「MBOとは?」 -会社のパーパスと個人のパーパスをどのように結びつけるか①-/「目標管理入門」より
会社のパーパスと個人のパーパスを結びつける
約一年前になりますが、「THE HEART OF BUSINESS」という書籍を題材に、当社の幹部ミーティングで「会社のパーパスと個人のパーパスを結びつける」というテーマについて研修しました。
個人が、会社のパーパス(夢や目的)を理解してそれを実現しようとしてくれる状況はとても素晴らしいですし、個人から発せられた夢や目的が会社のパーパスの一部になれば、さらにそれも素晴らしいことです。
会社のパーパスと個人のパーパスがある程度シンクロし、つながり結びつくことで個人のモチベーションは向上し、会社の業績に貢献し、それが会社のパーパス実現に近づくという理想は、私にとって目標としたい姿です。
しかし、では具体的にどう日々の経営や現場の運営に落とし込んでいけばよいのでしょうか。このことについて、「目標管理入門(坪谷邦生著」は「MBOの統合的アプローチ」を一つの方法として示してくれています。
今回は「MBOの定義」、2回めは「MBOの統合的アプローチ:4つの象限」、3回目は「MBOの統合的アプローチ:サイクル」についてご紹介します。
MBOとは?
MBOは「Management by Objectives and Self-control」の略で、P.F.ドラッカーが提唱したマネジメント哲学です。
マネジメント
Management(マネジメント)は、ドラッカー流に言えば、「組織を使って成果を上げるあらゆること」です。著者は、成果とは売上や利益などの業績ではなく、顧客に届いた価値のことであると説明しています。
共通の目標
Objectives(著者の訳:共通の目標)は、組織の一人ひとりをまとめて方向づけるためにあります。「客観」といういう意味も持ち、個人一人ひとりが持つ目標ではなく、客観的に組織やチームのメンバーが共通に持つものです。
自律的な貢献
Self-control(著者の訳:自律的な貢献)は、自ら果たすべき貢献を定め、自らをコントロールする姿勢のことです。
最後に
MBOとは、「共通の目標」と「自律的な貢献」によって、「組織を使って成果をあげる」ことであると文中で定義されています。
日本ではMBOを目標管理と訳すため、このSelf-controlの部分が抜け落ちて理解されているようです。私も目標管理と聞いて、共通の目標は思いつきましたが、自律的な貢献が含まれているとは気づきませんでした。
またドラッカーは、MBOを人事評価や報酬制度の一部などではなく、哲学(考え方)として提唱しています。
次回は「MBOの統合的アプローチ」についてご紹介します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?