少しずつだけど、確実に前へ。これが大事。 「よくできました」って。自分を褒めるんだ。
溢れ出てくるこの感情は、あの日歌った「夢」みたい。 真っ白だった僕。 あの陽だまりで起きた、冷たい「現実」。今なら、溶かせる気がする。
僕のひとりの時間。 気が付くといつも優しい雨が隣にいる。
夢降る夜。月の声が聴こえる。
自分のことを知れば知るほど。 その向かう先は今の場所からは遠く、離れていくことに気が付く。 この気持ちは、何ていう名前なんだろう?
温かな月色。 灰色の宙に隠れても、夢で逢えるなら。『それでもいい。』とさえ想える。
君と僕との間には、まだ何もないけど。 君の中に僕に似た誰かがいるんじゃないかと、そんな錯覚を起こしてしまう。そう想うのは、満月が終わる刹那だからかな。
早く、早く。伝えたい想いがある。 「まいにち」がそれを掻き消しても、心の中にずっとあるから。 「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」 「そこで少し待ってて。」
キリキリ音の鳴るような「スキマ」は僕の外側。 僕の内側にも「隙間」ができた。心地よい音色がするその場所で、墨色の夢を描いている。
目まぐるしく移り変わる空模様。 君と僕は、雨と雨の隙間に虹を描いて、宙まで届くように大きな声で叫んだ。 「わたしたちは。僕たちは。ここに居るんだ。」って。
「やりたいこと」の輪郭が、少しずつ確かなものになっていく。僕の止まっていた時間を進めてくれたのは、君の奏でる、声。詩。音。 全てが、僕の心を掴んで離さない。
僕が目の前の命に向き合っていた5年間。 君が目の前の夢に向かって突き進んだ5年間。 皆が目に見えない「ナニカ」と共に歩んだ5年間。 僕から見える世界が5年で変わったなら、世界から見た僕はどれだけ変われるだろう。
霞がかったスポットライトの下、僕は君の整えられた歌声を聴いていた。向かう先が霧の中だとしても、君が隣に居てくれるから。 ほら、ね?「だいじょうぶ」。
まだまだ発展途上、だけど。心が穏やかだと、見える景色も違うんだな。みんなが居る世界の中、ひとりで過ごす時間が過ぎていくのが、こんなにも心地良いなんて。