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ビックリ。ある経営者の衝撃的な一言

新宿には
思い出横丁というのがある。

思い出横丁の歴史はかなり古くて
終戦直後の焼け野原に市場として誕生し、

今では
100坪ほどの土地に
70軒ものお店がギッシリと並ぶ。
かなりディープな飲み屋街だ。

ぼくは学生時代の仲間と
時々、そこで飲んでいた。

経営者の方だったり
会社員の方だったり、
音楽やっている人だったり、
色々な人がいて

下手にお洒落な店よりも楽しかった。

ぼくは以前、
バックパッカーだったこともあって、
そういう場所が今でも楽しい。

でも、経営者の方と
ご一緒させていただく時は

そういう場所に
お連れするのはかなり勇気がいる。

ただ……
以前そういった類のお店に
ある経営者の方を
お連れしたことがあって、

それが「比較的好評だった」と
Facebookに投稿したら、

「ハシモトさん、一緒に行きましょう」

また別の経営者の方から
ご連絡をいただいたので、
行くことになった。

うーん、大丈夫か、本当に。

ぼくはそう思ったのだけど、
ご本人が乗り気なので、
行くことになった。

新宿ではないのだけど、
ディープな立ち飲み屋に行った。

待ち合わせ場所から、
目的のお店に着いたら、

「ここですか」

そんなリアクションだった。

「ここですか!」という
喜びの反応なのか

「ここですか……」という
悲しみの反応なのか、が
イマイチわからない。

大丈夫かな、この方は……。

そう思って、
焼き鳥などを注文し、
お酒を飲みはじめた。

その方と普段話すのは
ビジネスかジャズの話だった。

コルトレーンがとにかく好きな方で、
僕もそれなりに聴いてはいるので
そこで盛り上がったりしていた。

ブルーノートの話や
ニューヨークのジャズバーの話など

その日もその辺りだと思っていた。

ところが、違った。

彼は聞いてきた。

「ハシモトさん、
ペヨングって食べたこと
ありますか?」

「えっ」

ぼくは自分の耳を疑っていた。

ペヨングって、何だ。

あの、まるか食品の
ペヤングソース焼きそばのシリーズの
新商品ペヨングか……?

何か、食品のビジネスの話かな……。

そう思っていると、

「アレをまだ食べていないんですよね」

そう話しはじめた。

「えっ」

僕は驚きすぎて、
一瞬、リアクションを忘れた。

「って、ペヤングとか、
お好きなんですか?」

そう僕が質問すると、

「えぇ、すごい好きなんですよね」

と満面の笑みで彼は答えた。

そこからの話は
その衝撃があまりに強すぎて
印象には残っていないのだけど……

人間って、本当にわからないな。

そう思いながら、帰宅した。

帰り道にセブン-イレブンに寄り
お腹がいっぱいなのに
ぼくはペヨングを買っていた。

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