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開化の断片

2016年、私は骨董市で1冊の本を買いました。その本は女学校で使われた賛美歌の本でした。お店の人からは大阪の女学校で音楽の先生をやっていた方のものと聞きました。

ウヰルミナ女学校卒業式案内断片

本は残念ながら手放したのですが、本に小さな断片が挟まっていました。ウヰルミナ女学校での卒業式と音楽会、文学会を開催する案内です。見た瞬間一目惚れしました。

実はこの展覧会を開催しようと思ったのは、この断片を世に出したいという理由からです。

ウヰルミナ女学校は現在の大阪女学院のこと。1904(明治37)年に設立されたミッション系の学校です。賛美歌の本は奥付を見ると明治40年と記載されていましたので、この断片もその頃のものと思われます。

左端に「サリー、アレキ・・・」と人の名前らしき記載がありますが、もしかしたらアレキ・・・とあるこの人は明治15年に大阪に来てウヰルミナ女学校の創立者の1人である宣教師T.Tアレキサンダーかもしれません。

1つの断片から明治時代の土曜日午後にあった女学校の卒業式、文学会、音楽会そして賛美歌を歌う女学生たち・・・当時の風景がいろいろ想像できる1点です。


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