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※本連載は第53回です。最初から読む方はこちら。
米国政治の分断は、日本から見てなかなか理解しにくいものです。ジョージア州で行われた上院議員の決選投票を民主党が制し、またトランプ氏がバイデン氏に敗れたことを認めなかったため、先日はトランプ支持の極右勢力による連邦議事堂の占拠にまで発展しました。
民主国家には、平和裏に行われる権力移行が必須です。米国の場合は常に
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※本連載は第52回です。最初から読む方はこちら。
前回は、『ザ・ホワイトハウス』(The West Wing)のドラマを引用しながら、合理主義者のバートレット大統領と、感覚で生きているリッチー知事との間に生じる溝について書きました。コロナ禍において「物事を合理的に解決しよう」とする人がロックダウン支持に流れがちで、それに反対する人のことを運命論者的な無責任な人とし
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※本連載は第51回です。最初から読む方はこちら。
前回は、日本政治におけるアマチュアリズムについて書きました。ではグローバルに見た時のアマチュアリズムの本質とは何でしょうか。また、どうして民主化や大衆化とともに拡大する傾向にあるのでしょうか。本日はそのあたりについて考えたいと思います。
アマチュア政治家という言葉が使われるのは、大体エスタブリッシュメントからかけ
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※本連載は第50回です。最初から読む方はこちら。
前回は、維新の清々しい会見を入り口に、彼らのもつアマチュアリズムとプロフェッショナリズムの二重性について取り上げました。本日は、安倍前政権の特徴を振り返って、同じく二重性について考えたいと思います。
安倍さんは、いったんは下野した自民党を政権に復帰させ、7年8か月にわたる長期政権を築きました。ですから、アマチュア
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※本連載は第49回です。最初から読む方はこちら。
前回は、分断は民主主義にとっての障害ではなく、権力交代の必要からむしろ欠かせないものであるというお話をしました。分断を恐れる気持ちは、社会の構造変化に対する人びとの驚きと、政治の大衆化に対する不安が顕在化したものなのです。本日は、日本に視点を移し、政治闘争において「負ける」ということの意味について考えてみたいと思い
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※本連載は第48回です。最初から読む方はこちら。
米大統領選の影響もあってか、最近日本でも分断を憂う声がよく聞かれる気がします。新聞の社説でも番組でも、とかく分断が深まることを懸念する形で締めくくっておけば何らかの決まりやかたちが付くかのようです。大阪の都構想をめぐる住民投票においても、維新が先鋭的なイシューを掲げたことで大阪市民の意見が真っ二つに割れ、市民を「分
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※本連載は第47回です。最初から読む方はこちら。
前回は、自民党の政治家たちが改憲に反対する敵=護憲左派を抱えておくことの有用性に気づいていたのではないかという話をしました。
仮に憲法改正が実現し、米国の撤退傾向に伴う日米関係の変質によって、日本の自主防衛と同盟強化が矛盾なく定着していけば、経済的な対立軸と社会的な対立軸が主要な左右対立を代表するようになる可能性
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※本連載は第46回です。最初から読む方はこちら。
大阪の都構想が約1%の僅差で再び否決されました。変わらない日本の象徴がそこに見える気がしますが、つくづく民意というものの難しさについて考えさせられます。維新はかつて、最も勢いがあったときには保守二大政党の一翼を担いうる存在として期待を集めたことがあります。現時点では全国政党としては振るわないものの、関西圏においては統
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※本連載は第45回です。最初から読む方はこちら。
前回は、日本の人びとは非常に自律性が高い国民であること、意識調査によっては、設問を少し変えるだけでまったく違う結果を導き出すことが可能であるということについて書きました。
世界価値観調査の設問では、本音よりも建前の方が前面に出ます。「国民皆が安心して暮らせるよう」という前置きは、人々を一定方向に誘導するものですし
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※本連載は第44回です。最初から読む方はこちら。
前回は菅政権が掲げた「自助、共助、公助、そして絆」という公約に関する論争を取りあげ、日本社会における自助努力を重視する価値観について述べました。今回は、日本人は一般に考えられているほどお上頼りの国民ではないし、お上のことが好きでもないという仮説について考えたいと思います。
福祉関係の支出を増やそうとする上では、政