた家』は『占拠された屋敷』の新訳と思われる。 http://www.kotensinyaku.jp/nextnumber/

ついにマリオ・バルガス=リョサ『マイタの物語』が発売された。本書はジョサ表記(これだけで翻訳者がわかる)だが、いずれにしても真打ち登場に興奮をおさえられない。しかもフアン・ガブリエル・バスケス氏の評付きだけにラスボス感が強まっている。 http://www.suiseisha.net/blog/?p=8138

ロムロ・ガジェゴスの『ドニャ・バルバラ』(現代企画室)が11月15日刊行予定とか。ロムロ・ガジェゴス賞はスペイン語圏の怪物たちが受賞しており、そちらでもお馴染みの存在。ラテンアメリカ文学の古典中の古典という謳い文句に引き寄せられる。 http://www.jca.apc.org/gendai/onebook.php?ISBN=978-4-7738-1720-1

水声社/マリオ・レブレーロ/寺尾隆吉=訳『場所』話。理由も前兆もなく、あるとき見知らぬ部屋で目覚めるところから始まる奇怪な物語。安易に不条理という表現で片付けるのは憚られるが、部屋を抜けると別の部屋があり、終わりがない迷路をさまよう状況は悪夢のような不気味さと絶望感に満ちている。

ラテンアメリカ文学を楽しめるのは寺尾隆吉氏の功績によるところが大きい。でも感謝していることを前提とした上でわがままを言わせていただくと「ジョサ」に見られるような表記の統一に徹底抗戦なさっている点、ときおり翻訳文が乱れる点、このあたり妥協・改善してくださると悦び倍増なのだが。だめ?

現代企画室/ギジェルモ・カブレラ・インファンテ/寺尾隆吉=訳『TTT』話。ある歓楽街に集まる人物たちの物語と言うのは簡単だが、この遊びに遊びをかさねた言語的実験の塊を語るにはものたりない。翻訳が困難な構造。ハバナの空気を彩る語呂合わせ。全編に渡る巧妙にして奇怪な表現が面白すぎる。