大嫌いだった父へのありがとう
小さい頃はパパっ子だった
記憶にはないけれど写真を見返すと自分が笑顔の写真が多くて
お父さんが大好きだった
いつからだろう
家の中の空気が悪い時期があった
ピリピリしたような作り笑顔でしか毎日が過ごせない
いつしか笑顔も作れなくなって、心の中の重りがどんどん増えて
学校へ行く足取りも、勉強への熱意もなくなって自暴自棄になった
母や兄弟、友達、先生がみんな敵に見えた
父とは、口を開けばぶつかってばかり
避けるか、ぶつかるかの2択しかなかった
そして、どれだけ良い点を取っても、ピアノの発表が上手くいっても
褒めてもらえる事がなかった
塾は最高の塾に、上を目指せという父の言葉が重かった
グチグチ怒られれば、人格を全否定されている気持ちになった
父は仕事が好きで、家族の事は二の次だ
『父は私の事などどうでも良いのだと、愛されていないのだ』と
決めつけてしまった
そんな状態が10年ほど続き、私は家が出たくて結婚した
結婚してからも父を100%好きにはなれなかった
私が結婚したと同時に、父は会社を辞め起業した
自分が本当にしたかった事をしている父の目は輝いていた
とても楽しそうだった✨
始めは、起業は初めての事だし、家族全員が反対だったが
父の熱意を感じ、私も事業を手伝うようになった
昔は鬼のようにしか思わなかった父が、時折見せる優しさに
違和感を覚えながらも、充実した毎日を送った
腹がたったりもしたけれど、一緒に商品を0から1を作る経験は
とても楽しかった
思い出せば、役に立つからと学生の時にパソコンを手渡してくれた
それが、今の私の仕事を作っている
何を言わなくても、私の事をちゃんとみていてくれた
仕事をする楽しさを教えてくれたのも父
あんなに嫌いだった父はどこに行ってしまったのか
苦しいけれど、父を嫌う事で自分を保つ時期もあった
『ああ。嫉妬してたんだ』と気づいたのは最近の事
父の才能に嫉妬していた
本当は、父のようになりたいと心の奥底で思っていた
だからできない自分が悔しかった
どれだけ頑張っても、努力をしても追いつけない自分が
苦しかった
本当は自分が自分の事を一番嫌いだった
それを父親のせいにして、投影して責めていた
父を責めていたつもりが、自分を責めていた
今は、少しずつ凝り固まったものを溶かす作業をして
インナーチャイルドをケアして、幸せを感じる自分がいる
幸せを教えてくれたのも父
あまり、認めたくないけど(*´з`)
父に『ありがとう』と言うのは照れ臭いので、
一年に一回だけ言うきっかけをくれる父の日にも
ありがとう
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