カササギは薄明に謡う

カササギは薄明に謡う 創作裏話

カササギは薄明に謡う 創作裏話

こちらは基本的にネタバレで埋め尽くされており、つまるところ読み終えてくださった方だけが楽しめるようになっております。ご了承ください。 🌒  逆噴射小説大賞2019にエントリーしたこの作品を本格的に執筆することにしました。ありがたいことに二次選考を突破することができました。  ただこれ、ちょっとゾンビものの導入っぽくも読めますよね。書いているときは気づかなかったのですが。もともと、地中から黒くて細かいものがわしゃわしゃ湧き上がってくるのをイメージしてました。  さて、逆

スキ
17
ファンアートを眺めつつ食べるミリメシが最高というはなし

ファンアートを眺めつつ食べるミリメシが最高というはなし

 な、なななんと!  またしてもファンアートを頂戴しちゃいました!ヾ(*´∀`*)ノヒャッホ-ィ  そうです。先日完結した「カササギは薄明に謡う」のメインキャラふたりを描いてくださったのです! 相変わらずのすごいクオリティ! しかも連載完結からたった数日で描きあげてくださるなんて感激でほほの緩みがとまりません!  巽に関してはほぼ容姿の描写がないにもかかわらず、安良さんは雰囲気を読み取る力がすごくて、わたしの脳内の巽像とほぼ一致しております。驚きました。  そして瑠華。

スキ
39
瑠華ちゃんと巽さんをイメージしてみました。
2人の活躍が楽しめる『カササギは薄明に謡う』は、城戸圭一郎さんの中編小説です!
https://note.com/keiichiro_kido/n/ncf574af4e94f

瑠華ちゃんと巽さんをイメージしてみました。 2人の活躍が楽しめる『カササギは薄明に謡う』は、城戸圭一郎さんの中編小説です! https://note.com/keiichiro_kido/n/ncf574af4e94f

スキ
13
カササギは薄明に謡う 【21】

カササギは薄明に謡う 【21】

全21シークエンスを11日間にわけて連載しました。 <2,600文字・読むのにかかる時間:5分> 前回 【21】  プジョー206のハンドルを握り、俺は不本意なほどの安全運転で幹線道路を走らせている。SDIRの流れ弾がフロントガラスを傷つけていたのだ。 「ちょっと。このペースじゃいつ帰れんのよ」  助手席の瑠華がダッシュボードに足を乗せて毒づいている。 「仕方ないだろ。風圧でヒビが広がったら困る。割れでもしたら運転できなくなるだろうが」 「ボロいし、遅い」 「うるさい。

スキ
18
カササギは薄明に謡う 【19,20】

カササギは薄明に謡う 【19,20】

全21シークエンスを11日間にわけて連載します。 <3,000文字・読むのにかかる時間:6分> 前回 【19】 「姉ちゃん! もうやめろ!」  少年の叫びが媒介者に届いたとは思えない。ただ、瑠華にのしかかっていた触手は引っ込んでいった。 「瑠華、無事か」  俺はすぐに駆け寄った。というのは気持ちだけのことで、俺の肉体はそれを実行できなかった。脚を引き摺り、期待の何倍もの時間を費やし、ようやく近寄る。 「巽ちゃん。それはあんたこそでしょ」 「俺はこのとおり、無事だ」 「そ

スキ
19
カササギは薄明に謡う 【17,18】

カササギは薄明に謡う 【17,18】

全21シークエンスを11日間にわけて連載します。 <2,800文字・読むのにかかる時間:6分> 前回 【17】 「遮蔽物を利用しろ!」  SDIRの隊員たちは銃撃をしつつ、包囲を広げて後退してゆく。校庭の外縁に沿って遊具が並んでおり、各々、そこを目指している。 「来る!」  瑠華の言葉で俺は視線を戻した。振り上げられた触手が二本、こちらに落下を開始するところだった。俺は左足を踏み込み、いったん引いた右腕を一気に振るった。  先端を長刀にしたノインシュヴァンツ・パイチェが

スキ
18
カササギは薄明に謡う 【15,16】

カササギは薄明に謡う 【15,16】

全21シークエンスを11日間にわけて連載します。 <2,800文字・読むのにかかる時間:6分> 前回 【15】  一瞬手を止めた自衛官がいた。弾丸を放った張本人だろう。だが、彼は少年を一瞥しただけで戦闘に戻った。 「ヒロト!」  瑠華が左手で少年を抱きしめる。  俺も一歩踏み出したが、そこで動けなくなった。  媒介者が空気を振動させたのだ。それは雄叫びそのものだった。  下腹部のあたりから紫紺の繊維が急速に伸び、纏まり、繊維球を形成した。それは一瞬ごとに膨張し、球のなか

スキ
14
カササギは薄明に謡う 【11,12】

カササギは薄明に謡う 【11,12】

全21シークエンスを11日間にわけて連載します。 <3,300文字・読むのにかかる時間:7分> 前回 【11】  校庭の端に、いくつかの遊具が並んでいる。すべり台、シーソー、ブランコ、雲梯、登り棒。ヒロトは駆け出すようにして、ジャングルジムに向かった。そして金属棒に手をかけてから、わずか数秒で最上段に腰掛けてみせた。 「速くない?」  瑠華はまだ二段目に脚を掛けたままだ。 「毎日登ってたから」  ヒロトは少しだけ得意げな表情をみせた。 「好きなんだ?」 「うーん。俺、高

スキ
14
カササギは薄明に謡う 【9,10】

カササギは薄明に謡う 【9,10】

全21シークエンスを11日間にわけて連載します。 <2,800文字・読むのにかかる時間:6分> 前回 【9】  ヒロトの家は小学校からすぐの場所にあるそうだ。通学時間が徒歩3分なのでギリギリまでテレビを観られて同級生に羨ましがられたらしい。無理もない。こんな田舎では、40分かけて歩いてくる生徒もいるはずだ。 「ちょっと待って、ここを通るの?」  俺たちがいるのは、農道というより林道だった。そして杉林の向こうに現れたのは古い隧道だ。高速道路でよく見られる黄色いクッション

スキ
16
カササギは薄明に謡う 【13,14】

カササギは薄明に謡う 【13,14】

全21シークエンスを11日間にわけて連載します。 <3,200文字・読むのにかかる時間:7分> 前回 【13】 「来た……かな?」  群青色の中空を見上げながら瑠華が呟く。その焦点は遠い。 「感じるか?」 「うん」  俺はやや深めに肺にニコチンを送ってから、点けてほどないタバコに別れを告げた。 「おい。いくぞ」  車内のヒロトに声を掛ける。残酷かもしれないが、少年を残しておくわけにはいかない。独りになればたちまち餌食にされてしまうだろう。俺たちと行動するしかないのだ。

スキ
17