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関節可動域障害 〜概要と構造・分類〜

リハビリでは関節可動域制限に対してアプローチすることで運動を変化させていきます。

しかし、関節の構造や分類を理解できていないと、アプローチする際に、どの組織に触れたらいいのか、どの方向に動かすのか分からなくなります。

今回は、関節可動域の概要と構造・分類について紹介していきます。

本日も、学習していきましょう!





関節可動域とは?

関節可動域(ROM:range of motion)とは、関節を自動または他動で無理なく動かせる範囲のことです。

関節可動域が標準的な角度に到達せず、日常生活動作に支障をきたした状態を関節可動域障害といいます。

自動関節可動域は、筋力や運動の協調性、拮抗筋の影響を受けます。

他動関節可動域は、上記の影響を受けないため、関節の構築学的異常や関節周囲軟部組織の柔軟性や伸張性低下を把握しやすいです。

一般的には、後者の他動関節可動域が「関節可動域表示ならびに測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会,1995)」の参考可動域を満たしていない場合に関節可動域制限が存在すると捉えています。

関節の分類

関節は骨と骨が連結している部分をいいます。

関節は可動性により、不動関節と可動関節に大別されます。

また、関節面の形状や運動により分類されます。


可動関節の構造

可動関節はまわりが滑膜で覆われるため滑膜関節ともよばれます。

滑膜は、関節のすきま(関節腔)を満たす滑液を分泌します。

滑液は、関節軟骨に栄養を与えるとともに、関節の滑りをよくする潤滑液の役目を果たすため関節内の摩擦は小さくなります。

滑膜の外側は伸縮性のある線維層になっており、さらに外側はコラーゲン線維の束と弾性線維細胞からなる丈夫で弾性のある靭帯があります。

関節包と靭帯は関節がずれないように支える役割を果たしています。

関節可動域が制限される場合

・関節包と靭帯の弾性(伸縮性)が変性・短縮・癒着などで低下する。
 原因として、関節リウマチ、関節炎、長期間の固定・臥床、高齢など

・筋力低下では、他動運動では制限がみられないが自動運動で制限される。
 伸筋と屈筋の筋力バランスが崩れた場合にも制限される。

・外傷などで骨自体が変形した場合

・不動により筋萎縮、筋力低下した場合

・疼痛

関節可動域が正常範囲を超える場合

・関節弛緩、関節不安定性が生じている場合
 原因として関節包や靭帯の損傷、先天性の結合組織疾患
 このような状態では脱臼しやすくなる

まとめ

・関節可動域は、自動、他動運動で無理なく動かせる範囲のこと
・関節可動域が制限されると日常生活動作が阻害される
 日常生活動作が阻害された状態は関節可動域障害とよばれる
・関節は不動関節と可動関節に分けられる
・可動関節は滑膜で覆われている
・滑膜から分泌された滑液は関節の摩擦を小さくする



参考に書籍はこちらです↓
リハビリテーションビジュアルブック第2版



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今回の記事は以上になります。

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