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関節可動域障害 〜アプローチ〜

前回は、関節可動域障害の概要と構造・分類について紹介いたしました。

関節可動域練習はリハビリで行うことが多いと思います。

関節可動域練習を効果的に行うことで、運動療法に円滑に移れたり、ADLを改善することもできます。

今回は、関節可動域障害に対するアプローチについて紹介していきます。

基礎的な内容になりますが確認していただけたら幸いです!


目的


・関節可動域を改善することでADLの改善をはかります。

・長期臥床や安静が見込まれる場合は関節拘縮や筋力低下の予防のために行います。

・関節可動域練習により、関節軟骨の栄養を確保・再生や運動感覚の維持や回復をはかります。

方法


不動3日目から軟部組織の変化が生じるとされているため、可能な限り早期に関節可動域練習を始めることが大切です。

患者様の状態に合わせて、他動運動、自動運動、自動他動運動を組み合わせます。また、機器を用いた持続他動的運動(CPM)を用いることもあります。

運動は適度な力で痛みが出ない程度で行います。反動をつけるような強い短時間の運動よりも、緩やかで持続的な運動の方が効果的です。

全身の関節を可能な限り動かせる範囲で動かすことが望ましいです。

本人を含め、家族や介護者に関節可動域練習を習得してもらうようにしましょう。

良肢位の保持


生活上で、比較的便利な肢位を良肢位(機能的肢位)とよびます。

ギプス固定や片麻痺患者などの就寝時や坐位の際には、痛みや褥瘡予防のために良肢位をとることが重要です。


リスク管理

関節可動域訓練においてもリスク管理が大切になります。無理な運動は症状を悪化させるリスクがあるため注意しましょう。

廃用症候群

臥床期間、入院期間、ギプス固定期間は可能な限り短くします。急性期から患者様の状態に合わせたベッド上でのリハビリを開始します。

急性期・術直後

患者様の状態、治療・手術の内容、経過、禁忌事項などを主治医に確認し、情報をチームで共有します。

意識障害や言語障害などで意思疎通を取れない場合は、バイタルサインや表情などに注意を払いましょう。

骨折予防

高齢者、長期の不動、麻痺、関節リウマチなどでは、骨粗鬆症や骨萎縮を生じている可能性が高いです。骨折予防のため、注意深く、ゆっくりと動かすことが必要です。

疼痛

関節に腫脹や浮腫がある場やX線所見で異所性骨化がみられる場合は、運動により痛みが誘発される可能性があります。

痛みが強い場合は逃避反射がみられるので、これらのサインを見逃さないようにします。

許容される痛みの目安は、「無理のない程度」、「ちょっと痛い」などと表現される範囲内です。

損傷の回避

強い屈伸、弾みをつけた屈伸、間欠的な屈伸は、軟部組織を損傷したり出血や炎症を起こす可能性があります。

小さい力で、ゆっくり時間をかけて動かすことが基本になります。

まとめ

・目的は、ADL改善、拘縮・筋力低下予防、関節軟骨の栄養確保・再生、運動感覚の維持・改善
・不動期間をできるだけ短くする。
・痛みが出ない程度の力で、できるだけ全身を動かす。
・症状の悪化を防ぐためリスク管理も重要。


参考に書籍はこちらです↓
リハビリテーションビジュアルブック第2版


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今回の記事は以上になります。

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