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【モノローグエッセイ】銀色の幸福

ご飯を食べていた。
8割ぐらい食べ終わって考えごとをしていた時、ふと、隣に座っていたお客さんが目に入った。

年配のご夫婦がとてもゆっくりご飯を食べていた。

銀髪の頭をつきあわせて、ゆっくり、ゆっくり、ごはんを食べて、お茶を飲んで、話していた。
店内には他にも何人かお客さんがいて、店員さんはキビキビと動いていたが、その年配のご夫婦のテーブルだけは、まるでそこだけスローモーションかのような時間の中にいるように見えた。

少しおぼつかない手。
たまにこぼすごはん。
二つの銀色の頭。

私は、この光景を「ひとつの幸福のかたち」だなぁと感じた。
世の中には色んな幸福のカタチがあるけれど、
このご夫婦が辿り着いた幸福はコレなんだなあって納得した。銀色の幸福


あんまり幸福、幸福って書きすぎると
なんだか安っぽく見えるからこのくらいで。


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